カルフールが日本事業の売却を検討しているとの報道です。カルフールに関しては、進出以来、突然の日本トップ交代があったり、ポリシーが一貫していなかったり、他にも多々「?」と思わされるところがあり、一抹の不安を感じてはいました。
ただ、一般的にいえば、フランス企業の日本進出はうまくやっている、というのが、私の思うところです。そして、その成功の根源にあるのが、フランス人の日本文化に対する理解であるというのが私の私見です。
私は今までいくつもの外資系企業を渡り歩いてきましたが、その中の一つであるBNPパリバ証券会社は、やはりフランスが本籍の会社です。そこで特徴的だったのは、日本人がマネージャーで、それにフランス人スタッフがレポートする、っといった部門がいくつもあったことです。米系企業の日本法人では、あまり見られない光景です。アメリカ人マネージャーに日本人スタッフがレポートするのが通常で、その逆はほとんど見たことがありません。こうした違いが出てくるのは、「フランス人は日本人を信頼しているが、アメリカ人はそうではない」といったあたりに行き着く気がします。ではなぜフランス人は日本人を信頼できるのかといえば、日本文化に対する深い理解があるからだと私は思っています。例えば、ヨーロッパの人には、「書道○段!」のような、私よりはるか達筆の人がいたり、源氏物語を読破しているような「日本通」が多くいるものですが、アメリカ人にはそれほどいないようですし、いたとしても、そういった人がビジネスの世界に入ってくることはあまりないように見受けます。そうした、日本文化に対する畏敬の念があるか否かが、組織において信頼できるか否かということにつながってきていると思うのです。
日産のゴーンさんもやはり、日本人を信頼した上で改革を行ったために成功したのだと思います。その根拠は、日産にルノーから送り込まれたフランス人役員、マネージャーが比較的少ないという点です。一方で、フォード傘下のマツダには驚くほど数多くのアメリカ人マネージャーが存在しましたが、劇的な復活は日産に奪われてしまいました。
これは、日本企業が海外に進出するときにおいても重要なポイントだと思います。ただ、「人件費が安い」ということのみを追求しようとすると、いつか窮地にたたされることでしょう。海外進出においては、異国の文化を深く理解し畏敬の念を抱くことが重要であると考えます。