国内最大規模の年金基金である厚生年金基金連合会が、2003年度(2003年7月から2004年6月)の上場企業の株主総会で会社議案の25%に反対したことが判明したとの報道です。同報道によれば、厚生年金基金連合会は1部上場企業の株を全て保有しているとのことです。「25%」とは全体の数字で、個別の議案別に見ると退職慰労金支給にいたっては、なんと58.2%において、反対票を投じています。どのような議案に反対したのかについては、判断基準が明確に記されており、以下に引用します。
● 長期に渡って業績不振が続いており、経営責任が問われるべきと判断されるにもかかわらず、退職慰労金が支給されている事例
● 高い独立性の確保が求められる社外取締役や社外監査役への退職慰労金が支給されている事例
書店に行けば、あれほどたくさんの「コーポレート・ガバナンス」の書物が並び、経営者へのインタビューでも「コーポレート・ガバナンス」や「株主重視」といった言葉が聞かれるようになったにも関わらず、1部上場企業の社長といえど、先代の社長には頭が上がらない実態が浮かび上がります。
株主重視が実態として軽視されているのは、経営陣の人間関係も勿論要因ですが、やはり株主側も株主総会の議案を吟味して、声を上げていないことが大きな原因でしょう。厚生年金基金連合会の動きが個別の企業年金に伝播し、ひいては個人投資家までもが、こうした視点で株主総会に関わりはじめれば、日本の企業経営は本当に株主重視の方向へシフトし始めるのでしょう。
【参考サイト】厚生年金基金連合会 平成16年6月株主総会 インハウス株主議決権行使結果について
Posted by Ken Kodama at 2004年10月06日 20:33