ようやく今週で、仕事に一段落ついた感があります。もちろん、仕事で忙しい最中にも読書をしていたのですが、最近読む本は、岩波文庫ばかり(笑)。アリストテレスの『ニコマコス倫理学』とかジェイムズの『プラグマティズム』とか。まさか、このような本を仕事のために読むことになろうとは、若かりし日には少しも想像だにしませんでした。こうした本を読む直接的なきっかけになったのは、以前ご紹介したバダラッコ著の『決定的瞬間の思考法』に影響されたからなのですが、『キャリア開発・デザイン』という分野は想像していた以上に深い!!!気がつくと、このテーマでの企業研修を数多くこなしており、自分でもより深い講義が展開できるようになったと自負しています。突き詰めれば、現代人がキャリアを考えるということは、人生哲学を考えるということなんですよね。だから、「幸福とは何か」「善とは何か」といった哲学的な問題を避けて通ることができず、アリストテレスまで紐解いている状況なのです。しかし、アリストテレスの文章はとても紀元前のものとは思えず、読んでいてほとんど違和感を感じません。
あと、ジェイムズの思想には大いに納得。「ビジネスマンにとって役に立つスピリチュアリティ」というのが目下の私の最大のテーマであり、「絶対的な一」みたいな概念も役に立てば真、とする彼の考え方には大いに共感します。ユーモアのツボも私に似ている感じがします(笑)。
で、今日は岩波文庫ではなくて、ロジャーズの下記著作からいくつか印象的な文章を引用しておこうと思います。
仕事柄、部下指導の「面接演習」という場面において、様々な方々の部下指導のスタイルを肌で体感させていただく機会が多いのですが、その際に頻発するのがコーチングスタイルの話法。そうした話法を活用すること自体になんら問題はないのですが、コーチングのスピリットは何かといえば、「相手の中にこそ答えがある」という思想だったはずであり、それはロジャーズのこの著作集に源流が見出せるのです。自分の落としどころに向けて、あたかも「罠」のような質問を張り巡らせるコーチングスタイルは、ロジャーズのスピリットとは大きく異なるはず。
ロジャーズのこの著作集の最初の論文で、いくつか印象的な文章が太字で記載されていたので、以下にいくつか引用して、本日のエントリーは終わりとしたいと思います。今日は「13日の金曜日」という不吉な日なので、美しい文章で悪魔祓いができれば、と想い引用いたしました(笑)。
(引用始)
『他者との関係において、私があたかも私自身でないかのように振舞っても、それは結局援助にはなりえない。
自分が自分自身に受容的に耳を傾けることができるとき、そして、自分自身になることができるとき、私はより効果的でありうる。
私が自分自身に他者を理解することを許すことができるならば、そのことはとても大きな価値を持つ。
他の人が私に自分の感情や私的な世界観を伝えるためのチャンネルを開いておくのは、実り多いことである。
他者を受け入れることができれば、多くのものが得られる。』
(引用終)