タワー投資顧問の清原達郎運用部長(46)が納税番付で、サラリーマンとして初のトップになったとの報道です。この方は昨年も8位でしたので、そのとき知人にタワー投資顧問について聞いたところ、「なんか怪しいとこらしい」といった趣旨の情報を得て、それっきり私はタワー投資顧問について関心を持つことがなかったのですが、やはり納税番付が1位ともなると、話は変わってきます。
ネット検索でネタを仕入れて書こうとしたところ、まず驚かされるのは、その情報量の少なさです。ヤフー検索のページ一致数は、わずか231件にすぎません。また、同社のサイトに行ってみても、一時的なものなのかどうかは分かりませんが、真っ白で何もでてきません。唯一、タワー投資顧問の概要がおぼろげに見える記述のあるサイトを見つけましたので、こちらの情報を元にタワー投資顧問について考えてみたいと思います。
サラリーマンでありながら納税番付で1位になるほど稼げるというのは、運用実績がさらに巨額であるからに他なりません。では、清原達郎運用部長の投資スタイルとは、どういったものなのでしょうか?上記サイトから浮かび上がるキーワードは、「中小型株を対象にしたバリュー投資」というものです。「バリュー投資」自体については、当ブログで何度も考えてきました。その第一人者はアメリカの富豪ウォーレン・バフェット氏であり、日本でその投資手法を推進したのが村上ファンドの村上氏であり、一言でいえば「理論値より安く推移している株式を買って長期間保有し、高くなったら売り抜ける」というのがバリュー投資家のスタイルです。
ここで、タワー投資顧問の独自性は、その対象を時価総額の小さい「中小型株」に絞っているという点がポイントです。この中小型株の投資家として、いわゆる「機関投資家」は参加してきません。なぜかといえば、きれいにいえば、このマーケットは機関投資家にとってリスクが高すぎるからです。ぶっちゃけていえば、百分割で故意に株価を乱高下させたり、突如MSCBの発行を決めて既存株主価値を崩壊させるような、「トンデモ経営者」がうじゃうじゃしていて、おっかなくて踏み込めないわけです。ですから、このマーケットのプレイヤーのほとんどが個人投資家であり、そしてその個人投資家の多くは、哀しいほど投資の基礎知識がないというのが実情です。
訳の分からない人たちが集まって株の売買を行っていれば、正しい水準に株価が落ち着くことはまれで、したがって、市場は効率的ではないということができます。効率的な市場では、みな合理的に行動し、情報量も豊富なため、他人を出し抜いて儲けを得ることはほとんど不可能ですが、非効率な市場では、大もうけをするチャンスがあります。つまり、タワー投資顧問は、子供の中に一人大人が混じって、巨額の冨を手にしているような状況なのです。しかし、易々と利益を手に入れられるわけではないはずです。なぜなら、そもそも合理性を持ち合わせていない投資家が多いマーケットなのですから、理論値より割安な株価が理論値によせていく可能性は、大型株に比べて少ないのではないかと、私は思います。①リスクに果敢に挑んだこと、そして、②このマーケットに理論武装して望む競争者が存在しなかったことが、清原達郎運用部長を納税番付の1位に押しあげた原因と見てよいでしょう。
ただし、なにぶんタワー投資顧問に関する情報量が不足しているため、その他の反証の情報があれば、私の推論は音を立てて崩れる可能性があることをご了承下さい。
vox mundi様
情報提供、誠にありがとうございます。
なるほど、こういうストラテジーであれば、市場全体の動きにあまり左右されず、超過リターン分のみを追求できるわけですから(ただし、上手くいけば)、2年連続で高額納税者になるのも、うなづけますね。
今後もご指摘等ありましたら、ご教授いただければと思います。
タワー投資顧問のファンドはロング・ショート型です。ロング・ポジションは「中小型株を対象にしたバリュー投資」ですが、同時に割高な銘柄をショートしているはずです。
Posted by: vox mundi at 2005年05月18日 11:58