約10日前の日経新聞のトップを飾った記事である、確か。以下はNIKKEI NETのリンク先を掲載しておきます。
(11/8)オリンパス、ベトナムにデジカメ工場・中国集中見直し
私なりの言葉で記事を要約すれば、オリンパスが中国の人件費高騰等を背景に、中国にある2箇所の工場のうち1箇所を閉鎖し、その代わりにベトナムに生産工場を新設するとのことである。ちなみに、このような海外生産拠点の移管の動きはオリンパスだけに限定されたことではなく、従ってこれから私が述べることは、オリンパスという個別企業に対する批判であるつもりは毛頭ない。この記事を読んで想起した私の想いをベースに、より普遍的な「日本企業に対する批判」あるいはもっと普遍的に「企業活動に対する批判」を展開したいというのが、私の意図である。
この記事を読んだときに、私の頭の中で「連想」したのは、例えばゴーン氏が日産の村山工場の閉鎖を決断したときの「世論」であったり・・・あるいは、敵対的買収の動きに対して「雇用の死守」というお題目を掲げて、買収防衛策を発動する多くの企業の動きであったり・・・敵対的買収者の誰一人として大幅な人員削減など、声高に叫んだことはないのに・・・
一方で、中国の人件費高騰が懸念されるから、ベトナムに生産拠点を移すというのは、中国の工場で働く従業員を「モノ」とみなしているからこそ、なし得る決断である。「モノ」は価格があがれば、代替品を探さねばならない・・・しかも、中国への生産拠点移管の動きは、2000年前後にはじまったつい最近の出来事である。もし、ある外資が日本で工場を建設して、10年もたたないうちに閉鎖したとしたら、マスコミはどのような論調で記事を書くのであろうか?あるいは、アメリカやEC諸国といった先進国で、このような短期間での生産拠点移管をなし得る程、日本企業の経営陣の腹は据わっているのか?
終身雇用は、日本的経営の一つの美徳であると考えられている。日本の美しさを守るためには、外資からの敵対的買収には何がなんでもNOという。しかし、終身雇用という美徳を、日本人以外の従業員にも享受させようと考える経営者はごくごく少ない。
日本国外にあっては、「生産拠点の移管」というサラリとした表現の経済合理主義に基づいて行動し、日本国内にあっては「従業員第一主義」を掲げて行動する日本企業。これは明らかに二枚舌である。もちろん、企業活動は、慈善事業ではなく、食うか食われるかの厳しいビジネスであり、「二枚舌はダメ」みたいな小学生に対する教訓を企業経営者に説いたところで、一笑に付されるのみである。企業経営には確かにマキャベリ的な狡猾さも必要であり、二枚舌の効用も認められるところである。
しかし、今後グローバル化の動きがますます加速化していくことを鑑みると、このような大胆かつ単純な二枚舌は命取りともなりかねない。まずは、矛盾に満ちた企業活動の諸側面の自己認識を深めることが、企業経営者にとって不可欠なのではないかと思う。そして、そのためにはマスコミの「グローバルな観点からみて客観的な記述」が不可欠となる。鈴木敏文氏によれば、客観とは「一歩ひいてみること」であり、これは実に名言であると思う。残念ながら、日経新聞には「一歩ひいて物事を見るスタンス」が希薄であるように思える。
マスコミと協同歩調で真にグローバルな観点から自己認識を深められれば、日本企業の未来は明るいと思う。
>nara様
ご無沙汰しております。最近はmixiはログインすらしていない状況です。(^_^;)
中国の労働法制は門外漢ですが、派遣(外国人も含めた)の動きは気になりますね。一度派遣の道を歩み始めてしまうと、正社員への登用は至難に業ですし、亀山工場は外国人の派遣労働者にかなり冷たかったようですね。一言で言えば「閉鎖的」なのが日本企業文化。ただ、景気も上向き始めて人手不足の動きもちらほら出てきているので、これが派遣労働者の正社員化を促す方向で働けばいいなーと思っています。
度々ながらご無沙汰して居ります。
労働者に関しては、中国の労働法制がどうなっているかがカギでしょうか。
ただ、日本国内で従業員第一主義かどうかは最近怪しくなってきました。どこの職場も派遣だらけですし。
例えば、シャープの亀山工場とかは工場の労働者の殆どが派遣ですし(その為に宿泊施設まで作ってる)…