グッドローンがドイツ証券と住宅ローン事業で提携して、グッドローンが保有する住宅ローンの債権をドイツ証券が証券化して販売するとの報道です。基本的には、この仕組みは、2003年10月よりスタートした「民間新型住宅ローン」と同じです。民間新型住宅ローンでは証券化を担うのが住宅金融公庫で、今回の記事では、ドイツ証券が証券化を担うという点が異なる点で、おそらく、ドイツ証券は証券化の事務コストを抑えることで、トータルで低利なローン金利の実現を目指すのでしょう。
住宅ローンの借り手である人々は「証券化という技術によって、民間金融機関が30年近くにわたる長期の貸出しをしやすくなった。」と理解しておけば、それで問題はありません。その背後の仕組みに興味がある方に補足しておくと、一般に住宅ローン市場に参入したがっている民間金融機関は貸出しは30年近くの超長期になりますが、資金の調達は短期資金が主で、そのまま放置しておくと、将来的に逆ざやの問題が発生してしまいます。しかし、証券化という仕組みを通じて貸出債権が売却できれば、こうした逆ざやのリスクは解消されます。では、ローンを販売する金融機関はどのようにして収益を得るのかというと、販売時点のローンの審査や、その後の回収に関する手数料相当分が、ローン販売金融機関の手元に残ることとなり、実質的にはフィービジネスを行っているといえるでしょう。
では、証券化された30年後に満期を迎える債券は誰が買うのでしょうか?考えられるのはやはり生保でしょう。生保の負債はやはり30年以上の超長期で、国債といえど10年満期が主流です。こうしたローン債券を資産に組み入れることで、資産と負債の年限がマッチし、逆ザヤのリスクが低減します。
銀行はROAの向上を目指して、フィー・ビジネスの割合を増やしつつあります。表面的にはやっていることはかわり映えがしないように見えても、10年後の銀行のB/Sはがらりとかわっているかもしれません。