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2004年06月17日

金融一体課税とはなにか、またどう対処すべきか?

政府税制調査会より、金融一体課税に関する報告書が発表されました。日経新聞報道では、早ければ2005年度中からの段階的な実施を検討しているようです。詳細は上記のリンクより原文をご覧頂くとして、ここでは報告書の背景と概要を簡単にご紹介したいと思います。
【現行の所得税の仕組みとその問題点】
企業が支払う法人税の仕組と、我々個人が支払う所得税の仕組を比べてみると、所得税の仕組の複雑さがわかります。法人税の仕組を単純化して簡単に説明すると、全ての収益(益金)とそれにかかった費用(損金)を全部まとめて所得の金額(課税標準)を計算して、それに法人税率をかけて計算します。
ところが、我々の支払う所得税を計算するためには、我々の得た所得はそれぞれの所得の性格に応じて、「利子所得」「配当所得」「譲渡所得」「給与所得」などと分類されて、それぞれの所得に応じた税率で所得税が計算されます。ここで問題なのが、分類されたそれぞれの所得の間で損益を通算することがほとんどできない点にあります。
例えば株式投資を行っていらっしゃる方は少なくないと思われますが、損失を出してしまった方もまた少なくないと思われます。しかし、株式の売買で損失を出す一方で、配当はしっかり受け取っていると思われますが、この配当のもうけと売買の損失を相殺できないため、結果的に税金を多く納めねばならない結果に陥ってしまっています。安間伸さんという方の書いた「資産運用のカラクリ」という著作の表現を借りれば、「勝ったら税金、負けたら救済なし」という、我々個人のとって厳しい仕組になってしまっているのが、今の税制の問題点なのです。
【金融一体課税の目指すもの】
「負けたら救済なし」という酷な仕組を見直し、金融商品から生じる所得を一体として見て、例えば株の売却損が出ても、その分配当から得たもうけから控除できるようにして、リスクのある金融商品への投資を促そうというのが、金融一体課税の目指すところなのです。これを一言でいうと「貯蓄から投資へ」という言葉になり、報告書では「貯蓄から投資へ」というスローガンが何度も登場します。
【我々はどう対処すべきか?】
まだ、改正法案の細かい点はでていないため、具体的な対応策は申し上げられないのですが、少なくとも今の時点でいえるのは、これまで株式投資を敬遠していた方も、税制によるメリットが生まれるのですから、株式投資を行うことを検討してみてもよいのではないかということです。会社や政府が老後の生活資金を高い利回りで運用してくれる時代は終焉を迎え、我々が経済的に豊かな老後を送るには自らの手で金融資産を増やすことを考えねばなりません。金融一体課税が実現すれば、損をしても節税できるわけですから、今までよりもリスク商品への投資はしやすくなると思われます。
このサイトでは今後も金融一体課税の動きを注視し情報提供を行っていきたいと考えています。

Posted by Ken Kodama at 2004年06月17日 16:23
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