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2006年08月05日

暑い夏の夜に聴きたい一枚

8月は大変忙しいのです。特に今週から来週にかけてが山場で、システム手帳を見ながら「今日はあそこ、明日はあちら、その間にレポートの締め切りがこの日にあって・・・」と忙しく過ごす生活は、独立前に私が憧れていた姿でもあるので、そうした忙しい状態に私を導いていただいたみなさまが、もしこのブログを読んでいただいているならば、この場で改めて感謝の意を表したいと思います。ありがとうございます。
・・・というのは、まあ言い訳で、あまりにも書く作業が多く、ブログ執筆まで頭が回らないのですが、それでもなんか「左脳」を使わない類の柔らかい文章を書いてみたい欲求は消えることなく、土曜日を利用してこのエントリーを書いている次第です。
ここで、一つ別の感謝を。それは約2週間前から始めたアマゾンのアフィリエートなのですが、なんと11冊もの本が私のブログを通して購入された模様であり、これに対して深く感謝申し上げます。皆様にご安心いただくために一言申し上げておくと、私のブログからクリックしていただいても、皆様のIPアドレス等は私に知られることは決してなく、購入者の情報はアマゾンから私に対して明かされることは一切ないので、その点についてはご安心下さい。購入いただいた本は『とっておき中小型株投資』が圧倒的に多く、また『人を伸ばす力』などというあまり知られていない著作も2名の方が購入下さった模様です。
11冊売れて私の手元に入ってくるのはわずか200円ばかりに過ぎません(笑)。ですから金銭欲等は全く満たされないのですが、それでも私が嬉しいのは『PV』や『訪問者数』といった数字よりも深いレベルでの私と皆様の交流が、このアフィリエートプログラムの販売実績によって確認できるからです。特に『人を伸ばす力』とあと『リナックス革命』を買ってくださった方がいたことは嬉しかった!!私の魂の叫びに共鳴していただいて、私がお薦めする本を購入したいただいた方がいるということは、正しく感無量であり、今後このブログを継続していく上での大いに動機づけとなります。
今日は一風変わって音楽CDのレビューなんぞを書いてみようかと。なぜ音楽のレビューかと言うと、あまり「左脳」を使いたくない(笑)という理由と、あとこのCDは毎年暑い夏の夜に聴きたくなるからで、タイミング的にばっちりと思われたからです。ご興味があれば是非、クリックをして試聴されてみて、よろしければお買い求めになって下さい!

【All My Tomorrows / Grover Washington Jr.】

音楽は映像を喚起する。このアルバムを聴いて、私がいつもながら思い浮かべる光景はこんな感じだ。
暑い夏の夜。私はどこかの南の島、おそらくバリ島あたりのリゾート地のホテルのプールサイドで、南国風のカクテルを飲みながら初老のバンドメン達の奏でるライブを聴いている。空気は暑く湿っぽく、しかし時折心地よいBreezeが私のほてった頬を冷ましてくれる。
初老のバンドメン達の奏でるジャズは、みなどこかで聴いたことのあるような郷愁を誘うメロディーである。決してアバンギャルドで尖った音楽ではなく、私を包み込むような優しさと包容力を兼ね備えており、しかし人生独特の『苦味』も味わえる、やはりこれは『Easy Listening』などではなく、正真正銘の『JAZZ』なのだ。
初老のジャズメン達の奏でる音楽は円熟味があり、人生の酸いも甘いも知り尽くしている、そんな感じを引き起こす。しかし、決して『枯れ果てて』などいるわけではない。彼等は昔を回想しながら、でも今も味わいながら、南国のリゾート地で異国からのゲスト達を前に、音楽を奏でる。そして、私は見たこともないようなトロピカルなフルーツを添えられたカクテルをもてあましながら、一人彼等の音楽に聴き入る。昔を回想しながら。頬にはなぜか涙がつたう。それが悲しみゆえなのか、と問われると、私はどう答えてよいのか分からない。
なぜこのCDは私に『真夏の熱い夜』を連想させるのか。これを少し分析的に考えるという無粋な試みをしてみたい。まず、暑さを連想させるのはフレディー・コールの嗄れ声のボーカルであろう。彼を知らない人も、彼がナット・キング・コールの実弟であると言えば、彼の声には大方の察しがつくであろう。そんな彼が、当アルバムではスティービー・ワンダーのOverjoyedのカバーとI'm Glad There Is Youの2曲でボーカルをとっている。
『湿り気』を感じさせるのはエディー・ヘンダーソンのトランペットであろう。マイルス・デイビスのトランペットがポロックのアクション・ペインティングであるならば、エディーのトランペットはさながら水墨画である。ほどよい湿り気を含みながら、トメ・ハネ・ハライと、微妙なタッチを吹き分ける。彼は医者も兼業しているというが、一体何科のお医者さんなのであろうか?
『円熟味』や『包容力』を感じされるのは、ハンク・ジョーンズのピアノである。彼の柔らかなタッチは誰にも真似できない。彼が現在87歳で昨年私がライブを見に行ったことは、下記のエントリーでご紹介したとおりである。

87歳でなお「学習」し続けるピアニスト

そして、暑さの中に涼風を漂わせているのが、リーダーのグローバー・ワシントン・ジュニアが奏でるソプラノ・サックスである。特にスティービー・ワンダーのオーバージョイドのカバーで奏でられるイントロの美しさは、エリック・ドルフィーの"Last Date"の中の"You Don't Know What Love Is"のフルートの美しさにも匹敵すると、私は個人的に思っている。
グローバー・ワシントン・ジュニアと言えば、私と同年代の方は、あの田中康夫の『なんとなくクリスタル』の映画の主題歌『クリスタルな恋人達(Just The Two Of Us)』を思い浮かべることが多いであろう。確かにグローバーはあの映画のおかげで日本での知名度こそ上がりはしたが、バブリーで軽薄な映画とアンカリングされてしまったことは、決定的な不幸でもある。彼はいわゆる『フュージョン』のサックス奏者として有名であるが、このアルバムでは極めて正統的なジャズを奏でていると私は思う。言いたいことは、外からつけられた変なイメージでグローバー・ワシントン・ジュニアを馬鹿にしないでくれ、ということである。
そのグローバーも、もうこの世にはいない人物である。一体、彼は何を回想しながら、このアルバムで演奏していたのか。その答えはCDを聴くことによってしか得ることはできない。

どうでしょう?マンション住まいでタバコをベランダで吸わされる哀しきお父さん達は、真夏の熱帯夜の空気をむしろ楽しみながら、i-podでこのCDを聴かれてみてはいかがでしょう?しばし、五月蝿い子供の声から現実逃避ができ、新婚当時の想いが蘇ってくるかもしれません(笑)。

Posted by Ken Kodama at 2006年08月05日 12:40
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