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2005年12月08日

『オーラの泉』が職場に進出??? 21世紀の人材育成と「スピリチュアル」

先日のエントリーで、私は『オーラの泉』の美和明宏氏と江原啓之氏を「金髪の魔女と得体の知れない落語家」などと書いてしまったが、実は両方とも、私は結構好きだったりする。で、昨日も中島啓江が母親の思い出を語り、アメージング・グレースを熱唱するのを食い入るようにみてしまったのだが、こうした精神世界を扱うテレビが深夜枠とはいえ、お茶の間に進出したことの意義は深いと思う。科学では説明できない領域を扱っているという点を強調して、『オーラの泉』を例えば『FBI心理捜査官シリーズ』や一連のUFOモノと同列で並べる方がいるかもしれない。しかし、『オーラの泉』がそれらと決定的に違うのは、登場するテレビタレントがなんらかの形で癒され、救われているという点であり、「オーラ」が見えようが見えまいが、前世がなんであろうかは、極論すればどうでもよい話なのである。私も、別に「オーラ」などというものを見ることができるわけでもないし、前世などは信じてすらいない。それでも『オーラの泉』を見続けるのは、出演者が救われる有様を見たいからである。
本日のエントリーの趣旨は、こうしたスピリチュアルな世界が、企業の人材育成の場に近い将来進出するのではないか、という私の直観をお伝えせんがためである。これは、少しも突飛なものであるとは考えていない。確かに給与を決定するという意味においての人事評価の領域では成果主義の勢力が依然として高まりつつあり、これはスピリチュアルなどという悠長なものとは相容れないものである。どんなに気高い精神の持ち主でも、数字を上げねば高給にありつけないのだから。
一方で、人材育成についてはどうかというと、みなさんの大半が一度は耳にしたことがあると思うが、コーチングの隆盛が著しい。コーチングの根底に流れる思想とは、なんであろうか?コーチング関係の書物の中で定評のある、『コーチング・バイブル』では、コーアクティブ・コーチングの4つの礎として以下を挙げている。

(引用始)
『①クライアントはもともと完全な存在であり、自ら答えを見つける力を持っている
②クライアントの人生全体を取り扱う
③クライアントが主題を決める
④クライアントと意図的な協働関係を築く』
(引用終)

近視眼的な視点から見れば、コーチングと成果主義は全く相容れないように見えるかもしれないが、長期的にはコーチングを通した人材育成は成果主義にも貢献するはずである。従来は上司が部下に正解を教え込むティーチングが主体であった人材育成が、近年はコーチングにその軸足を移しつつあるという点ではご賛同いただけると思う。
しかし、企業の人材育成においてコーチングを採用する場合において、注意を要するのが「①クライアントはもともと完全な存在であり、自ら答えを見つける力を持っている」という一番目の前提条件である。企業においては、将来のリーダーを育成していかねばならない。そのためには、ある方向感覚をもって人格を一定期間の間に高めていかねばならない。その際に大いに参考となると私が考えるのが、スピリチュアルな世界なのである。
その片鱗は既に見られている。例えば、先日姉歯氏の分析で紹介したエニアグラムなるものも、スーフィズムやカバラなどのスピリチュアルな領域に源流を持つものでありながら、既に多くの企業の人材育成に採用されている。ただ、現状ではエニアグラムを9つの性格の類型論としてしかとらえておらず、肝心の9つのレベルという点にまでは踏み込んで考えられていないようだ。つまり、エニアグラムにおいては人格の成長にもレベルがあると考えられており、9つの性格タイプそれぞれのやり方で、人格を成長させていくことこそが重要なのだが、そこまで踏み込んだ人材育成を考えている企業の実例を私は聞いたことがない。
リーダーシップの育成においては、IQ(Intelligence Quotient、知能指数)を文字ってEQ(Emotional Quotient、感情指数)なる考え方もある。EQとスピリチュアルの関連についていえば、私は後者の方がより広いと考えている。例えば、リーダーに求められる高い誠実性だが、誠実さは明らかに感情ではない。しかし、各企業のリーダーが誠実性を高めていく必要性は、構造計算書の偽造問題を見ても、あまりにも明白な形で我々は認識できたのではないか?不誠実なリーダーの振る舞いが、ある建設業界の企業を倒産においやった。だとすれば、誠実さ、そして更に広い意味でのリーダーの精神性を高めていくことが、各企業において不可欠なのではないであろうか?30代、40代を超えたいい年したオジサンに向かって「誠実な行いをしなさい」といって、通じるハズなどない。その気付きを与えるのに有効なフレームワークがスピリチュアルなのだと私は考えている。
もちろん、企業である以上合理的な意思決定をしなければならないのだから、江原啓之氏のような方を顧問にすえてすむ問題ではない。ダニエル・ゴールマンが感情の問題を大脳の構造と結びつけて「科学」として昇華したように、誰かがスピリチュアルを「科学」として昇華せねば、企業に受け容れられることは難しいであろう。誰がいつそれをやるのか?無論分かるはずなどないが、10年後くらいに、人材育成において新たな潮流が見られているのではないかという気がする。

Posted by Ken Kodama at 2005年12月08日 10:28
Comments

オーラの泉などに科学的にアプローチしてみようと思っています。
(^_^;)

Posted by: JUN at 2006年06月24日 23:19

>Koe様

このような経路で書き込みをしていただいたのは、実は初めてです!名前で検索していただいたのですよね、おそらく。あの場ではこのブログで出す自分とは全く異なるであったため(笑)、ガラでもないですが、なんだか恥ずかしい感じです。
実はご紹介した本の内容が、本田宗一郎氏の著作に記述されていることを最近知り、そのうちにこのブログで取り上げてみるつもりです。
CFPをお持ちとのこと。自分専属であっても、あるとないとでは財産形成に大きく影響するはずですから、勉強代のもとは大いにとれたのではないでしょうか(笑)。
こうしてサイトに来訪いただいたのも何かの縁。お仕事の邪魔にならない範囲でときどき覗いていただければ幸いです。

Posted by: 児玉 at 2005年12月14日 09:37

先日、某N社のサブリーダー研修を受講した者です。
その節はありがとうございました。自分なりに色々と気づかされたところがあり、とても有意義な時間でした。
ご紹介いただいた「EQ」の本を、ようやく今日買ってきたところです。しばらくは通勤の友にしたいと思います。

そういえばFPをやられているんですね。
実は、私も資格だけならCFPだったりします。
完全に自分専属ですが(笑)

Posted by: Koe at 2005年12月14日 00:00

>sakura様

書き込みいただきありがとうございます。かなり、内容的にはぶっ飛んだ内容だったのですが(笑)、レスポンスをいただけて嬉しいかぎりです。

>江原さんってオペラなんかもやってるらしくて

実は私も彼のサイトを見て、気にはなっていました。「怪しさ」に輪がかけられた感じですね。

>最終的には“暗黙知としての高い誠実性”を備えている社会そのものが強さ、資産になるような気が・・

私と同業のFPをされているとのこと。「誠実性」をいかに維持し高めていくかは我々にとっても重要な課題ですね。9日づけのエントリーにリンクを貼りましたが、もう一方のブログでは、もう少しFPらしいこと(笑)を書いていますので、そちらもお時間があるときはご参照下さい。
今後ともよろしくお願い致します。

Posted by: 児玉 at 2005年12月09日 10:16

はじめまして。sakuraと申します。
こちらにはちょくちょくおうかがいさせていただいてます。
「オーラの泉」
“金髪の魔女と得体の知れない落語家”には大笑いしてしまいました。おまけに江原さんってオペラなんかもやってるらしくてよけい訳がわからなくなってしまいます。(笑)
彼のやってることって本当にいろんなインスピレーションを与えてくれますよね。
東西の思想、宗教、心理学なんかも踏まえたうえでいってるみたいですし奥が深そうです。
書かれているように、最終的には“暗黙知としての高い誠実性”を備えている社会そのものが強さ、資産になるような気が・・・。
個人を専門にしたいFPとしてはそのようなことも踏まえながらこれからのFP像を求めてゆきたいと思っています。
とはいえ、ハードな知識が不足しておりますのでAim様のブログで勉強させてくださいませ。(笑)

Posted by: sakura at 2005年12月09日 09:51
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