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2005年02月04日

自社株買い VS 配当

上場企業の自社株買いと配当による株主への配分が2004年度に6兆円を超えるとの報道です。どちらも、株主への利益の還元という点では共通していますが、やはり異なる点もあります。以下は、私が自分の頭の中から演繹した自社株買いと配当の違いで、ファイナンスの教科書等で確認していないので、理論的におかしな点があれば、ご指導いただけると幸いです。
①全ての株主 VS 特定の株主
配当は全ての株主に均等額が配分されますが、自社株買いでは、当然のことながら、株を手放した株主にのみ現金がいきわたることとなります。したがって、場合によっては自社株買いにより既存株主が不利益を被る可能性も否定できません。
自社株買いにより、既存株主は株数減少により確実に一株あたり利益上昇の恩恵を受けますが、一株当たり純資産については、それが上昇するか下落するかはPBRの水準に依存します。簡単な数値例については、私のメールマガジン10月号にて展開しましたので、よろしければご覧下さい。

②ただ現金が出ていくだけ VS 自社株が手元に入ってくる
配当では現金の流出があるのみですが、自社株買いでは自社の株とはいえ、株券が手元に入ってきます。そして、この自社株は企業買収時に株式交換として活用することが可能です。
理論的に見れば、現金配当した後に、時価発行増資して、得られたキャッシュで買収することも、自社株買いと株式交換を組み合わせた買収と同じという人もいるかもしれません。しかし、これは行動ファイナンスの領域かもしれませんが、「自社株買いは & 株式交換による買収」というのは良いイメージにくるまれていますが、ひとたび「増資」というと希薄化を懸念する方も多く、それが株価に悪影響を与える可能性も否定できません。

③不可逆的 VS 機動的
「不可逆的」という言葉は、(いつものこととはいえ)言いすぎかもしれませんが、一度増配すると、その後減配するというのは、経営陣にとって中々難しい決断となります。対して、自社株買いは余裕のあるときだけ行って、苦しいときは容易にストップできるため、より機動的に株主還元を行う手段と言えるでしょう。

Posted by Ken Kodama at 2005年02月04日 10:55
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