本日の日経新聞の『資産運用』のコーナーは、外為証拠金取引がテーマでした。まず、この資産運用のコーナーですが、編集・企画において新しい情報の目を配って、有益な情報を提供しており、日曜日の昼下がりに目を通されることをおすすめいたします。ただ、難点は、いわゆるデイトレーダー向けの情報と、長期投資家向けの情報、いいかえれば「投機」のための情報と「投資」のための情報が混在している点で、読者の皆さんが、自らの立場に応じて、情報の取捨選択を行わねばならないという点には注意して下さい。
【外貨預金の代替としての外為証拠金取引】
さて、私のスタンスは他のお仕事を持った人は、投機に手を染めるべきではないとの長期投資家よりのものですから、細かい外為証拠金取引の概要については、本日の日経新聞を一読いただければと思います。
一つ、長期投資家にとって、有益になるかもしれない考え方をご紹介しておくと、外為証拠金取引は外貨預金の代わりに使うことができるというものです。私は、このアイデアを『内藤忍の資産設計塾』と『金融広告を読め(吉本佳生著)』等のユニークな本で目にしました。
まず、外貨預金の手数料が法外に高いことは、一年前当ブログのエントリーでご紹介したので、ご参照下さい。
なぜ、外貨預金のコストが高いのかといえば、外貨預金の場合、為替手数料が発生するのは入金時、満期時、利払時と少ないからです。その少ない回数で銀行にとって十分な手数料収入を得ようとするため、かなり割高な手数料負担を強いられるわけです。
対して、外為証拠金取引は本来的にはデイトレーダー向けの取引であるため、業者はデイトレーダーにたくさん売買を行ってもらって手数料収入を得ようとしますから、一回の売買あたりのコストは外貨預金に比べてかなり割安となっています。ですから、割安な外為証拠金取引で、外貨の売買を少なくすれば、オイシイところどりができるというのが、この考え方の背景にあるものです。
外貨預金の購入を検討されている方にとっては、このアイデアが参考になることは否定しないので、是非、外為証拠金取引との比較検討をしてみて下さい。
【個人投資家は外貨預金を行うべきなのか】
問題なのは、そのさらに背後の部分です。すなわち、「そもそも個人投資家は外貨預金を行うべきなのか否か」という点です。この点に関しては、前掲の著書の著作者の意見は分かれているようです。
まず、内藤氏は「輸入インフレから資産を守る唯一の方法」が外貨建ての資産を保有することである、と述べています。対して、吉本氏は過去のデータを調べた上で、外貨建ての資産を保有しても、輸入インフレからは身を守ることはできないと述べています。(本日、吉本氏の著作が手元にないため、うろ覚えです。後日、訂正するかもしれませんので、あらかじめご了承を。)
私の考え方は、「分散投資という観点から外貨建ての株式や債券を保有すべき」というものです。まずマクロ環境を概観すると、公的年金は少子高齢化の影響で将来の給付削減から逃れることができません。また、企業年金も確定拠出年金等の導入で、運用を従業員一人一人の自己責任に委ねてしまっています。つまり、物質的に豊かな老後が送れるか否かは、我々一人一人の資産運用にかかっているわけです。したがって、老後生活資金を増やすには、株式等のリスク資産への投資が不可欠ですが、その一方で分散投資によりリスクの軽減をはかることも忘れてはなりません。「分散投資のツボ」は、お互いの値動きが無関連な資産を保有することです。したがって、日本の株式・債券のみならず、外国の株式・債券も保有することが重要で、そのような「リスクの分散」の観点から外貨建て資産を保有することが重要である、というのが私の考えです。
ここで、また一つ問題が生じます。というのは、そのような外国の株式・債券に為替ヘッジをすべきか否かというポイントです。実際に、投資対象が外国の株式でありながら為替ヘッジを行うファンドも存在します。本日のエントリーは長くなってきたため、この点についての私の考えは、また別の機会があれば、当ブログでご紹介したいと思います。