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2004年12月17日

みずほ、中小金融に新手法

本日の日経1面の「金融重点強化プログラム」の記事とどちらを取り扱うか迷ったのですが、「金融重点強化プログラム」でも中小企業金融について触れられていたため、こちらを扱うことにしました。
みずほ銀行が西日本シティ、大垣共立、スルガ、荘内の4つの地方銀行と共同で、中小企業に無担保で無保証の長期資金を供給する新手法を開発したとの報道です。ここでスキームの概要をNIKKEI NETの記事から引用しておきたいと思います。

(引用始)
『新手法では参加する地銀が窓口になり、無担保無保証での資金調達を希望する企業を募集。応募した企業がみずほ銀行を引受先に一斉に私募債を発行する。みずほ銀行は集まった私募債をみずほ信託銀行を通して証券化し、投資家に社債担保証券(CBO)として販売する。社債担保証券は比較的安全な優先部分と元本割れの可能性が高めの劣後部分に分かれる。優先部分は参加する地方銀行が買い取るが、劣後部分は外部の投資家に引き受けてもらい、リスクをできる限り切り離す。』
(引用終)

ここで、このスキームへの参加者のそれぞれのメリットですが、まず資金調達が可能となる中小企業のメリットですが、これは、いわゆる、少人数私募債を発行したメリットと同じで、少人数私募債の詳細については、私の所属する中小企業診断士城南支会の一部メンバーが作成するサイトに非常に詳しいのでそちらに譲りたいと思います。
この新スキームで最大の恩恵に与るのは窓口となる地銀で、具体的には地銀のB/S上のポートフォリオのリスク分散が図られることとなります。私募債引受の窓口となる地銀は、その見返りとして、みずほから証券化後の優先部分を引き受けることとなり、その優先部分は貸倒リスクが少なく、地域的にも東北から九州までの4地域に分散されているわけですから、おいしいところどりです。資産の地域的な分散が図られていないとどのようなことになるかというと、例えば最近のマツダの火災などが、万一もっと大きな大惨事であったとした場合の、1次2次下請け等に波及する影響を考えていただけると分かりやすいと思います。
このスキームへの私なりの疑問は2つあります。まず、これは、証券化全般にいえることですが、劣後部分は誰が引き受けるのかという点です。ざっと検索した限りでは、劣後部分は売れ残ってしまうことが多いようであるということしかわかりません。クレジット・デリバティブ等を駆使した先進的な買い手がいるのかどうか、私にはよくわからないので、劣後の引き受けてに関してお詳しい方は、是非ご教授いただけると幸いです。
第二の疑問は、今後の地銀の存在意義といったところでしょうか。地元企業との密な関係をもとに深い情報を仕入れ、それをもとにリスクをとって融資を行うのが地銀の本分であるはずなのに、このスキーム上では地銀はリスクテークを放棄している感があります。新聞には「金融庁は地方銀行に対して(中略)地域に偏っているリスクの分散を進めるように求めている(引用終)」とありますが、それが実現できたときには、地銀は「地銀」ではなくなっているのではないかという気がします。

Posted by Ken Kodama at 2004年12月17日 10:51
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