中国の問題一色の感じの本日の日経新聞ですが、あまりにもコントロバーシャルなトピックのため、本日は11ページの『斑尾高原農場』の記事に注目してみたいと思います。
先日、『ダイエーのリバイバルプランを考える』というエントリーにて、「ダイエーは食のSPAを志向すべき」という趣旨の意見を書かせていただきましたが、本日の日経新聞の斑尾高原農場なる会社は、「お手本はファッション・ブランドの戦略(引用)」というだけあって、これぞまさしく、食のSPAと呼ぶのに相応しい企業といえます。SPAの厳密な定義はこちらのサイトを参照していただくとしても、そもそもSPAの「A」はアパレルの「A」で、食のSPAという言い方自体には矛盾がありますが、それでもそう呼ばざるを得ない相似点を列挙しておきましょう。
● 直営店での販売が主体であり、「製販」が一体で行われている。
● 顧客の声をメールで共有し商品開発に活用している。
● ブランドイメージを重視し、価格帯は高め。
● 陳列にビジュアル・マーチャンダイジングの手法を取り入れている。(商品棚に整然と並べるのでなく、欧州の市場のような雰囲気を演出する。(引用))
売られているものが「食」である点を除けば、これは完全にギャップやファーストリテイリング(もちろん元祖はギャップですが)の模倣ですが、「洋服」ではなく「食」にSPAというビジネスモデルを導入することにより、全く新しいタイプのビジネスが生まれるのだ、ということは起業を志す方に是非知っておいていただきたい事実です。
最近、ドリームゲートの登録アドバイザーとして、起業を志す方のビジネスプランを拝見する機会が増えましたが、ビジネスに関わるアイデアで、頭にひらめく類のものは、大体既にどこかでビジネスとして成立していると考えておいた方がよいでしょう。既に、どこかの他の企業が成功を収めている領域において、新規参入者として顧客を奪うには、よほどのこと(商品の品質が格段にいい等)がないと難しく、したがって、ひらめいたアイデアに更に、独自性をつけるべくプランを煮詰めていくべきです。
その際の思考プロセスとして、「無から有」を作り出そうとするのは、かなり至難の業といえ、なかなかアイデアも浮かばないものです。しかし、「新たな組み合わせ」によって、新しいビジネスアイデアをひねり出すことはそれほど難しいことではありません。
SPA形態のアパレル業者は、現在無数に存在し、また一方で、「ジャム、ドレッシング、ソース、ワイン」などの食材を製造、あるいは販売する企業も無数に存在します。しかし、両者を合わせて『「ジャム、ドレッシング、ソース、ワイン」などの食材をSPAというビジネスモデルの下で製造販売する』となると、ぐっと競合者は減り、そして、このように日経新聞で紹介され、ひいては、私のようなものがブログに取り上げる、などということがおきるのです。
起業しようとする業界のみならず、ビジネス全般にアンテナを張り巡らすことにより、こうした「組み合わせの思考」は幅を持ち始めます。アイデアで勝負しようという方は、是非、幅広い領域からの情報収集に努めることをお勧め致します。
未来経済研究室のケーススタディも、ご参照してみて下さい。