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2006年06月21日

浄化されるムネオ

また、私のお里が知れてしまうような話だが、昨日の『子供に見せたくない番組NO.1』のロンドンハーツにかの鈴木宗男氏が登場していた。そして、数日前にみたダウンタウンDXにも氏は登場していた。ムネオ氏を見て私が思い出したのは、飯星景子があの高級壺販売チェーンから脱退後に、(確か)『たけしのTVタックル』に登場したことについて触れて書かれた、故ナンシー関女史の名コラムである。私の記憶が正しければ、ナンシー関氏は「浄化」というフレーズを使いながら、高級壺販売チェーンに身を置いていたイメージを払拭するにあたって、たけしが仕切るバラエティ番組が大いに貢献した、といった趣旨の内容を書いていた。
昨日のロンドンハーツで見たのも、正しくあの一連の騒動で被った負のイメージを払拭するための一種の儀式であったといえるのかもしれない。いくつか興味深い点がある。まず、第一に誰がこの一連の儀式を取り仕切ったのか、ということ。たとえば、松田聖子や宇多田ヒカルが新曲を発表するときに、ゴールデンの歌番組を特別待遇で行脚する際には、所属事務所やレコード会社とテレビ局の綿密な打ち合わせや交渉なくしては、成立し得ないはずの大仕掛けのプロモーションが展開される。ムネオのゴールデン・バラエティ番組の行脚の背後には、平沢勝栄が見るに耐えない時代劇を演ずるのとは次元が異なって、かなり組織だった動きがないと実現できないはずである。誰が知恵を授けたのか?やはり松山千春なのか、あるいは現在はボビーと同じ芸能事務所に所属しているというムルアカの知恵なのか?そして、なぜこれらの番組のプロデューサーはムネオの浄化に協力するに至ったのか?この辺りの裏事情は、私が最も疎い部分でもある。
第二の論点として、もう少し生産的な(笑)観点から眺めれば、バラエティ番組による浄化の、我々の脳内のプロセスである。ダニエル・ゴールマンのEQの本では、英語で恐縮だが確か"Anatomy of Emotional Hi-jacking(感情によるハイジャックの分析)"と題した章があった。私が昨晩経験したのも、正しく感情によって私の脳内がハイジャックされたのであり、過去のムネオ報道のことは一切忘れて、「ムネオって本当はいい人なんだな」などと思いながらテレビを見ていた。もちろん、過去のあの一連のムネオ報道のときも、私の感情はテレビ番組の意図するところにまんまとはまり、全く面識のないムネオに対して憤りを覚えていた。テレビは怖い。テレビは人々の感情を意のままに操り、『世論』なる幻想を築き上げる。しかも、その方向性を作りあげているのは、『プロデューサー』という肩書きを持つ、悪い意味での『凡人』達である。
古館氏のニュース番組やその前にあった久米氏の報道番組の特徴は、あの異常なまでの一方の当事者への感情移入にある。私の英語力の乏しさにも多少原因があるかもしれないが、昔アメリカの報道番組を見たときは、もっと淡々と事実にフォーカスした報道をしていた気がする。「淡々に報道する」という点においては、民放に比べNHKに圧倒的に軍配が上がるが、事実にフォーカスしながらも、もっと面白くする余地はあるだろう。
最後に「バラエティー番組での笑いによる浄化」のポイントだが、負の部分を変に避けないこと。昨晩のやりとりにこんなのがあった。(必ずしも会話は正確ではありません。うろ覚えです。)

ロンブー淳「ムネオさん、変な圧力かけたりしないでしょうね。」
ムネオ氏「いやー、多少の恫喝はあるかもしれませんが(笑)」

かくてムネオは浄化されたのである。

Posted by Ken Kodama at 2006年06月21日 09:28
Comments

>なっしゅ様

書き込みいただきありがとうございます。なんか、当ブログにとってはある意味「異質」なこのようなエントリーに対して、これほど突っ込んだコメントをいただけるのは感無量です。ムネオとアツシの詳細な会話録まで記載いただき、誠にありがとうございます。番組を見なかった方のために言えば、「貴ちゃん」というのはムネオ氏の娘です。

>「自民党に切られ受託収賄罪で実刑判決(確か控訴中)を受けた上胃がんで胃の3分の2を摘出」という悲劇のヒーロー

そっか、胃がんの話もありましたね、忘れてました。世間的にはもうムネオを受容する土壌はできていたわけですね。ただし、ゴールデンのバラエティを立て続けに出るというのは、やはり何かしらの「意図」を感じずにはいられませんね。
だからといって私はムネオ氏は悪者だといいたいのではなく、彼も我々皆と同様に「いい面」も「悪い面」も併せ持つ人であることにかわりはなく、マスコミの意図に流されることなく人を見る目を養っていきたいと考えております。

Posted by: 児玉 at 2006年06月23日 10:50

ムネオ/アツシ会話の該当部分について

あ「いいんですか、僕と貴ちゃんがメールアドレス交換しても」
む「アツシさんならもう、心配ないです」
あ「本当ですか」
む「はいはい」
あ「また変な圧力を圧力をかけてくるんじゃないでしょうね」
む「(笑)」
あ「なんすか、こう、連れ去られたりしないでしょうね」
む「大丈夫ですよ、少々の恫喝はあってもね(笑)」

宗男氏は「野中の子分であり外務省を牛耳りODAでムネオハウスまで建設」という悪役から、「自民党に切られ受託収賄罪で実刑判決(確か控訴中)を受けた上胃がんで胃の3分の2を摘出」という悲劇のヒーローへと華麗なる転身。これが多くの人に受け入れられる理由は、宗男氏が(昔のように)せこく立ち回った結果でない、という点に集約される。
昨年の選挙での公職選挙法違反疑惑(未成年の娘の選挙運動)や、いまだ確定していない受託収賄容疑の裁判などあるにも関わらず、世間の人は思いのほかダーティーイメージを忘れてしまっている。ベテランとはいえテレビで発言が放送される人は得である。

Posted by: なっしゅ at 2006年06月22日 21:59
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