金融庁は17日、シティバンク在日支店に対しプライベートバンキング業務を手掛ける全4拠点の営業認可取り消しや、新規の外貨預金業務の一時停止などの処分を発表したとの報道です。シティの外貨預金に関しては、この報道と直接的な関係があるかどうかは定かではありませんが、弊社サイトの関連記事がありますので、ご参照下さい。
本日(9月19日)の日経新聞の社説のタイトルは「シティバンクよ、お前もか」でした。これは、CSFB(クレディ・スイス・ファースト・ボストン)の飛ばしがらみの取引に端を発した、一連の外資系金融機関の不祥事を意識してのタイトルなのでしょう。ここまでくると、外資系金融機関の日本の拠点には、構造的な問題があると言わざるを得ないでしょう。なにが問題なのでしょうか?私は外資系金融機関に勤務経験もあるし、また、勤務以外の人脈を通しても多少内部の事情を知っています。また、金融以外の外資系での勤務経験も有しています。そうした、個人的な体験・交流から、外資系金融機関の日本拠点の問題点を挙げるとすると以下のような点になるでしょう。
①お金を稼ぐトレーダー・営業関係者にはコンプライアンスとは縁遠い人が多い
シティ、CSFBなどとカタカナで来られると、英語を操るスマートな洗練された人々の集団であるかのような錯覚を起こしますが、お金を稼ぎ出すトレーダーや営業マンは、そうしたイメージからはかけ離れた方が実際多いものです。そして、はなから「法令遵守(コンプライアンス)」などといったことを馬鹿にしてかかった人が多いのも事実です。
②管理部門の力が営業部門に比べて圧倒的に弱い
①の問題点は、まあ、仕方がない点でもあります。営業マンがあまりにスマートすぎたら、泥臭くお金を稼いでくれません。深刻な問題はこちらの②の方でしょう。管理部門にはコンプライアンス(法令遵守)といった、営業活動が法令に合致したものか調べる専門の部署が存在しますが、管理部門の営業部門に対する影響力があまりに非力なことが多いのです。私は、この現象は、日本の外資系金融機関に特有のものだと思っています。メーカーや小売の場合、お金を稼ぎ出すのは個々の営業マンの努力ももちろんありますが、そのビジネスの仕組自体に依存するところが大きいのです。したがって、営業における「個」の力は小さく、営業系の人々がそれほど大きな顔をすることもありません。
しかし、今回問題となったプライベートバンキングなどの業務のよい場合、個々の営業マンがいかに人脈を有しているかどうかが、大きな鍵となり、したがって、自分の力を知る営業マンは組織の中で大きな顔をして、管理部門のいうことを無視するようになります。
それは、PB業務に限らず、トレーディング、法人営業においても同様です。
外資系金融機関の内部において、管理部門がいかにして復権するかが、こうした不祥事を未然に防ぐ鍵となることでしょう。