一連の顧客情報流出騒ぎの末に、ソフトバンクが打ち出した対策は、この報道にあるように、社内に外部のセキュリティー専業者が運営する「顧客情報」監視センターを設置することでした。
「顧客情報を扱う端末の画面やキーの入力状況を見張ったり」、「カメラでも監視し」たりするそうで、情報を預ける顧客としては、かなり安心感が得られる対策になっていると思われるのですが、懸念されるのは同社で働く従業員への影響です。
2003年度のソフトバンクの決算発表において、孫氏はブロードバンドビジネスの顧客の生涯価値が4,000億円と算定されると胸を張りました。つまり、YahooBBの既存ユーザーに今後ADSLの高速化やBBフォン、無線LANパックなどの付加価値メニューを追加し、利益を拡大していくという目論見です。しかし、そうした付加価値メニューの販売にあたって、販売担当者は、当然顧客情報を参照せざるを得ず、どういう属性の顧客にはどういうアプローチをしようと、考えにふけるわけです。そういうクリエイティブな作業をしているそばで、キーストロークを見張られていたり、カメラで監視されていたりしたら、よいアイデアは浮かんでくるのでしょうか?常に監視の目を気にしながら働かざるを得ないとなると、人間の心理にはどのような影響が与えられるのでしょうか?
以前の弊社記事にて、個人情報保護法対策は、情報システム部門だけではなく、マーケティング・営業部門も含めた社内横断的なアプローチで対処せねばならない旨を指摘しましたが、ソフトバンクBBの動きを見ると、人事部門もこの課題に大きな役割を担う必要があることを感じます。