ダイエーの再生プランの一つとして、食品スーパーの「ミニ店舗」なる概念が登場しました。以下、本日のNIKKEI NETより一部引用したいと思います。
(引用始)
『柱となる食品スーパーは、コンビニエンスストア3店舗分の広さに相当する売り場面積で400平方メートル弱のミニ店舗を導入する。既存店の活性化へ、2007年2月期までに全体の売り場面積の約1割に当たる16万平方メートルに外部の専門店を誘致する。これらにより営業損益を年間100億円以上改善する考え。』
(引用終)
さて、「食品」の「ミニ店舗」といえば、恐らく多くの方がショップ99を連想されたのではないでしょうか?「なぜコンビニでは生鮮食料品を買えないの?」というニーズを汲み取り、『新鮮食生活が99円のワンストップコンビニ!(同社HPより引用)』というコンセプトで成功を収めている企業です。
ショップ99は、まさしく小売の新業態といえますが、その小売の新業態の生々流転を説明する理論として、「小売の輪の理論」なるものがあります。簡単にご紹介しておきましょう。
まず、小売の新業態が登場するときは、大抵、低価格を武器に参入してくるものです。そうでもしないと、既存の業態から顧客を奪ってこれないからです。ショップ99も、まさしくこの原則にのっとり、低価格で生鮮食料品を扱うコンビニとして登場してきています。しかし、他人の成功は大抵真似されるもので、やがては模倣者が現れます。しかし、模倣者が成功を収めるには、「安い」だけでは勝負にならないため、品揃えの拡大や高級化といった非価格競争に向かうこととなります。この段階で、競争の主軸は「低価格→高サービス」に移行するわけですが、その結果価格も「高価格」に移行すると、新たに「低価格」での新業態の参入の可能性を招くわけです。このように「低価格での新業態参入→高サービス高価格化→低価格での新業態参入・・・」を延々と繰り返して、小売業態が発達していく、と説明するのが「小売の輪の理論」なのです。
昨今のダイエー関連報道からすれば、低価格路線を修正する方向性は明確ですから、ダイエーはショップ99が成功を収めている領域に非価格競争を持ちかけてくることは明白であるといってよいでしょう。これだけ国費を投入して債務免除してもらった企業が、成功企業の模倣者として競争を仕掛けてよいものなのか、という議論は当然あるのでしょうが、本日はこの単純な「小売の輪の理論」でかなり多くの小売の新業態の栄枯盛衰が説明できるということを実感いただければ、本日のエントリーの目的は達成されたことになります。