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2005年11月25日

『時価総額』を目標に掲げることは正しい選択なのか?

銀行の好決算が本日の日経新聞で伝えられましたが、本日私が食って掛かるのは日経新聞の以下の一節です。

(引用始)
『「半年で達成するとは・・・」みずほフィナンシャルグループの前田晃伸社長はこう苦笑した。今春に株式時価総額十兆円の目標を掲げたばかり。その後、時価総額は約1.7倍に膨らみ11月初めに目標を達成したのだ。』
(引用終)

みずほ銀行の時価総額が膨らんだのは、もちろんみずほの経営努力が果たした要因も大きいですが、日本株全体が買われているというマーケット全体の動きも大きな役割を果たしているといわざるをえません。このように、みずほのコントロールの及ばない『時価総額』なんてものを、経営目標に掲げることは適切なのでしょうか?経営陣は利益やキャッシュフローといった、自らコントロール可能な数値にフォーカスすべきなのではないのでしょうか?
私の考えは、「利益やキャッシュフローと合わせて、時価総額も経営目標の一つに加えるべき」というものです。時価総額を経営目標に入れていないとどういう事象が起こるのでしょうか?株主軽視の経営が蔓延することが考えられます。
その一つが、ライブドア騒動で注目を浴びたMSCBです。MSCBの多くは利率をゼロに設定してあり、P/Lだけを見ていたら、営業外費用が激減する資金調達なわけですから、「経営者の手腕は素晴らしい」と評価してしまうことになります。しかし、その一方で株数は増加して一株あたりの価値は低下しているわけですから、株主から見れば株価を自ら下げる施策を展開したひどい経営者といえます。このように経営陣に株主重視を肝に銘じさせるためにも、利益等と合わせて時価総額を経営目標に組み入れることが必要なのです。
しかし、もう一歩踏み込んで、「時価総額」ではなく一株あたりの「株価」も目標に採用すべきだと私は考えています。例えば現在の株価が5円の企業が1万株発行していれば時価総額は5万円です。その企業がMSCBの発行により、もう1万株発行して希薄化のために株価が3円に低下したとします。その場合時価総額は「2万株 × 3円」で、時価総額だけを見れば上昇していますが、株価は5円から3円に低下し、既存の株主は2円の損を被っています。
こうした株主軽視の施策はしっかりとした社外取締役がいれば、阻止されうるはずなのですが、社外取締役に対する理解が深まらない以上、「株価」等を経営目標に組み入れて経営陣を律することが次善の策といえるでしょう。

Posted by Ken Kodama at 2005年11月25日 09:40
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