生命保険会社の2004年3月期決算が相次いで発表されている。(第一生命、日本生命、住友生命、明治安田生命の日経報道はそれぞれのリンク参照)生命保険に加入している人は、年に1回だけでも、自分の生命保険会社の経営内容を、気にするような習慣をつけておく方が望ましい。その際に、最低限チェックしていただきたい2つの指標が、安全性を表すソルベンシー・マージン比率と収益性を表す基礎利益で、本日は後者についてのみ解説する。
基礎利益とは生保各社の本業から生じる利益のこと。一般の事業法人でいえば経常利益に相当するものと考えて差し支えない。
この基礎利益は3つの要素から構成される。その3つとは死差益、利差益、費差益の3つ。
生命保険会社の見積もりより被保険者の死亡数が少なく、保険金の支払いが少なくて済んだときに計上されるのが死差益である。
また、生命保険会社の見積もりより事務コスト(営業員の給料とかシステム構築費用など)が少なく済んだときに計上されるのが費差益である。
また、終身保険や養老保険は契約時に一定の利回り(予定利率)が決められており、資産運用が上手くいって予定利率を上回る運用益を稼いだときに計上されるのが利差益であり、逆に運用に失敗して予定利率を下回ったときに計上されるのが利差損で、この利差損のことを俗に逆ザヤという。
一般的に、古くから営業している生命保険会社は、利差損を計上し続けており、それを上回る死差益と費差益の合計額により、プラスの基礎利益を維持している。
この逆ザヤの金額が2003年度の決算で大手6社の合計額がようやく1兆円をきったとの報道が昨日あった。一見して巨額だが、基礎利益はプラスなのだから、それをはるかに上回る死差益と費差益を計上していることがわかり、一部マスコミからは、「儲け過ぎ」との批判もある。
一生命保険契約者として、この基礎利益という数字をどのように見ていけばよいかというと、とりあえず前年比で減っているのか増えているのかを見て、増えていれば特に気にする必要はない。減っていれば、必ずその原因が記事に書いてあるはずなので、それを注意深く読むべきだろう。ただ、基礎利益が減ったからといってすぐ解約などせず、その減少が数年にわたって継続したときにはじめて、ファイナンシャル・プランナー等に相談すればよい。早まって解約をしてしまうと損になってしまうことがよくあるため、是非専門家のアドバイスを参考にしていただきたい。