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2006年02月01日

なぜトヨタではガソリンを売っていないのか?

冒頭に一つお断りしておくと、2月は私の所要のため更新の頻度が減ると思います。週に1~2回が限度だと思います。なぜか、今年に入ってアクセスが急増しており、こうした折に更新頻度を減らすのは私としても残念ですが、その分「質」で勝負できればなどと思っています。

さて本題。タイトルはタイトルとして本日の話題はキャノンの勝訴である。ご存知のようにキャノンはプリンターを販売するとともに、インクのカートリッジも売っている。そして、そのインクのカートリッジが高い。それは、キャノンの価格戦略であって、プリンター本体の価格は抑えて、消耗品であるインクカートリッジの価格は高くして粗利を稼ぐ。このような価格戦略はキャプティブ製品の価格設定と呼ばれ、これに関するエントリーは以前執筆させていただいた。

携帯電話とキャプティブ製品の価格設定

コトラーのマーケティングの教科書には、他の例としてジレットのカミソリが挙げられているが、この種のいわば先発品と後発品のビジネスモデルは実に多い。携帯電話の端末と通話料もそうだし、金融商品の初期の販売手数料と残高に応じた手数料も同様である。あるいは機械とメンテナンスサービスの関係も。
さて、ここでタイトルに話題を移そう。自動車だって、自動車本体という先発品とガソリンという後発品に分けることが可能である。なぜ、トヨタはガソリンを自ら販売して、後発品であるガソリンから高い粗利をとるビジネスモデルをとらなかったのであろうか?こんな問いを発する私は、お馬鹿さんなのか?
もし、上記の質問に真面目につきあってくださる方がいれば、こう諭してくれるのかもしれない。「ガソリンとはコモディティであり、インクのカートリッジと異なって差別化できない。だから、他社の参入が容易であり、囲い込みは極めて非現実的な話である。」ごもっともなご指摘です。でも、「インクのカートリッジ」といえば、それは特許で武装され、差別化された製品なのかもしれないが、「インク」単体で考えればどうなのであろう。技術的なことはよく分からないが、我々が使うプリンターだって、「インク注入口」みたいな穴を開けておいて、そこから粉だか液体だかをドボドボと注ぐ・・・そんな形態の発展だってありえたはずである。そうならなかったのは、御手洗氏の執念ゆえである。キャノンはカメラメーカーとしてスタートしたときに、「我々はフィルムメーカーを儲けさせているだけではないか」との認識を深めるにいたった。そうしたカメラでの悔しい思いがあったから、インク「カートリッジ」という、高収益ビジネスモデルを思いついたのであろう。もし、豊田喜一郎氏あたりが、「我々は石油メジャーを儲けさせているだけではないか」との問いかけを発していたならば、ガソリンは複雑な形状をしたカートリッジのようなものに詰められて、自動車製造会社が独占的に販売していたかもしれない。
ここで私が言いたいのは、「我々が当たり前に感じていることは、実は少しも当たり前ではない」のであるということ。「当たり前」に見えることを疑ってみるところに、ビジネスチャンスは存在するのだ。では、何がそのビジネスチャンスを発見させるのか?例えば、私が本日のエントリーを執筆した思考プロセスをさかのぼってたどってみると、それは「A→B、B→C、よってA→C」などという三段論法に頼ったのではない。頼りは直感である。
ダイヤモンド社の『意思決定の技術』には『「直感」の意思決定モデル』と題された論文が収録されている。それによれば、「真の意味での霊感的な意思決定には(引用)」クロス・インデックスなる能力が必要であるとのことだ。このクロス・インデックスとは「共通点のない複数の領域から類似パターンを見出す能力(引用)」であり、「クロス・インデックスのパワーは情報量に比例して高まる(引用)」とのことである。
私に誇れるものがあるとしたならば、一つはこのクロス・インデックスのパワーであろう。キャノンのキャプティブ製品の価格設定の問題を、自動車とガソリンの問題に結びつける。そして、それにとどまらず、この話をハーバード・ビジネス・レビューの『意思決定の技術』に結び付けてしまった。この本は一時間前に購入したのにすぎないのに!!
また、同著はこうも述べている。「多くの企業のトップは、ジョギングをする、空想にふける、好きな音楽を聴くなどして、何らかの瞑想状態をつくり出すことで右脳を刺激する方法を学んでいた。(引用)」人それぞれ、インスピレーションを湧きやすくする方法は色々なのだ。私は、といえば、私にも独自の「瞑想状態」を作り出す方法はあるのだ、実は。それを明かすと、「静かなベローチェでアメリカンを飲むこと。」というオチで本日は失礼。

Posted by Ken Kodama at 2006年02月01日 12:21
Comments

> sakura 様

ご返事をいただきありがとうございます。また、こちらのレスポンスが遅れてしまってすみません。

つまらない話をしてしまって恐縮ですが、「ベローチェ」ってのはこちらの喫茶店のことです。

http://www.chatnoir-jp.com/veloce/veloce.html

スタバは妙に椅子がふかふかしていたり、外人が多かったりと、私の気を散らす要素がふんだんにあり、スタバで考え事をしていても、私の「クロス・インデックス」は働かなくなるのです(笑)。

Posted by: 児玉 at 2006年02月10日 17:09

あのー、拙ブログをご紹介いただきありがとうございます。
お恥ずかしいかぎりです。
それと丁寧に返していただき恐縮です。

「公開自己研鑚」と書いておられますがまさに瞑想感ありますよね。「公開自己禅」。
「香港映画」と他の情報との「クロスインデックス」は“東洋思想”に回帰するような気がします。
それから『意思決定の技術』はアマゾンに頼んでしまいそうな気が・・・(笑)これからもいい本があったらご紹介ください。
ところで“ベローチェ”って何ですか?(笑)


Posted by: sakura at 2006年02月07日 09:42

>sakura様

お久しぶりです。バタバタしており、レスポンスが遅れてしまい、申し訳ありませんでした。

>「クロス・インデックス」って情報収集のある臨界点を超え
>ると効いてくるような気がしますが・・・。いかがでしょう
>か。

上記の点は全く同感です。私もこのブログを書くにあたって、以前より情報収集の幅が増えてきた感がありますが、「クロス・インデックス」は確かに「効いて」きた感じがしますね。といって、自在にコントロールできる類のものではないのですが・・・

>インスピレーションがわいてくると“生きててよかった”感
>がありません?

これも同感ですね。当たり前な方法で仕事を完遂するよりは、電撃的なひらめきで解決した方が、はるかに満足感があります。

香港映画と他の情報でどのような「クロス・インデックス」が生じるのかが若干気になりますが(笑)

あと、当方のブログの不具合でせっかく書き込んでいただいた、sakura様のブログのURLが反映されておりませんので、下に記載させていただきます。記載に異議などありましたら、ご連絡下さい。

http://sakuradayori.blogzine.jp/


Posted by: 児玉 at 2006年02月05日 17:19

久しぶりにおじゃまさせていただきます。
「クロス・インデックス」って情報収集のある臨界点を超えると効いてくるような気がしますが・・・。いかがでしょうか。
私の場合は香港映画(爆)。

インスピレーションがわいてくると“生きててよかった”感がありません?なんかそんな感じがしますが。
私の場合、生きる楽しみのかなりの部分を占めてます。
ではでは。


Posted by: sakura at 2006年02月02日 16:14
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