総務省は2007年度にも、課税漏れとなっている1年未満の短期就労者から個人住民税を徴収するとの報道です。本日の日経朝刊トップに『フリーターに住民課税』の見出しが躍り、フリーターの方はどきりとされたことと思いますが、別に新たな課税がなされるわけではありません。現在は、1月1日時点で就労していなければ納税義務が生じないため、極端な話で言えば、1月2日から12月31日まで就労された方には住民税が課されないことになってしまい、今回の措置は、こうした制度の不備による不公平感を解消することに目的があります。ですから、公平性という観点からは当然の措置で、こうしたフリーターから住民税を課税できるようにするため、全ての企業に事務負担が生ずるとの観点から、トップ記事に取り上げられたのだと思われます。
これは、公平性という観点から至極まともな措置なのですが、しかし「フリーターからお金をとる」ことだけ考えているという点からすれば、極めて「木を見て森を見ず」的な政策だと私は思います。
UFJ総研の作成したフリーターに関するレポートに非常に興味深いものがありますので、以下引用したいと思います。
(引用始)
【平均年収】正社員:387万円、フリーター:106万円
【生涯賃金】正社員:2億1500万円、フリーター:5200万円
【住民税】正社員:64,600円、フリーター:11,800円
【所得税】正社員:134,700円、フリーター:12,400円
【消費税】正社員:135,000円、フリーター:49,000円
【消費額】正社員:282.9万円、フリーター:103.9万円
【年金受取額】正社員:(月額)146,000円、フリーター:(月額)66,000円
【経済的損失】税収:1.2兆円減少、消費額:8.8兆円減少、貯蓄:3.5兆円減少
(引用終)
こうした数字を目の前にして、税の公平性だけを振りかざして、フリーターから税をとりたてることは、果たしていかがなものなのでしょうか?もちろん、フリーターになる動機は様々であるのは事実ですが、人件費抑制を推進する企業の犠牲になっている面も否定できません。フリーターの老後の生活はどうなるのでしょう?こうした面に道筋をつけることが先決なのではないでしょうか?
全てのフリーターに可能な選択肢ではありませんが、彼等にはもともと捨てるものがないわけですから、人生一発逆転を目指して、起業するというのも一つの有効な手段だと思います。ただ、起業のノウハウを当然有しているはずはなく、かといってコンサルタントにフィーを払うほどの蓄えもないでしょうから、政府がフリーターが行う起業に補助金を出してくれると、私のようなコンサルタントにとっても、フリーターにとっても、そして社会全体にとってもハッピーな解になると思うのですが・・・