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2005年06月10日

ノンリコ・アパートローン

本日の日経新聞7ページには「返済原資限定」タイプの個人向けアパートローンのコラム記事が掲載されていました。「返済原資限定」とはどういうことかといえば、このアパートローンの場合、返済原資をアパートから得られる賃料に限定するということです。ですから、このローンが変動金利であったとすれば、この先金利が上昇して、毎月の返済額(支出)が賃料(収入)を上回ってしまうような事態になったとしても、奥さんのパート代からやりくりしたり、目玉を売ったりして金策する必要はないということです。
これはアパート投資を考えている人にとっては、大きなメリットです。しかし、メリットがあればかならず代償があるのが金融の世界です。こうしたタイプのローンは「ノン・リコースタイプ」のローンと呼ばれますが、一般的には、ノン・リコースタイプのローンは、その他のいわゆる普通のローン(リコースタイプ)に比べて金利が高めに設定されていることが通常です。
ローンを借りる側は、リスクを軽減されるメリットを享受できるために高めの金利を支払うこととなりますが、銀行側から考えれば「高めの金利を受け取ってリスクを引き受けている」ことになります。では、銀行側が引き受けているリスクはなにかといえば、端的に指摘している一文を引用すると、「住宅販売会社の経営悪化によるリスクを抱え込むのと同じ(本日の日経新聞より引用)」ということになります。
つまり、不動産市況が悪化して賃料の水準が引き下がれば、このローンで融資している銀行は大きな損失を被るわけですから、こうしたタイプの融資を行う銀行は不動産マーケットのリスクを抱え込んでいることになるのです。リスクを積極的に引き受けるには、そのリスクについての専門的な知識が必須で、そうした事情からこうしたタイプの融資を行っている金融機関は不動産関連業者とタイアップしているのです。
東京スター銀行のサイトを見ると不動産投資ローンを紹介するページがありますが、気をつけねばならないのは、ここで紹介されている不動産投資ローンはノン・リコースタイプではない、ということです。では、本日の記事のノンリコタイプのローンはどこで紹介されているかといえば、こちらのサイトで、失礼ではありますがサイトの見た目もあまりきれいではなく、東京スター銀行のサイト内で扱っていないところを見ると、不動産マーケットのリスクを抱えることに躊躇しているのかな、という気が致します。
個々のケースを細かく見ないと断定的なことはいえませんが、一般的に、私は変動金利型のリコースタイプの不動産投資ローンはお勧めしません。金利が低い現時点で見ると利回りはものすごく高くなるかもしれませんが、10年後の金利について、誰が確定的なことがいえるのでしょうか?15年くらい前にタイプトリップしていただいて、その頃のあなたは、そして専門家のエコノミスト達も含めて、誰が現在のゼロ金利を予測しえたでしょうか?変動金利型のリコースタイプの不動産投資ローンでマンション投資を行うというのは、まあ、投資というよりばくちに近いと考えた方がいいでしょう。自分が抱えるリスク要因が理解できないのであれば、手を出さぬが賢明です。

Posted by Ken Kodama at 2005年06月10日 10:38
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