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2005年12月20日

ネットと放送の融合は「マスの消失」を招くのか?

竹中氏が総務大臣に就任して、にわかに「通信と放送の融合」が近い将来の課題として浮上しつつある。実に哲学めいた抽象的な表現である「ネットと放送の融合」であるが、本日のソフトバンクとヤフーの動画配信の報道に見られるように、具体的には「テレビでやっているものをネットでも見れるようにする」という方向性で「融合」は具体化しつつあるようだ。しかし、これは単に「無線」が「有線」に、「テレビ」が「パソコン」へとハードが置換されることだけを意味しているのだろうか?私はそうは思わない。
ネットでの動画配信は、基本的には①有料サービス②オンデマンドがスタンダードになりつつあるようだ。まず、前者の「有料サービス」が意味するものは、広告主に代わって視聴者がコンテンツ制作費の対価を支払うことを意味するのであるから「CMが入る余地がなくなる」ということであり、これは広告主がマスマーケティングを実践する場が格段に減少することを意味するのではなかろうか?また、パソコンとテレビが併存するのであれば、テレビに固執する人々というのはパソコン操作に不慣れな高齢者層ということになる。一時は、水戸黄門と桃太郎侍くらいしか高齢者向けの番組がなくなってしまったテレビであるが、団塊世代のシニア化と合わせて、テレビ番組は高齢者向けに味付けがなされ、したがって広告主も彼等にターゲットを合わせたマスマーケティングを展開せざるを得ないであろう。加えて、もしNHKの民営化が実現されれば、熾烈なパイ争奪戦がくりひろげられることであろう。
意外なことに、この動きはラジオの復権をもたらすのかもしれない。ラジオに対しては、ドライバーや自宅で仕事をする人々に根強い需要があり、これが今以上に減退するとは考えにくい。マスマーケティングの主戦場として、ラジオが見直されるのかもしれない。
次に、「オンデマンド」がもたらすものであるが、「見たいときに見れる」わけであるのだから、「共時性」は今以上に希薄となり、これはマスカルチャーの凋落を招くのかもしれない。OLのランチ時の話題に、「昨晩のドラマ」は上らなくなり、代わって今以上に激辛な上司の悪口が延々と展開されるのであろうか?身震いさえおこるが(笑)。
ただし、もともとマスカルチャーには「質」の面では問題があり、良い面も期待できるのかもしれない。恐らくは地域社会との関わりが今以上に大切にされ、音楽や劇はライブで楽しむのが主流となる、そんな時代がくるのかもしれない。

・・・とまあ、色々書いてみましたが、もちろん未来のことなど私には断言できません。ネットと通信の融合はどんな未来をもたらすのでしょうか?お時間があって、かつ、思うところがある方はコメント欄に書いていただければ幸いです。

Posted by Ken Kodama at 2005年12月20日 11:43
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