IBMとGEが「選択と集中」により、最高益を上げたとの報道が、日経新聞の国際面にありました。新聞記事は両社の「株主への手紙」に則した内容となっていますので、当サイトではIBMの「株主への手紙」の内容について触れることと致します。原文は英語ですが、以下のサイトをご参照下さい。
IBM 2004 Annual Report; Chariman's Letter
細かい表現面でも、例えばIBM社を株主への手紙なので「Your Company(あなたの会社)」としていたりする点も面白いですが、この手紙の要旨を日経新聞が簡潔にまとめているので、引用したみたいと思います。
(引用始)
『「IT企業は研究開発重視型と大量生産販売型に二極分化しつつある」としたうえで、「IBMは高い付加価値を生む革新技術にこだわる」と強調。コモディティ(日用品)化した事業の縮小・撤退を続けてきたと説明した。』
『事業領域の面では「消費者向けでは強さを発揮できず、企業向けに特化する」と指摘。』
(引用終)
では、同記事の言うところの「高い付加価値」は何なのかといえば、「株主への手紙」の中では、「On Demand(オン・デマンド)」というキーワードが何度も登場します。つまり、顧客企業が要求する新しいビジネスモデルの構築を、新しいテクノロジーのインフラを使って構築していくことが、IBMの向かう方向性であるといえます。これは、私の古巣のアンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)の事業領域とかなりかぶるもので、違いはテクノロジーのハードに関わる部分を製造しているか否かといった点くらいでしょう。こういう方向にシフトしていくということは、2002年のPWCコンサルティングの買収から見られるように、目新しいことではないのですが、この方向性での実行(Execution)を迷うことなく推し進めていくというのが、2005年のIBMの方向性であるといってよいでしょう。
実際にこうした方向性が吉と出るか否かは数年経過してみないと明らかになりませんが、少なくとも言えるのは、IBMは過去の著しい業績低迷を深刻に受け止め、4~5年周期で、自社のビジネスの根源を問い直す体質が身についたということです。環境変化の激しいITビジネスにおいては不可欠な姿勢で、そうした問い直しを行うことができるようになったこと自体が、既にIBMの強みであるといっても過言ではないでしょう。