本日は久々に「理論株価」とかお堅いことを抜きにした、とっつきやすい話題で。執筆にあまり時間をかけていないため、つっこめる余地が十分あると思うので(汗)、つっこみたい方は是非、コメント欄に足跡を残していただきたい。
本日の日経新聞の「きょうの紙面」に『「オトコの消費」連載開始』とある。しかも、掲載されるのは経済・金融面。いつもの日経とは違うニオイを感じ、期待を膨らませて記事を読んだが、そこにあったのは大きな失望であった。
しかし、記事の分析で文句のつけようもない事実を述べている点もあるため、その点を確認しておきたい。景気が長いトンネルを抜け団塊の世代が巨大な消費集団へと変貌しつつあり、それが男性消費を後押ししているというのは、紛れもない事実であろう。
しかし、ミクロレベルで個々の男性消費の背後にある衝動として、日経は『「自分らしさ」こだわる』と大見出しでまとめているが、この見出しは本日の日経で取り上げている事象をまとめるには、あまりにも浅薄で、思考の掘り下げが感じられない。本日の日経新聞で取り上げられた男性消費の背後にある衝動には、以下の2つがあると私は思う。
【①高所得層への所属の欲求】
バブル時代に渡辺和博氏著による『金魂巻』なる本がベストセラーになった。その中で印象に残っているのが、「本当の金持ちは華美な格好をしないものだが、成金(なりきん)はブランド物に身を包みたがる」という趣旨の記述である。こうした事実の理由を私なりに考えれば、成金は高額なモノを消費することによってしか、自分が高所得層に帰属するということを実感できないからであろう。こうした形態の消費は、極言すれば高所得であることを実感できさえすればよいのだから、「自分らしさにこだわる」タイプの消費とは対極にあるといえよう。
本日の日経では、オーダーシャツの品定めを、別室のサロンでお酒を傾けながら行う外資系会社員が紹介されている。(書いてて恥ずかしい・・・)洋服仕立屋に豊富なボトルが用意されているはずもなく、はじめてビジネスクラスに搭乗したサラリーマンが、はしゃいで酔っ払いになる状況と似ている。彼等は、お酒を飲みながらシャツを選ぶことによって、「勝ち組」にのしあがったことを実感できればよいのである。オーダーシャツそのものへの「こだわり」を求める人々であれば、余計なドリンクサービスのマージンを廃した、腕の良い職人の門戸を叩くはずである。
【②メトロセクシュアルという性衝動】
本日の日経は「メトロセクシュアル」というコンセプトを紹介した点で大いに評価できるが、その言葉の意味を「都市(メトロ)に住み、身だしなみにこだわる男性をこう呼ぶ。(引用)」とこぎれいにまとめている点がいただけない。「メトロセクシュアル」なのだから、裏にはドロドロとした(とまでは言わなくともなんらかの)性衝動が潜んでいることに、気がつかねばなるまい。
日経に紹介されている「脚が長く見える(引用)」「美脚ジーンズ(引用)」に飛びつく男性客というのは、自分の短足を隠してまでセックスアピールを高めようとするわけだから、どうしてこれが「自分らしさへのこだわり」などというキーワードでまとめられるのだろうか???
とまあ、慣れないことを記事にした日経経済面を揶揄(やゆ)してみたわけだが、ただ男性消費の拡大というのは、私も今後無視できないマーケットになるという点は否定しない。ただし、このマーケットにアプローチするにあたって「自分らしさへのこだわり」といったこぎれいな常套句に頼っていたのでは、真の消費欲求を見極められないと思う。
ちなみにメテロセクシュアルという言葉の英語での定義がWikipediaにあった。英語の読める方は面白いと思うのでご一読を勧める。
Posted by Ken Kodama at 2005年08月16日 11:16