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2005年06月23日

オルタナティブ投資とは???

三菱信託から個人向けのオルタナティブ投資投信が発売されるとの報道です。「オルタナティブ投資」ってあまりぴんとこない方が多いと思うのですが、一体なんなのでしょう?
Alternativeを辞書でひくと「代替的な」とか「二者択一」とかでてきて、ますます訳が分からなくなります。実は、このオルタナティブという言葉は、私が知る限りでは、音楽の世界で早くから使われていました。Alternative Musicといえば例えばYanni(アメリカ版喜多朗みたいなシンセサイザー奏者)とかJean-Luc Ponti(ジャズ・バイオリニスト)といった、別の言葉で表現すれば「ニュー・エイジ」と評される人が多いようです。また、ロックだけに限定すれば、Talking HeadsR.E.M.といったあたりをひとくくりにしてAlternative Rockと呼ぶこともあるようです。では「オルタナティブ」ではないロックとはどういうのかといえば、例えばボン・ジョビとかジャーニーとかのコテコテの分かりやすいストレートなロックのことで、トーキング・ヘッズやR.E.M.は一癖ある、伝統的なロックとは一線を画したロックといえ、「オルタナティブ」という言葉は「伝統的ではなく新しい」といった具合に捕らえておけば、間違いないと思います。(音楽に興味のない人には蛇足でした。失礼しました。)
では本日紹介されている投信商品はなぜ「オルタナティブ」なのでしょう?「オルタナティブ」ではない伝統的な投資とは、株や債券を主体とした「パッシブ運用」又は「アクティブ運用」であるとされています。日本株のパッシブ運用であれば、日経平均225の銘柄全部を均等に買うのがパッシブ運用のイメージです。対して、日本株のアクティブ運用であれば、ファンドマネージャーが将来値上がりしそうだと目論んだ株だけピックアップして買うのがアクティブ運用のイメージです。両者共に、株式市場全体が上昇すればその恩恵に与り、株式市場全体が下落すれば、損失を被ります。
本日紹介されている商品は割安株を買うという点ではアクティブ運用であり伝統的な投資信託商品ですが、そこに先物の売りを組み合わせているという点が伝統的ではなく「オルタナティブ」なのです。ですから、上手くいけば、たとえ株式市場全体が下落していたとしても、値上がり益を得ることができるわけなのです。
さて、本日の新聞報道から私が「甘く危険な香り(by山下達郎)」を嗅ぎ取ったのは以下の一説で、引用いたします。

(引用始)
『株式市場全体の方向が見通しにくいなかで、三菱信託は市場の変動に左右されない確実な運用成果を求めるニーズが個人投資家にも広がっていると判断した。』
(引用終、強調は私による)

先物の売りをコンビネーションしているとはいえ、このファンドの基本はバリュー株投資です。バリュー株投資の成功者であるバフェットと村上ファンドはどのようにして成功したのでしょうか?
バフェットのスタイルは以下のとおりです。

上がらぬなら上がるまで待とうバリュー株(家康型)

企業経営にはあまり口出しせず経営陣を信頼して、10年単位の長期間で保有することにより利益を得てきたのがバフェットスタイルです。対して村上ファンドは、こんなところでしょうか?

上がらぬなら上げて見せようバリュー株(秀吉型)

日経新聞に嫌味を書かれながらも、株主総会に出席して経営陣を痛めつけ、モノいう株主として経営方針を影響を与え、株式の価値の顕在化に務めてきたのが村上ファンドスタイルです。
「三菱」信託がまさか秀吉型や信長型(???)をとることは考えにくいので、当然家康型でしょうが、バリュー株の価値が顕在するまでには長い時間を要することを投資家は覚悟すべきです。場合によっては、市場全体が上がって先物に損がでているにも係わらず、投資対象のバリュー株は値下がりし、現物先物のダブルパンチの損失を食らう可能性すらあります。本日の新聞の記述からはそうしたリスクが全く読めず、「オルタナティブってのは確実に儲かるらしい」というDQN(はしたない言葉で失礼!)投資家が泣きを見るのではというのが、私の心配です。


Posted by Ken Kodama at 2005年06月23日 13:09
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