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2007年06月21日

社会保険庁と「データ突合」

新聞の1面記事をもとにエントリーを書くのは、何ヶ月ぶりのことであろうか?しかもカテゴリーは超久々の「IT」である(笑)。正直なところ、このブログのタイトルも「Book Review」とかにしないといけないかなーと思っていたのですが、タイトルの修正はなんか結構面倒くさそう。久々に「ニュースレビュー」を書くことができてほっとしました。

【社会保険庁職員の「良心」に関して】
IT的な切り口から考察する前に、やはり避けて通れないのは、彼等の「心」の問題。私も泥臭い事務的な仕事は経験しており、その経験上から考えると、今日のような騒ぎが発生することは、通常レベルの思考能力がある職員であれば、「お見通し」だったはずである。「基礎年金番号の入ってないデータをどうやって紐づけるのか?」こうした疑問は当然現場の職員に湧いていたはずであり、非公式なランチ等の場では語られていた問題であるはずだ。私も法人を持つ身である以上、社会保険事務所に出向くことはしばしばある。彼等のプロとしての知的水準の高さを考えると、こうしたバグに気がつかなかったと考えるのは不自然で、やはり「気付いていながら、しかるべきアクションがとられなかった」と考えるのが自然であろう。
また、彼等との日常的な接触から彼等の多くが国民の税金を食い物にしようと意図する「極悪人」でないことも知っている。当然、彼等の多くはこのような大問題が明るみに出て、いや明るみに出る前から、良心の呵責に苛まれ続けていたはずである。「社会保険庁職員はけしからん!」という単調な大合唱に私が加わる必要性は何もない。私の関心は、私があると信じる「良心の呵責」に対して、彼等の内面でどう折り合いをつけているかという点である。ひたすらこのような感情を抑圧し、責任は上層部あるいは「法」の不備といった「他責」で、自分は「善人」であると居直っているのか?あるいは、自分の子供からも質問を受け、自らが社会保険庁という組織の一員であることに「苦悩」しているのか?この騒動をきっかけに社会保険庁職員が「苦悩」し、ヨブのような道徳心が芽生えたとするならば、その点だけはポジティブに受け止めたい、というのが私の信条である。

【いかに効率的にデータを突合するか】
さて、今度は完全に問題解決モードに頭を切り替えたい。実はデータ突合
という問題に関しては、私は過去の経験上それなりの見識を有しているつもりだ。私のブログの記述内容が社会保険庁職員に届けて受け入れられば幸いだが、そうでなくとも、データ突合はどこの職場でもいつかは必ずぶちあたる問題である。その際に、私が過去の体験から得た以下の教訓を参考にしていただければ幸いである。

①データの内容に関しては、インタビュー内容を過信しないこと
過去SE的な仕事をしていたときの私が得た教訓だが、クライアントとのインタビューを過信しすぎてはいけない。経理システムは周辺システムとのインターフェースが一つの肝であり、周辺システムのデータの概要をベテラン職員からの口頭の説明を盲信すると、あとでしっぺ返しを食らうことになる。多くの場合、インタビューに答える職員に悪意はない。ただ、彼等は業務のプロではあっても、データを四六時中見ているわけではない。やはり、まずは自分の目で「生データ」を見ずして、データ突合プロジェクトはスタートし得ないのだ。インタビューを紙に残してそれにクライアントからのサインを得ることにより、システムベンダーとしては責任を回避できるかもしれないが、「手戻り」の発生によりお互いが嫌な思いをすることには変わりない。
まして、今回は更なる「怠慢」の根拠を見つけ出されまいと、社会保険庁職員が防衛的になってインタビューに応じることが予測される。「社会保険庁職員の供述内容を過信することなかれ。」

②ウォーターフォールは絶対だめ!
私は正直なところ、この時期でデータの突合にいくらかかるだの、何年かかるだのといった数字が一人歩きしていることが理解できない。確かにプロジェクトを開始するにあたって予算を見積もることは不可欠だが、これだけ膨大なデータ突合プロジェクトであれば、本プロジェクト開始に先立って予備調査の段階を設けることが不可欠である。
データ突合はゼロからシステムを構築するのとは訳が違う。様々な入力特性を持ったデータが既に存在するのだ。データを眺めているうちに、誤入力のパターンがいくつか発見できるはずだ。あるものはシステム的な変換をかませることで一発で解決できるであろうし、あるものはどうしてもマニュアル作業に依存せねばならない。
十分な予備調査の段階を経ずに、プロジェクトの金額規模が一人歩きしている点に私は税金を間接的に負担せねばならない一国民として、大いに危惧の念を覚える。なぜならば、こうした金額はかなり現時点でかなり多目に見積もられているはずであり、一度その金額が確定してしまうと、仮にコスト・リダクションの余地が後から発見できても、「当初の予算を消化しよう」という惰性から、税金が浪費されることが懸念されるからだ。
本プロジェクトの開始に先立って十分な予備調査の段階を設けること。また本プロジェクト開始後も当初策定した計画に過度にとらわれることなく、システム的に対応できる新たなエラーパターンが特定できたならば、都度プロジェクト計画を修正して新たなプログラムを開発するような、イタラティブなアプローチで対処することが望ましいと考える。

Posted by Ken Kodama at 2007年06月21日 09:31
Comments

書き込みいただきありがとうございます。
相互リンクに関してですが、当サイトでは他サイトへのリンクの欄を設けないポリシーにしています。こちらのコメント欄からのリンクのみということでご了承下さい。よろしくお願いいたします。

Posted by: 児玉 at 2007年07月09日 12:21

サイト管理者 様
突然のコメント失礼します。

『宅建 NAVI』というホームページを運営させて頂いておりますikusuと申します。素敵なサイトをお見かけしましたので、
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以上です。

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貴サイトの益々のご発展・ご繁栄を心より願っております。


宅建 NAVI(http://takkenn.biz/) 管理人ikusu

Posted by: ikusu at 2007年06月29日 09:35
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