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2005年07月08日

有事で身にしみる分散投資の必要性

ロンドンのテロですが、ロンドンは亡父の仕事の関係で、私が3歳から5歳までの2年半を過ごした思い出深い都市でもあります。当時、私は一種の「鉄道マニア」であったため、ロンドンの地下鉄路線図はほぼ全て頭の中に入っており、ロンドンに滞在されていた日本人に大いに重宝されていました。そんなわけで、今回爆発が起きた地下鉄の駅名も、記憶に残っているものが多いです。当時の幼稚園や小学校時代の友人が事件で被害にあっていないことをひたすら祈るばかりです。
さて、今回のテロが金融市場に与えたインパクトですが、全般的には株式が下げ(ユーロファースト300が2%を超える下落等)、債券が上昇した(欧州の金利が低下)模様です。また為替ではポンドとドルが売られ、その裏返しとして円が上昇しました。
私は、ファイナンシャル・プランナーとしては、株式のインデックス運用を主体とした長期的な運用を支持する立場です。このような有事があっても20年30年といった長期的な視野にたって見た場合には、やはり最も高いリターンを生み出すのは株式なのです。とはいえ、短期的には株式を主体としたポートフォリオを持っている場合、このような有事で自らのポートフォリオがじりじりと下がっていくのを見ているのは、あまりいい気持ちがしません。しかし、確実にひとついえることは、長期的なスタンスでのぞむ個人投資家がこのような有事で慌てて株を売って債券に乗り換えるのは、多くの場合愚かな行為であるという点です。たった今マーケットを概観したように、債券は上昇し株価は下落しているわけですから、その流れと同じ方向で売買をすれば、安い値段で株を売り、高い値段で債券を買う羽目になってしまうからです。
こうした愚かな売買を行わなくともすむようにしておくためには、あらかじめ様々な資産に分散投資を行う、すなわちアセットアロケーションを行うことが最も有用です。単純に株を50%、債券を50%でポートフォリオを組んでいた場合、株の下落と債券の下落が相殺しあって、損失は少ない額に限定されます。
また、アセット・アロケーションを実践している人にとっては、このような有事は株の買い時となります。当初株50%、債券50%のポートフォリオが、株価の下落により株40%、債券60%となったとします。こうした場合、当初の50・50の比率に戻すため、株を買い増し、債券を売るという売買を行うこととなり、これをリバランスと呼びます。リバランスにより、自動的に、株式を安く買いつけ、債券を高く売り抜けていることがお分かりいただけると思います。
次は日本がテロの標的になるかもしれませんし、それ以上に怖いのは地震で、そのような事態から資産を守るのは国際分散投資をおいて他にありません。好むと好まざるとに関わらず、我々が自己責任で資産運用を行わねばならない時代になった以上、我々自身が機関投資家の分散投資の手法を身につけなければならないのです。そして、それをお手伝いするのが、ファイナンシャル・プランナーという人々であることをお忘れにならないで下さい。

Posted by Ken Kodama at 2005年07月08日 17:23
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