セブン・イレブン・ジャパンの清涼飲料水の値下げに関する特集記事が、本日の日経新聞の3ページに記載されていました。この報道は以下の3つの側面から考えて、実に興味深いです。
①価格競争に巻き込まれるコンビニ
当ブログでは、小売の業態の変遷に着目したエントリーをいくつか執筆してきました。以下は、過去の関連エントリーなのでご参照下さい。
さて、コンビニもかつては小売の「新業態」であったわけですが、「便利さ」という付加価値を武器に、いきなり高いマージンで参入し、そして根付いたわけです。(そしてこれは「小売の輪」の理論では説明できず、「真空地帯理論」によりコンビニの誕生は説明されるのが一般的です。)ところが、100円ショップという新業態との価格競争に次第に飲み込まれてしまうこととなります。特に私が頻繁に利用する「おやつコーナー」は、コンビニでも100円のおせんべい、100円のかりんとう・・・などで満載です。そんな中にあって、500ミリペットボトル飲料は130円~150円の値段で悠然と売られていましたが、今回の動きで一気に価格帯が下げられることとなりました。
厳しい競争環境下にあって、コンビニも「便利さ」だけを武器に高いマージンを課するプライシング政策は、曲がり角を迎えている感があります。当面は、集客を意識した、「目玉商品を配する」たぐいのプライシングをせざるを得ないでしょうが、それは対症療法にすぎません。「便利さ」というあまりに抽象的すぎた店舗のコンセプトを、いかに修正するかについて、深い思慮をめぐらせる時期にきているのではないかと思われます。
②清涼飲料メーカーの稚拙なチャネル戦略
こうした、値下げを引き起こしてしまったのは、清涼飲料メーカーのチャネル戦略が稚拙であったからに他なりません。特に伊藤園ですが、私が好む「お~いお茶、濃い味」は100円ショップでは当然100円で売られていますが、そこから歩いて1分としないコンビニではその1.5倍近くの値段で売られています。
伊藤園としての理屈はこうなのでしょう。「コンビニは配送の手間がかかるから、配送コストがかさまない100円ショップには安く卸してやっていいか。とにかく売れるところで売りまくって、売上高を増やさなくちゃ。」同じモノが違う値段で売られていれば、安い方の値段に収斂していくことは、あまりにも自明な摂理です。失われたマージンは、恐らく二度と返ってこないでしょう。
③原油高でどうなる?
「飲料品は原油高を受けて石化樹脂製品のペットボトル容器などが値上がりしている事情も抱える。(本日の日経新聞より引用)」コンビニでの販売価格引下げ圧力と、原材料費の高騰の板ばさみの中で飲料メーカーは今後かなりの収益悪化が予想されると思います。ちなみに私は、「お茶」という習慣的な飲み物に対してブランドバリューとペットボトルの材料費を反映した価格を支払うのが馬鹿馬鹿しくなって、最近は紙パックの500ミリリットルのお茶を飲んでいます。最初は、「倒れたりこぼれたりするのではないか」との心配があったのですが、ちょっとだけふたをあけてストローをさして飲めば問題ないです!なんだか私のケチケチ生活が明るみに出てしまいましたが(汗)、浮いたお金をどうしているのかといえば、はちみつ黒酢ダイエットの購入に充てて、ヘルシー志向な人間へと変貌を遂げていたりするのです。
ちなみに、この黒酢関連マーケットは、恐らく私は入院したりしなければ目を向けることはなかったのでしょうが、ここも実に熾烈な競争が展開されています。機会があればエントリーを書いてみたいと思います。人生なんでも意味がある、病気をすることにも意味がある・・・なんてしんみりまとめてみました。