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2005年10月07日

原油高と管理会計

本日の日経新聞の17ページには『原油高と変わる収益構造(上)』と題したコラムが掲載されています。原油高に対して各社がどのような対応策を打ち出しているかをまとめているコラムであり興味深い内容ですが、書いてある内容を私のメインフィールドである管理会計の視点から整理してみたいと思います。原油高に悩む企業にとっては、原油のコストは変動費であるはずです。そこでこの問題を、「変動費の上昇にいかにして対応するか」という問題に一般化すると、以下のような対応のタイプがあると考えることができます。

①変動比率の切り下げ
最も容易に思いつく対応策です。本日の日経新聞では、割安な代替原料に切り替えたり、中抜き注文を行う動きなどが、具体例として挙げられています。

②固定費の削減
日経新聞の具体例では、JALの希望退職者を募る動きや賃金体系の一元化が紹介されています。これらの人件費は原油高とは全く関連はありませんが、他に減らせるコストを減らしてとりあえずしのごう、という考え方です。

③変動比率の高い製品の販売中止
この例としては、JALが単価の安い団体旅行客が多く搭乗する便を運休したケースが紹介されています。このような対抗策を実施するにあたっては、商品別の売上高と変動費をマッチさせる管理会計の仕組が構築されていることが前提となります。このことからも、管理会計は利益を増やすための戦略的な仕組であるとの認識を新たにしていただけることと思います。

④変動費の固定費化
これはなかなか思いつかない視点かもしれません。具体例としてはペットボトルの内製化に踏み切る飲料メーカーの動きが紹介されています。もちろん、外注しようと内製化しようと、材料であるペット樹脂の価格に変わりはないのですが、まず、内製化することにより外注業者に流れていたマージンを取り戻すことができます。また、外注業者であれば、原油高に対抗してコスト削減に取り組むかどうかは定かではありませんが、内製化することによりコスト削減は自社の問題となり、製造コストに対してコントロールが及ぶようになるというメリットもあります。
反面、内製化することにより製造設備などへの投資が必要となるわけですから固定費が増加するわけで、これにより損益分岐点は上昇し、売上高の低下に対して抵抗力を失うというデメリットにも直面することとなります。

Posted by Ken Kodama at 2005年10月07日 18:46
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