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2007年01月15日

中国 「安かろう悪かろう」からの脱皮の兆し

1月下旬から、また忙しくなることが予想されるため、書けるときにたくさん書いておいて、今のうちにできるだけ自分の頭の中をすっきりさせておこうと考えています。
今日引っかかったのは、本日の日経新聞の38ページの社会面の小さな記事。ミスタードーナツのなんだか美味そうな商品名「もちもちくるみ」につられて記事に目がとまった。小石のような異物が混入していたとのことであり、その原因について触れた一文が感慨深い。

(引用始)
『原料のクルミは米国で収穫、殻割りした上で中国と日本の二工場に分けて選別するが、中国では行っているエックス線検査が日本の工程にはなく、原料についていた小石が除去されなかった可能性があるという。』
(引用終)

中国ではエックス線検査を行っているが、日本では行っていない。一瞬、これは何かの間違いかと思ったが、以前なにかのテレビ番組でみた、中国の骨なし魚製造工場のことを思い出した。Wikipediaのリンクをはっておいたが、そこにも書いてあるように、骨なし魚は魚から骨をピンセットで人が抜き取り、接着剤で形を整えられ、最後にエックス線検査にかけられる。そして、Wikipediaの記事には書いていないが、このピンセットで骨を抜くラインに配される工員というのは、選りすぐりのエリートを充当している、と番組で紹介されていた記憶がある。この種の仕事に対して、高いモチベーションを持って取り組む日本人はおそらくほとんどおらず、いたとしても人件費は高くなる。中国では人材の質の高さと、エックス線検査という設備投資をプラスしながら、依然として価格競争力を維持している。
これは推測の域を出ないが、「もちもちクルミ」だけのために(どれだけの人気商品なのか全く分からないが)エックス線の設備投資を行うことは考えがたく、骨抜き魚製造のような業務を請け負う工場が自社の技術を活かして、扱う商品の幅を拡大したのではないかと思う。もしこの推測が正しいのであるとすると、中国は日本の特定の大きなメーカーの外注企業としての地位を脱皮しつつあり、自らのコアコンピタンスを確立して積極的な営業を行い、低賃金のみが競争力であった段階を抜け出して、規模の拡大によるコストメリットを享受しつつある段階に入っているということになる。また、「食の安全性」が若干ヒステリック気味に声高に叫ばれる日本において、この中国の工場は既に「安全性」という観点から、日本のマスメディアを活用して、ほとんどコストをかけずに、高いブランドイメージを構築することに成功してしまった。もう、中国製品を「安かろう悪かろう」の眼差しで眺めていたら、日本企業は完全に国際競争力を失ってしまうことであろう。
こうした工場と真っ向から勝負しようとすると、今回のように「エックス線検査工程を省略する」といった具合に、質を落さざるを得なくなり、それは長期的には得策ではない。日本企業が「品質」だけで中国企業に優位に立てる時代は、そろそろ終焉に近づいているのかもしれない。

Posted by Ken Kodama at 2007年01月15日 10:06
Comments

>sakura様

最近忙しく、コメントをいただいたのに今日まで気がつきませんでした。すみません。

こんなことを言っては中国の方に失礼かもしれませんが、中国人が「言い訳は許されない」なんて本を読んだらどうなっちゃうのでしょう(笑)。アイデンティティ・クライシスに陥っちゃうのではないかと。

香山リカはなんとワイドショーのメインストリームだったんですね!このブログは会社勤めのビジネスマンの暇つぶしとして機能しているようなので、直接的にはワイドショーの言説に汚染されることはないのでしょうが、奥様からの影響を間接的に受けているのかもしれません。

ブログのエントリーはますます少なくなってしまいそうですが、本年もよろしくお願い致します!

Posted by: 児玉 at 2007年01月23日 10:36

sakuraでございます(爆)。
昨年は、スピリチュアル・ファイナンス・ドット・コムを教えていただきありがとうございました。HPを拝見した感じでは他人とは思えない方だったんですが(笑)違うのはその経歴!
遅くなりましたがまずはお礼を・・・。

今年も何卒よろしくお願いいたします。

さて中国なんですが、2年前の上海では書店で“言い訳は許されない”というアメリカ陸軍士官学校でビジネスマン向け研修を担当している教官だか校長だかが書いた本が翻訳され、床から山積みでディスプレイ販売されており少なからず衝撃を受けた記憶があります。かの国の人々が歴史的に根性を入れ替えつつある(爆)過程かもと恐怖を覚えましたです。

香山リカ氏の言動がワイドショーの言論のメインストリームを占めているというなんとも奇妙な状況も含めて、そこここで生まれている“意味のねじれ”でめまいがしそうになります(笑)。
“二元性を超える世界”・・・については
「フロー体験 喜びの現象学」M・チクセントミハイ 
はいかがかと・・・、
私にとってこの本はとても重要な意味をもちそうです。

Posted by: sakura at 2007年01月19日 08:47
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