法制審議会は「1円起業」を恒久的な制度とする方針を固めたとの報道である。
起業を志す人には今さら詳細な説明は不要であろうが、若干解説しておくと、本来ならば、有限会社を設立するには最低300万円の資本金が、株式会社を設立するには最低1,000万円の資本金が必要となる。いうまでもなくかなり高額であり、起業を志す人にとって大きなハードルとなっていた。そこで2003年より5年に限り、設立後5年以内に本来の金額まで増資するのであれば、設立当初の資本金は1円であってもよいと認め、この制度が俗称「1円起業」の制度と呼ばれた。今回の方針が実現すれば、この制度を2003年から5年間に限るのではなく、2008年以降も資本金1円で有限会社や株式会社を設立することが可能となる。
ときどき誤解している方がいるので、念のために説明しておくと、この制度を活用したからといって、どんなビジネスをはじめる場合でも、資本金が1円で済むわけではない。例えばカフェを始めるという場合で、仮に1月あたりの必要経費を100万円と見積もるのであれば、最低3ヶ月分の300万円近くの自己資金を用意してから開業したいものである。では、なぜわざわざ1円の資本金で会社が設立できるようにしたかといえば、世の中には初期費用を多く必要としないビジネスが多くあり、それらの起業を後押しするためである。例えば、私の経営するコンサルティング業などは、頭とパソコンと机があればはじめられ、300万円もの自己資金は開業にあたって必要ない。また、インターネットの登場により、ネット上だけで販売を行うのであれば、店舗を借りるための敷金・賃貸料はいらないことはもとより、販売員等も雇わずにすみ、所要資金はぐんと少なくてすむ。そのような少額資本で開業が可能なビジネスを後押しするのがこの法律であり、ビジネスの種類によっては初期費用が多くかかることを忘れないでいただきたい。
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