「東京がアジアで最も重要な拠点」と考える外資系金融機関が6割に達するとの報道です。理由については「金融システム不安が遠のいたことや日本の金融機関の情報開示が進んだことなどを評価」としていますが、私にはもっと別の理由があるように思えます。
外資系金融機関が日本にて行う業務は大きくわけて2つといってよいでしょう。一つは株式や債券のトレーディングで、証券の流通市場に関わるもの、もう一つは企業の資金調達に深く関与するもので、発行市場に関わるものや純粋なアドバイザリー業務が後者に該当します。
前者においては、特に為替のトレーディングなどは24時間相場が動いているわけですから、ニューヨーク、ロンドンに加えて、アジアに一つ拠点が必要となるわけです。そして、その選択は東京、香港、シンガポールのいずれかになるのですが、こうしたトレーディング上の要請でアジアに拠点が必要になる場合は、3つのうちいずれでもよく、コストの安いところを選択する傾向が強かったといってよいでしょう。その結果、トレーディングを主体とする金融機関で東京を縮小するところは結構多かったのが実情です。
ところが、今回の調査で東京が見直されているというのは、後者の発行市場がらみの需要が大きくなると外資金融機関が見ていると考えているといってよいでしょう。景気がもちなおしているというのが、最大の理由でしょう。また、一つ私が個人的に注目しているのが、欧米流の(財務)マネジメントスタイルが日本に浸透してきたことも大きい要因だと思われます。例えば、先日の三井住友のUFJ買収提案ですが、こうした敵対的買収の提案を日本企業が行うことは数年前までは考えられなかったことです。「株主を重視した経営」が日本の経営陣にも浸透しつつあり、こうした欧米流の手法に理解が深まると、外資金融機関の活躍できるフィールドが広がるわけです。報道はされませんが、三井住友の背後には絶対にどこかの外資金融機関(米系のGではじまるとこかな???)のアドバイスがあったはずで、UFJに提案した申し入れ書の作成にも関与しているはずです。そして、巨額のフィーを稼いでいたはずです。
更に先のこと、例えば10年くらい先のことをいうと、そのころは中国経済が恐ろしい勢いで成長を遂げているはずです。そうすると、発行市場がらみの注目も中国に集中し、そのとき金融センターとしての本当の地盤沈下が東京を襲うのではないかという気が漠然とします。そうした未来に備え、なにか策はあるのでしょうか?