本日の日経新聞などを見ると、「いよいよゼロ金利解除か」といった感じだが、特に歴史の浅い企業の経理部の方は、短期的な資金運用という新たな業務に、ゼロ金利解除後に本格的と取り組まねばならない点に注意せねばならない。
「短期的な資金運用」とはなにかといえば、例えば一般的な企業では月末に給与やベンダーへの支払が集中し、月末に向けて徐々に売上入金等により預金残高が積みあがっていくような、資金サイクルになっていることと思われる。で、月末の支払の直前においては、かなりの額の資金が預金として蓄えられていることと思われるが、現在はこのかなりの金額のお金は「普通預金」に寝ていることと思われる。もちろん、当面は「普通預金」に寝かせておけばよい。しかし、短期金利が徐々に上昇するにつれて、「普通預金」の金利と、例えば「通知預金」や「MMF」等のその他の短期の資金運用のための金融商品の利回りが無視できない水準になってくる。こうなってくると、「普通預金」に資金を寝かせておくことによる機会損失は膨大になり、月中に小刻みに「普通預金」から他の短期金融商品への資金の移動をすることにより、「稼ぐトレジャリー(財務)」として経理部が機能することが不可欠となってくる。
10年前なら、そこそこの規模の会社の経理部なら、こんなことは当然の常識としてやっていたことと思う。しかし、私が仕事で色々な企業の経理業務を拝見させていただいている限りでは、長いゼロ金利時代でこうした「短期的な資金運用」業務を捨ててしまった企業がほとんどのような印象がある。金融機関とて例外ではなく、数ヶ月前の新聞でゼロ金利解除をにらんでコールマネーで資金調達をする練習を「試し借り」という形で、いくつかの金融機関で始めたという報道を目にした記憶がある。「試し借り」は必要ないが、一般事業法人の経理部も、きたるべき時代に備えておかねばならない。特に、設立して数年で急成長したような企業は、こうした業務を直接的には経験していないであろうから、なんらかの対策を事前に準備しておくべきであろう。
実は、個人的にはこの分野に対しては、かなりの「思い入れ」がある。(「スピリチュアリティ」ほどではないにせよ(笑))なぜかというと、某社で経理のBPRのコンサルティングをしていたときに、短期的な資金運用業務を完全自動化するシステムを作った経験があるからである。自画自賛させていただけば、いや~、あれは素晴らしいシステムだった(笑)。支払予定を完全に掌握することは当然として、入金予定についてもある程度の柔軟性をもたせながらシミュレーションして、短期的な運用に回すべき金額を「預貸率」をベースに銀行とのおつきあいも加味しながら自動計算する。しかも、運用指示のデータは自動的に作成されEBに接続され、人間が行うべきは生成されたデータに対して「承認」をかけるのみ。しかも資金移動の「仕訳」まで総勘定元帳にインターフェースされる。私のこのクリエイティブなソリューションが、クライアント企業に年間数億円の利益を継続的にもたらすはずだったのだが、その後のゼロ金利時代が長引いてしまったため、導入効果は激減してしまったはずである。しかも、メガバンクのマージャーの嵐で、その後にメンテナンスを担当された方は、いい加減嫌気がさしたことと思う(笑)。
2000年問題で、あの「化石」と馬鹿にされたCOBOLプログラマー(私もかつてはそうだったのですよ)が重宝されたように、ゼロ金利解除で、短期資金運用の経験者が再度桧舞台に立つことができるのかもしれない。私も昔とった杵柄で、再びお仕事ができるかもしれない(笑)というほのかな期待を抱きつつ、本日のエントリーを執筆した次第です。