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2004年06月04日

ドンキホーテが増配してなぜ株価が上昇するのか?

ドンキホーテが今期増配する公算との報道を受けて、株価が、前日比250円高(+3.4%)の7,600円で本日引けた
配当を増やすから株価が上がる・・・一見当たり前に聞こえるが、企業財務の理論の世界から見ればそうもいかない。
モジリアーニとミラーという二人が体系化した「MM理論」によれば、税の存在しない世界では、「配当政策の変化は株価に影響を与えない」とされている。つまり、理論的には配当を増やそうが減らそうが、株価は変化しないはずだと言っているのだ。しかし、当然ながら我々の住む世界には税は存在するわけで、では、税が存在するもとではこの理論はどう修正されることになるかというと、驚くなかれ、所得税の存在を考えれば配当は低く抑えておくほどよい、という結論になっているのだ。これは、本日のドンキホーテの株価の動きと矛盾する。
しかし、本日のドンキホーテに限らず、一般的には増配がアナウンスされると、株価が上昇することが多い。これは、我々一般投資家が馬鹿で、目先のにんじんにだまされているからなのであろうか?
増配アナウンス後に株価が上昇する現象を説明する理論としては、次のようなものがある。一般的に配当を減らしたり(減配)、無配に転じたりすると、その企業の経営者は株主から厳しく批判される。だから、経営者は減配や無配という事態をなんとしてでも避けようとするものである。一方で、増配するということは、配当額の水準を上げてしまうことだから、将来減配・無配に転じるリスクが増すことを意味する。そのようなリスクをとってまであえて増配するのは、経営者のその企業の将来に対するよほどの自信の現れである。市場は増配を将来に対する自信の裏づけと読みとり、株価が増配アナウンスを受けて上昇する、というのが、企業財務理論からの説明となっている。

配当政策で有名なのは、マイクロソフトであろう。マイクロソフトは「余分な現金は将来の会社の成長のための投資に回したいから、配当はしない」と宣言していることで有名である。グーグルもIPOに先立って、配当を当分しない旨を宣言している。ドンキホーテとて事情は同じで、将来多くの新規出店を予定しているのであれば、あまり配当を増やしたくないのが実情のはずだ。したがって、今回の増配の動きから推測されるのは、ドンキホーテが新規出店のペースを鈍化させるのではないかということである。有望な投資案件がないのであれば、現金を手元にじゃぶじゃぶ持っているのではなく、配当や自社株買戻しという形で株主に還元すべきというのが最近の潮流であり、ドンキホーテの成長のペースが今後鈍化するのではないかというのが、本日の増配アナウンスを受けての私の推測である。

Posted by Ken Kodama at 2004年06月04日 16:10
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