リコーと富士通研究所が、パソコンなど事務機器を通じて企業内などの業務内容を自動的に記録・分析する知識管理システムを共同開発したとの報道です。なぜ、リコーが登場するかといえば、コピー機やファックスからの情報までも取り込もうとする構想であるからのようです。「こうした多様な情報から内容の意味を理解し、データベース化する」ことを目的としているようです。
先日お会いしたMRの方から伺った話によれば、MRの方はマーケティング・ツールとして、医学論文をデータベース化したものを活用しているらしいです。薬の名前や病名などのキーワードをデータベース化して、ドクターの関心領域を探り、効果的なセールスを行っているようで、この新聞報道を読んだときに、連想しました。
新聞報道のデータベースの活用目的は、内部の人的資源の効果的な活用にあり、また、そのデータベースを自動的に作成してしまおうという遠大な計画ですが、システム的に2つの課題があると考えられます。
第一は、ナレッジデータベースを自動生成する際に参照されるであろう、キーワードのテーブルのメンテナンスに関わる問題です。経営に関する用語は次々に新しく生まれており、それを財務から生産、研究開発にいたる社内の全分野にわたって、アップデートしていかなければなりません。大方の部分は富士通が作りこんでおくとしても、社内・業界でしか使用されない特殊な用語(ジャーゴン)もあり、そうした用語は社内の人間にしか対応できず、そうなるとこのシステムのメンテナンス要員に、相当な知識を持つ人物を充てなければなりません。
第二は「意味を理解する」ロジックの精度でしょう。翻訳ソフトの精度などから類推しても、「意味を理解する」部分のロジックはいまだ発展途上にあり、だからこそ翻訳家が食べていけるのです。早期からこのシステムを導入しようとする企業は、導入当初の論理バグをある程度覚悟しておく必要があるでしょう。