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2005年03月03日

ダイエーのリバイバルプランを考える

ダイエーの支援先が丸紅グループに決まったとの報道ですが、本日は債権放棄・優先株うんぬんという技術的な問題を離れ、再生プランの中身を考えてみたいと思います。

①食品のSPAを目指す
丸紅グループが支援を引き受ける最大の強みは、同グループの食品分野におけるプレゼンスです。丸紅の食品分野の商社機能に加え、食品卸も系列に抱えており、それに今回、消費者としてのインターフェースであるダイエーが加わるのですから、丸紅グループとして、食品分野のSPAを志向して垂直統合を加速させていくべきでしょう。ここで、重要なのは、グループ全体で最適解を見出そうと一丸となることであり、卸業者が保身に徹したり、ダイエーがデータを出し渋るといったばらばらな行動が出れば、丸紅がリードをとる意味は消滅してしまうことでしょう。

②何が「集客力」となるのかを深く考える
今朝の一面には「ダイエー再建 多難な船出」と題したコラムがあり、その中に以下のような記述がありましたので引用します。

(引用始)
「総合的な品揃えをやめてしまえば、集客力が衰え、強みの食品も売上を維持できなくなるかもしれない。」一部の店長からは再生機構の計画に対し不安の声が寄せられている。
(引用終)

一見、しごく正当な意見ですが、「総合的な品揃え」をすれば集客できるというのは、私に言わせれば妄想にすぎず、その妄想がダイエー、そして総合スーパー全体の地盤沈下を招いているのだと私は考えます。強みである食品分野に、どのような売場を追加していくかは、かなり微細な地域特性を考慮に入れなければなりません。
あくまでも「例えば」ですが、国府津あたりなら、衣料もインテリアも食品に加えれば意味を持つかもしれませんが、中野でダイエーが自前の衣料売場を持つことは、よほどの奇策がない限り、無意味です。
では専門店の誘致となりますが、その場合はレントの交渉が重要で、以下に日経新聞の記述を引用します。

(引用始)
「店内に専門店を誘致しようとしても家賃を確安に設定しなければならず、直営よりも赤字幅が広がる例があるという。」
(引用終)

専門店は自らの集客力に自信があるため、かなり割安なレントを要求してくるのが一般的です。しかし、その割安なレントに見合うだけの集客を食品分野の売上向上につなげるという数値根拠を得ることができない限り、安易な専門店誘致は避けるべきでしょう。なお、アパレルの専門店を総合スーパーが自前で持ってしまおうというのが、ヨーカドーによる藤巻氏の起用の企図するところなのでしょうが、総合スーパーの負うべきリスクとしては大きすぎるような気がしますし、ヨーカドー全店舗で売れる衣料品などというコンセプトは存在しない気もします。お手並み拝見といったところです。
専門店誘致だけが集客策ではなく、例えば最近話題のコミュニティービジネスの考え方やリテールファインナンスの窓口の誘致等、集客策はいくらでもあります。重要なのは、その費用対効果と微細な地域特性にマッチしているか否かというポイントで、売場構成の決定権を各店舗レベルまで落とさねば、深い洞察に基づいた集客は難しいのではないかと思います。

③「食品に特化」という「中の上」のプラン
私が仕事でダイエー再生を引き受けたとしたならば(もちろんありえませんが)、やはり自らの保身のため「食品に特化」という無難なプランを提示していたでしょうが、このプランは、MBA流の「選択と集中」という無難な解という感が否めません。
例えば、ガースナーがIBMという巨象を躍らせてしまった「ソリューション」のような、それくらい斬新なプランでないと、ダイエー、そしてひいては総合スーパー全体の逆転劇はおきないのではないかと私は思います。その際の考えるべきポイントは、私が②で述べた集客力であると思います。BMW出身の女性社長に期待したいところです。

Posted by Ken Kodama at 2005年03月03日 14:47
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