ミサワホームHDのリストラ案の全容が明らかになったとの報道です。リゾート事業の売却・本業への回帰、取引行からの金融支援等の内容が新聞には書かれています。
金融支援の内容としては、債権放棄、デット・エクイティ・スワップの活用等が記述されています。この2つとデット・デット・スワップを合わせた3者が、過剰債務の削減に使用される常套手段ですが、その詳細内容にご興味のある方は、信金中央金庫の総合研究所の下記のレポートが参考になると思われるので、是非ご一読下さい。
デット・エクイティ・スワップとは、言葉どおり、金融機関の持つ債権を株式に交換することです。これにより利払いや元本返済が大幅に軽減され、再建を目指す企業のキャッシュフローは改善します。また、金融機関側も株式を取得するわけですから、再建企業に深く関与することが可能となります。
さて、標題の「いまさら人に聞けないデット・エクイティ・スワップ」ですが、これは金融ネタに極めて漠然とした知識しか持たない方が持つ素朴な疑問であると思うのですが、この「デット・エクイティ・スワップ」なるものは、デリバティブの一種といってよいのか、ということです。というのも、「デリバティブ」をかじったことがある方は、①先物(含む先渡)②オプション③スワップがデリバティブの代表例であると学んだはずですし、昨日私はそのように講義で述べたばかりです。
結論から言うと、デット・エクイティ・スワップはデリバティブではありません。デリバティブの特徴として、①元本の動きを伴わない②原資産に依存して価格が決定される、といったものを挙げることができますが、デット・エクイティ・スワップはどちらの特徴も満たしていません。「交換」という意味で「スワップ」という言葉が使用されただけだと考えるのが自然でしょう。
余談ですが、私が今から約10年前に読んだデリバティブのスワップに関する本では、「通貨スワップ」ですら、厳密な意味ではデリバティブとは言えないとまで言い切っていました。なぜなら、金利スワップでは金利部分のキャッシュフローの動きがあるのみで元本は動かず「想定元本」という概念が使用されますが、「通貨スワップ」においては、契約の始期と終期において、元本部分の通貨の交換が行われるからです。ただ、現在の一般的な定義においては、「通貨スワップ」もやはりデリバティブであると捉えられているようです。