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2004年05月17日

グーグルの収益構造の課題

本日は日経のニュースをソースとしたトピックではなく、グーグルのS-1をもとに、グーグルが近い将来直面するであろう収益構造の課題について考えたい。このトピックはITベンチャーでの起業などを志向している方には参考になると思う。
【グーグルの収益構造の現状】
グーグルはどのようにしてお金を稼いでいるのであろうか?実は驚くほど単純である。2003年度のグーグルの売上高は約1,097億円(為替レート114で換算)であるが、その内95%が広告収入である。その95%を更に分解すると、80%がグーグルのサイトでの広告収入であり、15%が他のサイト、つまりAdSense広告による収入である。
【グーグルのサイトでの広告収入に関わるリスク】
グーグルの売上げの大部分はグーグルの検索サイトに表示される広告から生み出されているが、ではグーグルのサイトがこれからも高い売上高を維持できるのかと言えば、様々なリスク要因がある。
最大のリスクは競合による追撃である。マイクロソフトとヤフーの追撃はいうに及ばず、インターネット・プロバイダー等が検索エンジンを提供する動きもあり、他社が検索エンジンを充実させればさせるほど、グーグルのシェアは低下する。
特に無視できないのがマイクロソフトの動きである。私はこのS-1によりはじめて知ったのだが、マイクロソフト製品(例えばワード)から作成されるドキュメントは、キーワードにどれほど関連性があろうと、グーグル検索にひっかかってこないそうである。これは検索の質低下を意味し、グーグルにとって大きな脅威である。関連分野での圧倒的なシェアを武器に新分野に殴り込みをかける、マイクロソフト独特の手法に、グーグルがどう対抗するのかが注目される。
【AdSense広告の課題】
グーグルサイトはこのように大きな競合の脅威にされされているため、収益源を多様化するために生み出されたのがAdSense広告である。
AdSense広告は、広告の表示場所をグーグル自社のサイトに求めるのではなく、他のサイトに求めるものである。例えば、この弊社サイトでもやろうと思えば、グーグルのAdSense広告を表示できる。
このAdSense広告の課題だが、グーグルのサイトでの広告に比べて、粗利益率が低いということが最大であろう。なぜ、粗利益率が低いかといえば、グーグルのブランドが活きないからである。我々がグーグルサイトで検索を行うのは、グーグルブランドに対して圧倒的な信頼があるからであり、広告主はそのグーグルのブランド、集客力を認め高いフィーをグーグルに支払う。
ところが、グーグル社外のサイトに掲載される広告となると、集客力の源のブランドを有しているのは各サイトオーナーであり、グーグルは各サイトオーナーに相当な対価を支払わねばならない。その分だけ粗利は低下せざるを得ないのである。
粗利益率が低い中でも確実に儲けを出すにあたって重要なのが、事務作業を低コストで正確にこなすことだ。しかし、我々のグーグルに抱くイメージからも、淡々と事務作業をこなすグーグル社員というのは違和感があり、S-1においても、グーグル自身、内部統制に問題があることを認めている
AdSense広告にまつわる事務作業をアウトソースする動きにも触れられているが、コアコンピタンス外の業務を外だしする方向性は正しいが、アウトソースとて万能ではない。事務移行に際して混乱が生じることも覚悟せねばならない。
【長期的な戦略課題】
収益源を多様化するために、AdSense広告を開始したこと自体は正解であろうが、グーグルブランドに見合った利益を取れないビジネスだという点が課題であろう。
今後の長期的な戦略課題としては、広告収入だけを収益源とするのではなく、ブランドを活かして他分野に進出することも必要となってくるのではないだろうか?そのためには、買収等も選択肢の一つとして検討せねばなるまい。

Posted by Ken Kodama at 2004年05月17日 11:27
Comments

Good

Posted by: jennifer at 2005年01月26日 16:32

山本様

コメントいただきありがとうございます。またサイトを拝見させていただきましたが、同業の方でいらっしゃいますね。弊社は業務範囲を広く掲げているため、ともすれば、浅くなってしまいがちです。販売面に関しては、今後も貴サイトの情報を参考にさせていただきたいと思います。
ご質問の件ですが、これは同業の方だからはっきりお答えするのですが、正直なところわかりません(笑)。彼らの最大の強みの検索の技術が、どの関連分野と親和性があるかなどを評価するほどの技術の見識はないですし、私の仕事のスタンスとしても、ビジネスドメインを(評価はしますが)選択するところまでは基本的に立ち入らないからです。
答えになっていなくて申し訳ないですが、今後ともよろしくお願い致します。(しかしクリック率10%はすごいですね!)

Posted by: サイト管理人(児玉健) at 2004年05月19日 14:51

はじめまして。山本と申します。

記事拝見してコメントを残しました。

文末のグーグルのブランド力を生かした分野とは、具体的にどのようなことが考えられますか?
あなた様の主観でよいですので、コメントいただけると幸いです。

ちなみに、当社のサイト(http://www.e-uru.jp)のAdSense広告のクリック率は10%前後で推移して、そこそこ稼いでいます!

Posted by: 山本直人 at 2004年05月18日 22:08
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