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2005年03月24日

地価が底を打てば、「持たざる経営」の転機とすべきなのか

ライブドアネタはもうお腹いっぱい、という方のために、土地の話題です。公示地価が底打ちらしいとの報道が今朝の日経一面にありましたが、それを受けて5ページの『底入れ感広がる地価』というコラムでは、『「持たざる経営」転機に』とサブタイトルをうっています。一部同記事を引用したいと思います。

(引用始)
『婦人下着大手のトリンプ・インターナショナル・ジャパンは昨年末、静岡県大東町に二万七千平方㍍の物流センター用地を購入した。自前の物流用地購入は実に十一年ぶり。吉越浩一郎社長は、「地価は底値に達したと判断した」と話す。
不動産証券化協会が昨年末に実施した調査では、上場企業の三割が「不動産を積極的に取得する」と答えた。地価が右肩下がりで下落する過程で主流となった「持たざる経営」は転機を迎えている。』
(引用終)

企業が「持たざる経営」に移行したのは、地価下落だけのためであったのでしょうか?トリンプ社の決定をマネジメント的にどう評価すればよいのでしょうか?トリンプ社の内情は全く知りませんが、結論から言えば、私は正しい判断だと思います。
土地を買うことは、もちろん投資の一つなのですから、その投資が正のNPVを生み出すのであれば、投資は実行する価値があります。この場合、土地を購入することにより支払わなくてすむようになる地代、土地を購入することによる新たな出費(固定資産税等)を見積もり、その永続価値を求め、投資額を差し引いた値が正であれば、土地は買うべきでしょう。
上記はあくまでも投資の一般論ですが、企業が土地を購入する、という場合は、その用途が重要な判断材料となるはずです。小売業の店舗用の用地であれば、将来の来店者数の推移が不透明なため、いくら地価が底を打ったとしても、購入すべきではありません。
トリンプ社はネット販売が主体のようですので、物流はトリンプ社の要となる機能です。物流という機能自体を自前で持つか否かという議論はすべきですが、ひとたび物流を自前で持つと決めたならば、物流機能でコストメリットを得るための積極投資は大いに評価されるて当然です。土地を自社で保有することにより、土地の貸主に流出していたマージンが自社内に蓄えられますし、将来の地価上昇による地代上昇の心配もなくなります。
地価が下がったからといって、一番やってはいけないことは、本業に全く関連のない、「非事業用資産」として土地を購入することです。土地開発のプロでない企業が土地を保有しても有効に活用できず、ROAを押し下げる厄介者となることは目に見えています。また、この土地の含み益を活用しようと経営陣が目論んでいたとするならば、それこそバブル時代の放漫経営が再現したしまうだけです。

Posted by Ken Kodama at 2005年03月24日 21:00
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