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2005年03月08日

どこに行ったか、ソニーのソフトとハードの融合という夢

ソニーの出井氏が退任し、後任に外国人のCEOが誕生するとの報道です。ソニーほどの規模の企業で、外資が入り込むわけでもなく、外国人のCEOが誕生するのは、ソニーの文化ならではという感じで、外国人のトップが誕生しうる柔軟な土壌を持っている点は高く評価できるといえるでしょう。ただし、今後のソニーの経営を考える上で、いくつかの疑問がないわけではありません。
まず第一に本社機能が日本にありながら、CEOがアメリカに滞在するというポイントです。いくらメールやテレビ電話等のIT技術が発達したとはいえ、このレベルのエグゼクティブはミーティング中心で、時差の問題で、全社的な問題に関わるミーティングの時間が十分とれないであろうとの懸念が生じます。また、日本に住居を移すことなく、アメリカから日本の会社を経営しようなどというのは、ストリンガー氏に「やる気」があるのか、という観点からも疑問です。
第二の問題点はより本質的ですが、「ソフト→ストリンガー、ハード→中鉢」という役割分担ができあがってしまっていることです。本日の日経紙面にはソニーの株価チャートが掲載されていましたが、2000年度に急上昇し、その後急落し、最後には出井氏就任時のときよりも値を下げ、ピーク時の一割近くの株価となってしまっています。もちろん、原因は一つではありませんが、この大きな流れをあえて一言で説明するならば、「ソフトとハードの融合は幻にすぎなかったと市場が気づいた」といったところでしょう。
もちろん、個々の部門、とりわけハードの立て直しに注力することはソニーにとって必要なことですが、ソニーが目指そうとしていたものの原点であるソフトとハードの融合を実現させないことには、失われた企業価値の復活は難しいといわざるを得ません。ソニーの長期的な課題が、「1+1」を3に4に5にしていくプランを練り上げることなのに、それらを統合することに専念するポジションが一見するとないことに、大きな不安を覚えます。
ストリンガー氏は自らの後任であるソフト部門のヘッドを米国で養成し、東京に拠点を移して、真の意味での全社的な融合策、経営資源配分に注力する体制を築き上げることが、ソニーの真の復活の原点となるといえるでしょう。

Posted by Ken Kodama at 2005年03月08日 10:12
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