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2005年01月06日

復活!松下銀行

本日はトップのトヨタのロボットの活用とどちらを選ぶか悩みましたが、同様のエントリーをキャノンの生産無人化にて書いているため、松下の純金融資産が1兆円を超えたとの報道を下にしたエントリーを書きたいと思います。
さて、純金融資産の定義ですが、日経新聞の記述を引用すると『現金・預金を中心とした手元資金から有利子負債を引いた額』とあり、借金を今完済したとしても、なお1兆円の現金が松下電産の手元に残るということです。これは、赤字に転落した松下がキャッシュフロー経営を推進してきた努力の成果といえるでしょう。
キャッシュフロー経営の利点を否定するつもりは毛頭ありませんが、逆に、キャッシュフローのみを信奉してきた場合の落とし穴にも触れねばなりません。よく「利益はフィクションであり、キャッシュは客観的な事実」などといわれ、経理部長の手腕で恣意的に動かせる利益は、アナリスト等からは敬遠されがちです。しかし、穿った見方をすれば、キャッシュフロー経営をあまりにも邁進しすぎた場合、数字のお化粧の担い手が、経理部長から事業部長に移っただけ、ともいうことができます。大規模な企業でキャッシュフローを重視する企業は、おそらく営業CFと投資CFを合計したフリーキャッシュフローに(FCF)ついて、事業部長に責任を負わせているはずです。年度末にFCFが目標値に達しないと予想する事業部長が何をするかといえば、在庫を減らすか必要な投資を手控えるかのいずれかでしょう。つまり、将来の成長を犠牲にすれば、いとも容易くFCFの目標はクリアできるわけです。
苦境にある企業がキャッシュフローの改善を第一の目標に掲げるのは至極正しい行動です。しかし、松下の場合、純金融資産が1兆円を突破した今では、新たな経営指標を目標に掲げて経営を行うべきでしょう。現金は最も収益を生まない資産の運用形態といえます。株主を重視するのであれば、そろそろこの現金を使った成長の青写真を出していかねば、株主に対する責任を果たしているとはいえないでしょう。
現金収支が改善し足元が固まった今、松下は企業価値、株主価値の向上を更に邁進すべきで、私であればその管理指標としてEVAの使用を進言いたします。残念ながらEVAについて本日述べる時間的余裕はありませんが、タイミングがあえば、当サイトで取り上げたいと思います。また、私の発行する個人投資家のためのメールマガジンでは、現在、DCF法を中心とした企業価値の評価の説明を行っており、数ヶ月先のことになると思いますが、EVA、MVAの概念等についても段階を追って説明していくつもりですので、ご興味のある方はご購読下さい。

Posted by Ken Kodama at 2005年01月06日 10:36
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