本題に入る前に、あの消費者金融アイクの「忘れないで お金よりも 大切なものがある♪」というCMですが、あのCMの好感度は並大抵ではないと思います。消費者金融はイメージアップのために、あの手この手のCMを展開してきましたが、これほどまでに私のサブリミナル意識に作用したのははじめてです。(って私の感覚がずれてるだけかもしれないですけど・・・)それにひきかえ、高橋克典を起用してしまったアットローン。高橋克典といえば、今は「サラリーマン金太郎」ではなく、「女系家族」の怪しい日本舞踊の先生でなないんでしょうか(笑)
さて、本日の日経新聞国際面には、イーベイによるスカイプ買収とオラクルによるシーベル買収の2つの大型買収の報道です。金額では後者の方が大きいのに、記事の大きさは前者の方が大きいのは、スカイプへの注目度の高さの現れでしょうが、イーベイは現金とイーベイ株の半々で購入するのに対し、オラクルは全額現金で買収するとのことです。ぶっちゃけた話、株で買うのと現金で買うのとどちらが得なんでしょう?
感覚的には、自社株を対価にして他の会社を買う方がずっと得な感じです。だって、現金がびた一文たりとも出ていかないわけですから。でも、この「得」というのを、「誰にとって得か」というのを明確にしなければなりませんが、買収する側の会社の株主にとっては現金で買収する方が得なのです。なぜか?
現金というのは最も収益を生まない資産であるという事実を思い出して下さい。普通預金に預けて0.1%に満たない利回りしか生まない現金が、他の成長性のある企業の株式を買うことにより、被買収企業の儲けが丸々転がり込むことになり、それは買収企業の株主の間で山分けされます。
それに対して、自社株と引き換えに買収すると、被買収企業の儲けが転がりこむという点までは同じですが、その儲けは自社株を渡したあげた被買収企業の株主も含めた上での山分けとなってしまいます。そう、これは希薄化の問題です。
ただ、現金での買収も注意すべき点があります。まず、余剰な現金が十分でないのにキャッシュで支払ってしまうと、企業の安全性が損なわれるという点に留意せねばなりません。余剰なキャッシュが十分でない場合に借入により買収資金を賄おうとすると、今度は財務リスクが高まるという点に気をつけねばなりません。
さて、全額キャッシュで買収するといっているオラクルですが、2005年5月末の時点の連結B/Sを見ると、キャッシュの残高は約39億ドルで、シーベル社のキャッシュを考慮に入れてもこれでは足りずに借入が必要となります。オラクルのシーベル社買収のアナウンスメント文書の8ページを見ると、借入による買収から生ずる財務リスクの高まりへの懸念を払拭するために、過去のキャッシュ・フローのパターンから考えれば借入は1年以内に返済できる旨を明記しています。
私は昔企業向けのシステムの構築に携わっていたことから、どちらかといえばオラクルの買収の内容の方に関心がありますが、オラクルがこうした買収戦略を積極的に行うのは新しいCFOの存在が大きいようですね。