ドコモが三井住友カード及びJCBに出資し、資本・業務提携をテコに、クレジット事業に参入するとの報道が、本日の日経新聞一面でなされ、NIKKEI NETによればこれは「検討段階」とのことです。さて、ドコモほどの資金力のある企業であれば、資本提携よりさらに踏み込み、どこかのカード会社を買収してしまうという選択肢も、あり得たはずです。ホリエモン騒動も、最初は買収を目指していましたが、提携という形に落ち着きました。なんとなく、買収の方がおいしいところを、余すところなく食べつくせるような感じで、提携というのは次善の策というのが、一般的な方の持つ、両者の差異ではないでしょうか。
バーニーという戦略論の第一人者が書いた『企業戦略論』という著書によれば、戦略的な提携の方が買収よりも魅力的となり得る理由を、4つ列挙しています。両者を比較検討する上で有意義であると思われるため、本日はその4つを当サイトにて引用しておこうと思います。
①買収に対する法的な制約
買収によって多角化を行おうとする場合、独占禁止法が足かせになってしまう場面が想定されますが、提携においてはそうした法律の制約を受ける可能性が少ないです。
②高い不確実性の下では、買収により戦略的な柔軟性が制限される
買収するとなると、被買収企業の経営にかなりコミットすることが要求されますが、提携という形であれば、新事業に参入するか否かの柔軟性を確保することが可能です。
③買収対象企業に望んでいない「お荷物」組織までもがくっついてくる
提携であれば、関連する部分のみの統合を考えればよいですが、買収の場合は経済的な価値の向上を生み出さない部分であっても統合のためにエネルギーを割かねばなりません。日本のカード各社くらいの規模であれば、全く収益に貢献していない子会社を何社か保有している可能性もあり、提携であれば、そうした「お荷物」の整理に腐心する必要はありません。
④買収対象企業の経営資源やケイパビリティの価値が、その企業の独立性に依存してくる
お互いの企業が一つにならず、独立しているからこそ温存できるメリットというのが存在します。ホリエモンがニッポン放送を手中に入れたならば、みゆき様はラジオ番組を降板なさったかもしれませんが、提携という形にとどまったため、江本は野球解説を続け、「笑っていいとも」もタモリが死ぬまでタモリの司会で続くことでしょう。