パトナム・インカムオープンというファンドの純資産高が1兆円台にのせたとの報道です。
(引用始)
ニッセイアセットマネジメントは5日、同社の主力投資信託である「ニッセイ/パトナム・インカムオープン」の純資産残高が4日現在で1兆円台に乗せたと発表した。国内株式投信(上場投信除く)で1兆円ファンドが誕生するのは2002年10月以来、2年9カ月ぶり。
(引用終)
このブログも最近、コンスタントに集客をし始めたため、あまり敵をつくるような個別商品に対する批判的な発言はしたくないのですが、この熱狂ぶりにはファイナンシャル・プランナーとして警鐘をならさねばと思い、少し勇気を出して執筆することに致しました。ま、人気絶頂なんですから、一人くらい文句つけたところで、痛くも痒くもないことでしょう。
まず、この商品の概要を簡単に説明しておきましょう。このファンドより更に残高の多い、グロソブと比較してみると分かりやすいと思います。パトナムの投資対象はアメリカの債券のみですが、グロソブはアメリカに限らず世界各国の債券を組み入れています。そして、パトナムは、比率は少ないもののリスクの高い高利回り債も組み入れていますが、グロソブは高格付けのものだけです。両者ともに為替ヘッジを行っていませんから、為替の変動によるリスクを被ります。この時点で既にリスクという観点からは、グロソブに軍配が上がることに気づいていただけると思います。なぜなら、グロソブは世界各国の債券に投資しますから、為替リスクが分散投資により小さくなります。また、信用リスクという観点からも、グロソブは高格付け債券に限定していますから、やはり小さいのです。
グロソブと同じ点は、定期的に分配金をもらうことができるという点です。グロソブは毎月分配型が人気ですが、パトナムは3ヶ月分配型です。そして、両者に共通している点は儲かっていても儲かっていなくても、定額に近い分配金を出すという点です。
さて、ではパトナム・インカムオープンの運用実績をモーニングスターのサイトで見てみましょう。下の方にある『トータルリターン四半期履歴』というところを見ていただければ一目瞭然ですが、上がったり下がったりでリターンは大幅にぶれ続け、まさしく「リスクが高い」ということをそのまま物語っています。そしてニッセイアセットマネジメントの月次のレポートでは足を引っ張っているのは為替レートのせいでドルベースではパフォーマンスがいいんですよ、と右上の方に細かい字で言い訳しています。
注目していただきたいのは、その下にある分配実績です。先ほどモーニングスターのレポートで、このファンドの儲けは安定していないことを確認しましたが、分配実績は一貫して100円前後と安定していることがお分かりいただけると思います。タイトルには「全く理解でいない」と書きましたが、実はここが人気の秘密なのです。特に日本人は、定期的におこづかいをくれるような金融商品が大好きなのです。これほどリターンが安定しない商品がこれほどの人気を得る理由は、ここにしか見出せません。しかし、私が若干危惧するのは、儲けが出ていない場合でも分配金を出すという仕組みを理解していない人がいるかもしれないという点です。つまり「分配金が安定している」というのを「リターンが安定している」ということと勘違いしていないか、ということです。
私は、個人投資家をバカにしすぎているでしょうか?では、パトナム・インカムオープンを購入した人は、皆そこそこに賢く、そんな仕組みは百も承知だとしましょう。その場合、この商品のリターンを動かす最大の要因は為替レートの変動なのですから、この商品を購入する人々は将来的にドル高を予想している、ということになるでしょう。確かに、昨日の日経新聞では右肩上がりのグラフとともに「ドル独歩高 鮮明に」の見出しが躍りましたが、このドル高傾向が続くことに賭けるというのも中々の度胸がないとできないことです。先が読めないのが為替相場なのですから。
このファンドの購入者は表面的な分配金の安定に幻惑されている人なのか、あるいは為替リスクの変動に賭ける博打好きかなのかといえば、やはり前者でしょう。ちゃりんちゃりんと入ってくるお小遣いに魅力を感じるような人は、為替リスクでぎったんばっこんする状態に耐えられないはずで、この商品に対する理解が不足しているとしか、私には考えられません。販売先には銀行と証券会社がずらりとならんでいますが、どういう売り方をしたのか気がかりです。
山下様
ご指摘をいただき誠にありがとうございます。当ブログは私一人で運営しているものであり、(1)私の時間の制約及び(2)私の主観的な情報の取捨選択により、あらゆる角度からものごとを検証した上でエントリーをアップすることがかないません。山下様のように当サイトをご覧いただいた方からのご指摘で、より広い視野からの検討が可能となりますので、今後もお時間のありますときにご教授いただければ幸いです。私が触れていないとご指摘いただいた2つの要素に関しましては、私から反論すべきことはございません。
当エントリーを書いた趣旨は、世間一般の毎月分配型投資信託に対する無理解に警鐘をならしたかったがためで、とりあげた2つのファンドは純資産残高の大きさから知名度が高く、馴染みがあるのではとの思いから比較してみた次第です。
万一当エントリーの記述が原因で、なんらかのご迷惑をかける事態が発生しているのであれば、削除・修正等の対応を致しますので、下記までメールをいただければ幸いです。
info@aimhighconsulting.com
今後ともご指導のほどよろしくお願い致します。
ナンセンスな指摘が目立ちます。もっと勉強してから書いていただきたいものです。特に以下の2つの点がおかしいです。
1.格付
グロソブは国債=高格付 ニッセイは低い格付も入っているだからグロソブがいいと言うのはナンセンスです。グロソブに入っている国債でも比較的低いものもあり、ファンド平均では、AAと、ニッセイとほぼ変わりません。通常運用は複数債券を組み合わせて行いますので、リスクの計測はポート全体で行う必要があります。
グロソブは国債という1種類の債券しか投資をしませんので、多種多様な債券を組み合わせて運用しているニッセイよりも価格の変動に弱くなる点の記述がないのはおかしいです。(景気好況時には国債が売られ、信用リスクの高い債券に資金が流れるため)。マルチセクター型の運用のよさも読者に伝えるべきではないでしょうか
2.分配金の記述もおかしい。
グロソブは、組入れ債券以外の部分からも分配金を出しているが、ニッセイは組入れている債券から分配金を出している。其の点が触れられていない。ファンドによって分配方針は違います