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2004年05月25日

サルでもわかる税効果資本

大手銀行の2004年3月期決算が発表されたとの報道。おおむね改善の方向性だが、多くの方が、銀行決算が発表される度に頭をひねるのが「税効果資本」であろう。この概念をわかりやすく説明しようという試みはこのサイトのようにいくつもあるのだが、当サイトでもその試みにチャレンジしてみたい。
【税効果依存度とはなにか】
税効果依存度とは、資産である繰延税金資産を資本でわった比率である。一般的にこの数値が高いほど、その銀行は「あぶない」と言われる。つまり、自己資本の金額に比べて、繰延税金資産の金額が大きければ、危ない銀行との烙印を押されてしまう。なぜだろう?自己資本が大きければ大きいほど、安全というのは直感的にわかるであろう。そこで、まず、繰延税金資産とはなにかを知る必要がありそうだ。
【繰延税金資産とはなにか】
例えば、「前払家賃」が資産であるのはわかるだろうか?1年分の家賃を前払いしておけば、翌年に家賃を支払わなくていい。翌年の支払いが節約できるのだから、前払いは資産である
実は、繰延税金資産も同様で、これは、実は税金の前払いなのである。税金を前もって支払っているから、翌年以降の税金の支払いが少なくなる、だから資産なのだ。
【前払家賃は健全で繰延税金資産は危ないのはなぜ?】
前払家賃がいくら多かろうと、危ない銀行とは呼ばれない。だが、繰延税金資産が多いと危ないといわれてしまう。同じ前払いなのになぜこうも扱いが違うのか?
理由はこうだ。まず、法人税の誰でも知っている仕組みだが、黒字でなければ法人税は課されない。赤字企業は法人税を支払わなくてよい。つまり、「繰延税金資産」などと騒いで法人税を前払いしたつもりでいても、これから先ずっと赤字続きだったら、実はそもそも払う必要のない税金を払っていたことになってしまう
したがって、繰延税金資産を計上するときには、将来税金を支払うぐらいに儲けがでるのかどうかをじっくり調べて、その範囲内でしか計上してはいけないことになっているのだが、なにせ先のことだから、見積もりが狂うこともある。(また、悪い人は黒字になることなんかありっこないと分かっていながら、繰延税金資産を計上したりもする。)見積もりが狂って将来黒字なんてありえないことが判明した時点で、繰延税金資産は突然、資産でなくなってしまうのだ。
前払家賃は企業の将来の利益見積に関わらず資産であり続けるが、繰延税金資産は利益見積が狂うと一挙に資産でなくなってしまう可能性がある、そんな不安定な資産だから、あまり金額が大きいことは望ましくないとされているのだ。
以上が非常に粗い、私なりのわかりやすい説明のつもりだ。もう少し厳密な説明や深いところに興味をもたれた方には、このサイトをお勧めする。

Posted by Ken Kodama at 2004年05月25日 14:25
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