2006年12月25日

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コンビニATM無料化の「捕虜」にならないために

職場からご閲覧いただいているサラリーマン皆様。私もまだまだ働いておりますよ(笑)。昨日はバカップルがペア席でいちゃいちゃしているマンガ喫茶で、一人キーボードを激しく叩きながら、レポートの作成に追われていました(笑)。
今日は久々にFPがらみのネタで。本日の日経金融新聞によれば、「三菱東京UFJ銀行が来年3月、コンビニATMの顧客手数料の無料化に踏み切る(引用)」とのこと。これは金額ベースで「年間50億円の『顧客還元策』になる(引用)」とのことで、一見預金利用顧客への大盤振る舞いに見える方針である。しかし、この50億円の減益要因を、三菱東京UFJ銀行はコスト削減により吸収しようとはつゆほども考えていないはずであり、失った50億円は預金顧客から別の手段で取り戻そうと考えているはずである。
というのも、同様の手数料無料化戦術により好感度ナンバーワンに躍り出た私が個人的に嫌いな「あの銀行」は、おびき寄せられた預金客にデリバティブを駆使した「ハイリスク預金商品」を売りつけることにより、高収益をも維持している前例があるからである。個人顧客は手数料無料化という大盤振る舞いを「個人顧客重視」のサインと受け取り、また高金利の預金商品をも「個人顧客重視」と受け取ってしまう。これがいかに浅薄な知識に基いた判断であるかについては、下記の2つの過去エントリーをご参照されたい。

高い金利には要注意!

俺の話を聞け~♪

このような顧客獲得の手段としてのATM無料化の動きは、金融の世界にも一般のリテールビジネスのマーケティング手法が浸透してきた結果であるとみることもできる。そのマーケティング手法とは、コトラーの教科書ではキャプティブ・プライシングと呼ばれ、これに関するエントリーは下記をご参照されたい。

携帯電話とキャプティブ製品の価格設定

なぜトヨタではガソリンを売っていないのか?

ここで、金融機関の個人顧客としての我々が気づいておかねばならないのは、通常の預金という「先発品」を購入(使用)することと、例えば外貨預金や特殊な定期預金等のハイリスク・ハイリターンの「後発品」を購入することは、別個に意思決定できる自由を持っているという点である。かみそりと替え刃、プリンターとインクは同じメーカーの純正品を使用しないことには、製品を使用することすらできない。しかし、ATM無料の預金を使用したからといって、同じ銀行で猫だましのような高金利商品を購入せねばならない義理はない。
つまり、ATM無料化という戦術は、後の個人顧客へのハイリスク・ハイリターン・高手数料の商品の押し込み販売という戦術とセットで考えるならば、「個人顧客の合理性」というものを否定した、言い換えれば「我々個人客がばかである」との前提にたった戦術であるともいえる。
先にも述べたように、こうしたプライシングは金融以外の世界では日常茶飯事であり、当たり前の話ではあるが違法性などは全くなく、私が批判するのは、私の主観的な好みだけの問題である。私が気がかりであるのは、(1)比較的透明性の高かった金融商品の価格の透明性が失われつつあるように感じられること、また(2)1億人の日本人が果たしてこれらの金融機関の期待するように、経済的に非合理的な行動をしてくれるのか、ということである。
そんな中、「提携銀行の顧客の利用回数に応じて銀行側から手数料を受け取るビジネスモデル(引用)」を採用する、セブン銀行はしたたかである。105円を節約したいがために銀行で数分並ぶせこい私も(笑)、三井住友銀行が同様のATM無料化に踏み切ってくれたならば、迷うことなく最寄のコンビニで預金を引き出すことになるであろう。来年3月以降のセブン銀行は大幅な収益増が期待できるということにとどまらず、近い将来にはATM無料化戦術は三菱東京UFJ銀行の店舗戦略にもなんらかの影響を及ぼすはずである。セブンイレブンは自社がなすべき領域がはっきりと見通せている企業である。コリンズが下記の著作で使用した「針鼠」という概念を、非常によくわきまえた企業であるともいえる。

それに比べて、最近の多くの金融機関は、例えば地銀がREITへの投資を増加させたりと、針鼠のスピリッツを忘れちゃーいませんか?心当たりがある方は、年末こたつの中で上記の著作を読んでいただければ得るものがあると思いますよ!!

Posted by Ken Kodama at 09:52 | Comments (0)

2006年08月30日

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バンガードの方針転換

8、9月は忙しく、すっかりと執筆が滞ってます。色々と「書く」ことが多く、正直なところこれ以上「書く」ということを想像すると、吐き気を催してしまいそうな、そんな感じです(笑)。が、標題のバンガードの方針転換に関する昨日の日経金融新聞の記事はなかなか興味深かったので、書きながら考えを深めてみたいと思います。

私がなぜ、バンガードなどという会社に着目しているかといえば、それは一重に下記の著作ゆえです。

これはバンガード社というアメリカのインデックスファンドを主体とする投信会社の初代の社長ボーグル氏の手による著作です。ずいぶんと分厚い著作ですが、文体はなかなか平易で、ハートのこもった文章で、資産運用をメインとするFP業を営んでいる人は絶対に読まねばならない本だと思っています。
分厚い本ですが言っていうことは極めてシンプルです。すなわち「効率的市場仮説は成立する」と「コストは悪である」の2点につきます。前者の「効率的市場仮説」についてメンドーなことを大幅にはしょってごくごく簡単に説明すれば、「株を買うならインデックスファンドが一番」ということです。情報が瞬時に伝わる「効率的」な株式市場において、他者を出し抜いて市場平均を上回る高パフォーマンスをあげ続けることなど、不可能であるということを、この本はアメリカの様々なデータを使いながら立証しています。
「市場平均を上回ることなど不可能である」という仮説が真なら、そのもとでの最も正しい戦略は「(1)市場平均に近いインデックスファンドを保有し、(2)コストが低いファンド選ぶこと」になります。そして、この理論にのっとって、良質かつ低コストなインデックスファンドを販売してきたのがバンガード社なのです。彼らのビジネスモデルは、効率的市場仮説を基盤として、実に理路整然として組み立てられているわけです。
彼らにとって「コストは悪」なわけですから、必然的に販売チャネルも余分な中間業者の介在する余地のない直販が主流を占めるわけです。で、ようやく「方針転換」の話題に入れますが、そんなバンガード社も日本でいうところのFPのようなファイナンシャル・アドバイザー(FA)との連携強化に動き始めたというのが、バンガード社の方針転換なのです。こうした方針転換の背景には2つの変化があると、現CEOのブレナン氏はインタビューに答えています。

(引用始)
『これまでノーロード投信を購入してきた当社の顧客も、老後の生活資金の確保などを迫られ、資産運用の助言へのニーズが高まっている。』

『証券会社やFAは、(売買時に発生する手数料であるコミッションから)顧客の預かり資産をもとに、フィーを徴収する料金体系に移行しつつある。』
(引用終)

前者の助言へのニーズということで私の思うところをいえば、例えば日本でノーロードのインデックスファンドを買う人というのは、ネットでの書き込み等を見ると、以外にファイナンシャルリテラシーに乏しい人々であるということに気がつかされます。どういうことかというと、彼らは「手数料ゼロ」ということだけにひかれてノーロードファンドを購入しており、効率的市場仮説などお構いなしです。ですから、「彼らが安いと思うところでノーロードインデックスファンドを買って、高いと思うところで売り抜ける」という、いわゆる短期売買のマーケット・タイミングを行っているのです。こういうタイミングが分かれば「1億皆億万長者」というユートピアが誕生するわけですが、もちろんそんなことはなく、結局マーケットタイミングの失敗で、焼けどを追っている人々が多いのです。
また、海外の市場へのアクセスが容易になり、REITや商品ファンドのような新分野が徐々に大きくなりはじめると、効率的市場仮説信奉者といえど、全資産をTOPIX連動ファンドにぶっこむという単純な手法では、様々なチャンスを逃すことになるわけです。したがって、効率的市場仮説をベースとしたアセット・アロケーション行うことが不可欠となるのですが、残念ながら、ここまで理論的な基盤を理解するにはなかなか時間がかかり、プロの助言が大いに有効となるわけです。
手数料体系についていえば、買ったときに手数料が発生するコミッションは、売り手に回転売買を顧客に勧めてしまうインセンティブがどうしてもぬぐえず、顧客とFAの間で利害の対立が生じてしまいます。そこで、預かり資産残高ベースの手数料体系に移行すれば、顧客の利回りが若干減少するという点は確かに否めないものの、それでも顧客の資産が増えることは、顧客にとってもFAにとってもハッピーなことですから、利害の対立が生じにくい仕組みであるといえます。
このような2つの変化を察知し、バンガードがFAを重要なパートナーとして認めるチャネル戦略を展開しはじめたことは、賢明な投資家にとっても、またFAにとっても歓迎すべき動きだと私は思っています。
で、日本はどうか?私も当初は証券仲介業者として登録することを検討していたのですが、現段階では見送っています。というのも、証券仲介業者の手にできる手数料の取り分はごくわずかであり、かなりの資産残高を抱える富裕層を顧客にとりこまないことには、ビジネスが成り立たないからです。3~40代の資産形成期にあるお若い方こそ良質のアドバイスを必要とするのですが、そうした方の資産残高は証券仲介業者に適正な利潤をもたらすほどには十分ではなく、この既存のビジネスモデルを使って、資産残高の少ない顧客とFPのWin-Winは構築できないと私は考えています。
でも、イノベーションの余地はあるはずです。金融機関がこぞって富裕層に狙いを定めるのは、まさしく発想の貧困であり、また浅ましくさえ思います。では、どんなイノベーションがあるのか?少なくとも執筆している40分の時間内では、私の頭にアイデアは飛来してきませんでした(笑)。

Posted by Ken Kodama at 10:25 | Comments (0)

2006年07月18日

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ミニ日経平均 ~利用すべきか否か~

本日の日経新聞5ページには、ミニ日経平均先物なるものが本日から大証に上場される旨が紹介されている。久々に、個人向け金融商品というカテゴリーで、私の執筆欲を書き立ててくれる金融商品である。
朝、電車の中でこの記事を読んだときの私の直感的な意見は「こんな金融商品、個人が手を染めたらアカン」というものだった。なぜって投機色が強く、ますます個人投資家が投機家に変貌するのを助長する側面以外にないように思えたから。
しかし、涼しい気温の中、頭をクールダウンさせて考えてみると一概にそうともいえないのではないかという気になってきた。その理由の一つは、大分昔に書いた「外為証拠金取引」の利用法とのアナロジーからである。

「外為証拠金取引」とどうつきあえばよいのか

上記のエントリーで書いたように、外貨預金の手数料は依然として馬鹿高いが、外為証拠金取引は競争が働きかなりの低コストとなっている。ならば、レバレッジを過度に取りすぎることのないように注意すれば、外為証拠金取引は外貨預金の代替として機能し得る。これと同様にミニ日経平均をETF等の日経平均連動ファンドの代用として使えるかもしれないと思ったのだ。しかし、ノーロード(販売手数料ゼロ)の日経平均連動のファンドなども存在し、ミニ日経平均の手数料体系は詳しくしらないが、ミニ日経平均がコスト的に「大幅に」優位に立つということは多分ないであろう。
第二の理由は個人投資家のポートフォリオのヘッジ目的のために、ミニ日経平均が使えるのではないかと考えたためである。従来の日経平均に比べて売買単位が10分の1に引き下がるのだから、少額のポートフォリオのヘッジにも使い勝手がよくなる。しかし、デリバティブを個人投資家のヘッジ目的に使用するにあたって、最大のネックとなるのが「税制」である。現時点で、現物株式の損益と先物取引の損益は通算できないため、そもそもデリバティブを使用したヘッジ取引を個人が実施するインセンティブは大いにそがれてしまう。
ETFの代用とするほどのコストメリットは考えにくく、ヘッジ取引には税制のネックがある・・・ということは、やはり私の直観はあなどれず、「良識ある」個人投資家にとっては、現時点では手を出しづらい金融商品であるというのが、とりあえずの私の本日時点での結論。また、追加情報等により考えが変われば、追記していきたいと考えています。

Posted by Ken Kodama at 10:29 | Comments (0)

2006年01月27日

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投信がライブドア株を買うという「唖然」

冒頭にですが、昨日Kiefer様よりコメントを頂いたのですが、そもそも株式分割のなにが問題なのか、私の説明不足も相俟って、分からないという方も多いと思われます。そのような方のために、もう一方のブログで執筆した『やさしい株式分割の話』という連作が参考になるかもしれないため、URLを下記のご紹介しておきます。

金融ニュースの「行間」を読む

さて本題。本日の日経新聞においても、ライブドア株への投資による投信の影響が若干記述されていたが、日経金融新聞では、スクランブル欄で『ライブドア株に揺れる投信』と題した特集が組まれていた。投資信託にはアクティブ運用パッシブ運用の2種類がある。パッシブ運用はインデックスに連動するように銘柄選択をあえて行わないものであり、アクティブ運用はインデックスを上回ることを目的として、どの銘柄をピックアップするかがファンドマネージャーに委ねられ、アクティブ運用ファンドの運用者はその対価としてインデックスファンドより高い信託報酬を得ることとなる。ライブドア株を購入していたファンドが中小型株を対象としたインデックスファンドであるならば、そのファンドがライブドア株を組み入れるのは仕方がない。逆に組み入れていないのであれば、それは投資方針に外れた運用を行っており、それはそれで問題である。
しかし、銘柄を主体的にピックアップするアクティブファンドがライブドア株を積極的に買っていたのであれば、それは大きな問題であると思う。もちろん、容疑の引き金となった偽計取引や粉飾決算を事前に見抜くことを求めるのはかなり酷な話である。しかし、ホリエモンが「株主の皆様のために・・・」といった趣旨の発言を連発しながら、実は自社の株主を徹底的に舐めきっていたことを見抜くのは、若干の知識があれば朝飯前である。ロイターやブルームバーグの端末などから遠ざかってしまった、自称「隅の老人」である私ですら、開示文書からライブドアの「株主軽視」を読み取ることができるのである。ライブドア問題は様々な方面に波紋を投げかける。もしかしたら、日本ではほとんど語られることのなかった「投資信託のガバナンス」という問題にメスを入れるきっかけとなるかもしれない。
さて、新聞の社説ばりの単調な正論はここまでとして、面白い話をお披露目しましょう。ソースはボーグルの『インデックスファンドの時代』。この著が、私のようなインデックスファンド信奉者のFPのバイブルとなっていることは、いまさら説明するまでもないが、実はインデックスファンドのパフォーマンスがアクティブファンドのパフォーマンスに及ばない領域というものが、データを見る限り存在する。それが、数年前までのライブドアのような企業がくくられれていた小型グロース株のカテゴリーである。同著は株式ファンドを「①大型②中型③小型」と「(A)バリュー(B)ブレンド(C)グロース」の3×3の9つのクラスターに分類した上で、それぞれのカテゴリーのインデックスファンドとアクティブファンドのリスク調子後リターン(リターンからリスクを引き算することで求められます)を比較している。するとある一つのクラスターを除いて、インデックスファンドの優位が確認されるのであるが、その優位が確認できないのが小型グロース株なのである。ボーグルもこの結果に当惑し、『このファンド・グループのサンプル数が比較的少ないこと、あるいは検証対象が特定の期間であることから、単にデータの異常値のせいかもしれない(引用)』と述べるにとどまっている。
William Bernsteinの"The Intelligent Asset Allocator"はさらに一歩進んで、こうまで言い切っている。

(引用始)
"small-cap growth stocks have poor long-term returns, and it is probably wise to avoid investing in this area, active or indexed."
(引用終、「小型グロース株のリターンは長期的に見れば魅力的ではなく、このエリアへの投資はインデックスであれアクティブであれ避けるべきである」)

両者とも過去のデータに基づいた結論であり、その「なぜ」に対しては明快な切れ味を欠いている。もちろん、私も彼等にかわって仮説を提供しうるほどの見識もないが、「ライブドアのようなトンデモ企業がいるから」というのも一つの説明になるかもしれない。アセットアロケーションの観点からはアセットクラスを増加させることはリターン増加にとてもリスクの減少にとってもプラスの働きをもたらし、したがって小型グロース株も投資の検討対象として有力であるが、私の個人的な意見としては、この領域への投資を考えるのであれば、優れたファンドマネージャーのいるアクティブ・ファンドを使うか、あるいは自ら徹底的に企業の戦略を分析して銘柄選択を行うかの二者択一であるかと考えている。

Posted by Ken Kodama at 10:07 | Comments (2)

2005年09月21日

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「REIT」を保有することは「不動産」を保有することと同義なのか?

基準地価に関する報道が本日の日経新聞の一面を飾りました。東京23区は15年ぶりの上昇で、大阪などの大都市圏も底入れ感が広がるとの、明るい見出しがついています。そして、日経新聞3ページには、こうした状況を金融面から後押ししたのがREITであるとの記事が掲載されています。
REITとはReal Estate Investment Trustの略で、不動産に対して投資する投資信託のことです。ヤフーファイナンスで「投資法人」というキーワードで検索すると、東証と大証合わせて25銘柄が表示され、いずれも100万円以下の金額で売買できることが分かります。さて、では地価の回復の兆候が鮮明になってきた今日において、REITを購入すれば、地価上昇の恩恵に与ることが可能なのでしょうか?
REITとは小口資金を集めて不動産を購入し、購入物件を賃貸に回して得た賃貸収入から諸経費を差し引いた残余を配当として分配する金融商品です。地価と賃料の動きは連動しているので、確かにREITを保有すれば地価上昇の恩恵に与ることが可能となります。しかしREITの価値を決めるのは保有している不動産だけではなく、実はマネジメント能力も重要な要素となっているのです。
REITのマネジメント能力とは具体的にはこんなことです。例えば、いくら魅力的な物件を保有していても空室率が高ければ、賃貸収入は減少してしまいます。つまり、営業力がREITのマネジメント能力の一つであるといえます。また、賃貸収入が潤沢であっても、物件管理が効率的に行われていなければ経費がかさんでしまい、その結果配当は減少してしまいます。つまり、コストコントロール能力も問われるわけです。こうしてみてくると、なんだか株式会社の経営と似ていませんか?REITの価値は、保有する不動産の価値とマネジメント能力に依存することから、「REITは不動産と株式の中間の金融商品である」といわれることもあるのです。
さらにREITへの投資を考えていらっしゃる方は、株式や債券とあわせた投資配分、すなわちアセット・アロケーションの観点から、全体的な投資比率を決定した上で投資を行うべきでしょう。
・・・とこんな内容を、某社の11月と12月の資産運用のレポートとして丁度執筆している途中だったので、本日のエントリーはその内容のごく一部の内容を拝借しました。

Posted by Ken Kodama at 11:11 | Comments (0)

2005年09月14日

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俺の話を聞け~♪

本題に入る前に(最近このパターンが多いですが)、最近、先月の入院体験を期に早めに帰宅するようにしており、そのおかげでロンドンハーツをよく見てます。見ている方には「いまさら」といった感じでしょうが、昨日見て感じたことを書き留めておきたいと思います。

・飯島愛はやっぱり頭がよい。
・杉本彩は深い。
・梨花の面白さはハンパではない。
・青田典子とカラオケをご一緒してみたい(笑)(昨日のネタで失礼!)
・亮は驚くほど使えない。

とまあ、ある程度私が想像していたことを裏付ける展開だったのですが、一つだけ不協和音が響いたのが国生さゆり。彼女は、あのキャラ、かなり無理してますね。食うために無理矢理キャラをかえた成功例として思い出すのが小川直也。プロレスラー転向当初、いかにぎこちなかったことか。国生さゆりはあれほどしないといけないんですかね?彼女が昨日途中で吐いた名言は「はんこは責任で押すもの」。そう、こういう人なんだよ~、国生さゆりは。今なら、まだ後戻りがきくと思うんですが・・・

さて、ようやく本題ですが、銀行が満期を決めるタイプの定期預金が広がっているとの報道です。これだけでは分からないと思うので、どういう定期預金なのか、NIKKEI NETの記事を引用しておきましょう。

(引用始)
『この新型預金は「4年か8年」「5年か10年」といった形で満期を複数表示しているのが特徴。一定期間後に銀行が満期を決める。預金者は決定権がないことのいわば代償として、目先は通常の定期預金より高めの利息を受け取れる。超低金利が続けば有利だが、原則として中途解約はできない。金利が上昇した場合は預けたお金をほかで運用できなくなるといった不都合が出てくる。』
(引用終)

このタイプの定期預金に関しては、私は否定的な見解を持っており、その理由については、下記のエントリーで既に詳しく述べたので、タイトルを『俺の話を聞け~♪』としたのです。

高い金利には要注意!

私だけではなく、このタイプの定期預金のリスクについては吉本佳生氏著の『金融広告を読め』でも分かりやすい文体で詳述されているので、運用を検討中の方は一歩踏みとどまって読んでみて下さい。銀行が満期を決定するタイプの預金には、①満期を短縮されてしまうタイプ②満期を延長されてしまうタイプの2つがありますが、後者の方がよりリスクは高く、後者の商品を積極的に販売して、銀行好感度ランクでなぜか上位にランクインしてしまうのが、「あの銀行」です。
本日は視点を変えて、なぜ人はこのタイプの預金に魅力を感じてしまうのか、という点について考えてみたいと思います。その答えの1つは「元本割れさえしていなければ、損失を被っていない」と考えているからです。このタイプの定期預金は中途解約さえしなければ、確かに元本割れのリスクはありません。でも、金利が上昇してしまえば、本来稼げたはずの利息を稼げなくなってしまいます。また、より重要なことは、いくら元本が確保できたとしても、物価が上昇していたら実質的には損をしているということに、多くの方は気づいていらっしゃらないのです。モノが買えてこそのお金なのですから、損得勘定を元本との乖離だけで考えるのではなく、物価との関わりからも考えるようにマインドを変えることが重要なのです。
さらに金融機関のマーケティングの巧妙さにだまされているふしも見られます。「あの銀行」のサイトで商品の概要を見ると、満期を延長されてしまった後に適用される金利を当初より若干高めに設定することで、満期の延長が預金者にとって苦でないかのようにアピールしています。
「あの銀行」の商品は、これだけではなく住宅ローンも外貨預金も、私であれば絶対に手を出さないタイプのものばかりなのに、なぜか好感度ランキングでは上位を走っています。商品を開発した当の本人も絶対に自己資金をつっこんでいないと思います。
まさに「歴史は繰り返される。」しかし歴史は繰り返すがゆえに、FPという仕事は意味をもつのだということを改めて認識した次第です。

Posted by Ken Kodama at 19:09 | Comments (0)

2005年07月11日

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毎月分配型ファンドの注意点

本日は新聞休刊日のため先週の木曜日の日経金融新聞をネタにさせていただきます。先週の水曜日に「ニッセイ/パトナム・インカムオープン」というファンドを当サイトでとりあげましたが、偶然にも、その翌日の日経金融新聞では、大和総研資産運用戦略部長の松原英人氏による『毎月分配型の問題点』と題するコラムが掲載されました。タイトルが「毎月分配型」と決め打ちしていることから、私が取り上げた「ニッセイ/パトナム・インカムオープン」とは異なるファンドが念頭にあるのではないかと思うのですが、氏の問題意識と私の問題意識は同根にあると思います。
どのようなファンドであれ、そのファンドの仕組みを承知の上で購入しているのであれば、全く問題ないのですが、グロソブやパトナム・インカムほどに人気が出てくると、「人気があるからいいファンドなんだろう」という理由だけで購入するDQN投資家の方もかなりいることと思います。私も社会人1年生の頃は、「あのファンドいいらしいよ」という根拠のない口コミを信じるDQN投資家でした。これだけ人気になった「毎月分配型ファンド」を購入しようと考えている人は多くいると考えられ、そうした方に一歩踏みとどまって判断の支援材料にしていただくべく、本日のエントリーを執筆したいと思います。毎月分配型ファンドを購入するにあたってのチェックポイントを以下に記しておきたいと思います。

【①あなたのライフステージと合致しているのか?】
一般的にいえば、グロソブは多少ゆとりのあるシニア層に適した商品だと思います。比較的リスクを抑えた運用をしながら、毎月のファンドの儲けに関わらず安定した分配金を出してくれて、年金の足しになるからです。これは裏返せば、現在若い方で将来の老後資金の形成のために運用を検討している人にとっては、グロソブは適していないということです。なぜなら、より高いリターンの株式は一切組み入れられていませんし、毎月の分配金を再投資に回さないで現金で受け取っていたのでは、複利運用の恩恵に与ることができず、資産の増え方が少なくなってしまうからです。ライフステージやリスク許容度といった観点から、投資家本人にマッチしている商品であるのかどうかを、まず検討する必要があります。

【②分配金の額はファンドの儲けに対して適切に設定されているか?】
いわゆる、「毎月分配型」と呼ばれるファンドの分配金は毎月ほぼ同額の安定した額に設定されていることが多いですが、これは分配金の原資となるファンドの儲け自体が安定していることを意味するのではありません。ですから、分配金の原資となるファンドの儲けと、分配金の大小のチェックを行ってみることは有意義です。
一般に投資の収益は配当や利息収入等のインカム・ゲインと売買益のキャピタル・ゲインの2者から構成され、ファンドとてそれは同じことです。ただし、ファンドの投資家の儲けを考える場合、ファンドの運用を行う人への報酬である信託報酬を差し引いて考えねばなりません。
これらの情報はファンドの運用報告書から入手することが可能です。以下に2つのファンドの運用報告書のリンク先を掲載しておきます。

グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型) 運用報告書

ニッセイ/パトナム・インカムオープン 運用報告書

グロソブの儲けと分配金の情報は、運用報告書の23ページに過去6ヶ月分の情報が記載されています。過去6ヶ月の儲け(配当等収益 + 有価証券売買損益 -信託報酬等)の合計額は、約815億円であるのに対して、分配金の合計額は1,165億円で、儲けより分配金が多い状態です。ということは、過去6ヶ月に限定してみれば、分配金の約70%の部分のみしか、儲けに裏付けられていない、ということができます。
パトナム・インカムの同様の情報は運用報告書の33ページに記載されています。3ヶ月決算型のため2期間の情報しかありませんが、2期間の儲けの合計額は約△89億円で損失ですが、分配金の合計額の方は約232億円で、過去2期間に限定すればファンドの儲けという裏づけがないのに分配金が支払われているということができます。

【③分配金が過大である場合、過去の蓄えの裏づけがあるか?】
②で見たように、ファンドの儲けを上回る分配金が支払われている場合は、その分配金の原資として過去の儲けの蓄えがあるか否かをチェックしてみる必要があり、それはファンドの貸借対照表によりチェックできます。
グロソブの運用報告書の31ページにはファンドの貸借対照表があり、第26期末の繰越損益金は約8,717億円であり、さきほどファンドの儲けに対して過大であった分配金は、過去の儲けの蓄積の取り崩しであると考えることができ、これは健全な姿です。
ところがパトナム・インカムの運用報告書の35ページを見ると貸借対照表には繰越損失が計上されており、過去の蓄えの裏づけもないことから、同ファンドの分配金は完全な元本の取り崩しである、ということができます。

では、なぜ期間の儲けの裏づけもなく、過去の蓄えの裏づけもない状況で分配金を支払うことができるのか、ということが日経金融新聞のコラムに書かれているのですが、これはファンド計理の仕組みに深く関わることで、私の筆力で分かりやすく噛み砕くことは不可能なので省略させていただきます。興味のある方は、金融新聞のバックナンバーをおとりよせ下さい。
現在儲けがでておらず、過去の儲けの蓄積もなく、ただ元本を取り崩して分配金を支払い、かつ信託報酬まで取られるファンドが人気ファンドであるならば、それは表面的な分配金の金額に幻惑されている可能性が大きいと言わざるを得ません。今年のボーナスは概ね好調のようですので、資金運用のためのファンド選びにはくれぐれも慎重な判断をお願いしたいものです。

Posted by Ken Kodama at 16:25 | Comments (0)

2005年07月06日

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私には全く理解できないパトナム人気

パトナム・インカムオープンというファンドの純資産高が1兆円台にのせたとの報道です。

(引用始)
ニッセイアセットマネジメントは5日、同社の主力投資信託である「ニッセイ/パトナム・インカムオープン」の純資産残高が4日現在で1兆円台に乗せたと発表した。国内株式投信(上場投信除く)で1兆円ファンドが誕生するのは2002年10月以来、2年9カ月ぶり。
(引用終)

このブログも最近、コンスタントに集客をし始めたため、あまり敵をつくるような個別商品に対する批判的な発言はしたくないのですが、この熱狂ぶりにはファイナンシャル・プランナーとして警鐘をならさねばと思い、少し勇気を出して執筆することに致しました。ま、人気絶頂なんですから、一人くらい文句つけたところで、痛くも痒くもないことでしょう。
まず、この商品の概要を簡単に説明しておきましょう。このファンドより更に残高の多い、グロソブと比較してみると分かりやすいと思います。パトナムの投資対象はアメリカの債券のみですが、グロソブはアメリカに限らず世界各国の債券を組み入れています。そして、パトナムは、比率は少ないもののリスクの高い高利回り債も組み入れていますが、グロソブは高格付けのものだけです。両者ともに為替ヘッジを行っていませんから、為替の変動によるリスクを被ります。この時点で既にリスクという観点からは、グロソブに軍配が上がることに気づいていただけると思います。なぜなら、グロソブは世界各国の債券に投資しますから、為替リスクが分散投資により小さくなります。また、信用リスクという観点からも、グロソブは高格付け債券に限定していますから、やはり小さいのです。
グロソブと同じ点は、定期的に分配金をもらうことができるという点です。グロソブは毎月分配型が人気ですが、パトナムは3ヶ月分配型です。そして、両者に共通している点は儲かっていても儲かっていなくても、定額に近い分配金を出すという点です。
さて、ではパトナム・インカムオープンの運用実績をモーニングスターのサイトで見てみましょう。下の方にある『トータルリターン四半期履歴』というところを見ていただければ一目瞭然ですが、上がったり下がったりでリターンは大幅にぶれ続け、まさしく「リスクが高い」ということをそのまま物語っています。そしてニッセイアセットマネジメントの月次のレポートでは足を引っ張っているのは為替レートのせいでドルベースではパフォーマンスがいいんですよ、と右上の方に細かい字で言い訳しています。
注目していただきたいのは、その下にある分配実績です。先ほどモーニングスターのレポートで、このファンドの儲けは安定していないことを確認しましたが、分配実績は一貫して100円前後と安定していることがお分かりいただけると思います。タイトルには「全く理解でいない」と書きましたが、実はここが人気の秘密なのです。特に日本人は、定期的におこづかいをくれるような金融商品が大好きなのです。これほどリターンが安定しない商品がこれほどの人気を得る理由は、ここにしか見出せません。しかし、私が若干危惧するのは、儲けが出ていない場合でも分配金を出すという仕組みを理解していない人がいるかもしれないという点です。つまり「分配金が安定している」というのを「リターンが安定している」ということと勘違いしていないか、ということです。
私は、個人投資家をバカにしすぎているでしょうか?では、パトナム・インカムオープンを購入した人は、皆そこそこに賢く、そんな仕組みは百も承知だとしましょう。その場合、この商品のリターンを動かす最大の要因は為替レートの変動なのですから、この商品を購入する人々は将来的にドル高を予想している、ということになるでしょう。確かに、昨日の日経新聞では右肩上がりのグラフとともに「ドル独歩高 鮮明に」の見出しが躍りましたが、このドル高傾向が続くことに賭けるというのも中々の度胸がないとできないことです。先が読めないのが為替相場なのですから。
このファンドの購入者は表面的な分配金の安定に幻惑されている人なのか、あるいは為替リスクの変動に賭ける博打好きかなのかといえば、やはり前者でしょう。ちゃりんちゃりんと入ってくるお小遣いに魅力を感じるような人は、為替リスクでぎったんばっこんする状態に耐えられないはずで、この商品に対する理解が不足しているとしか、私には考えられません。販売先には銀行と証券会社がずらりとならんでいますが、どういう売り方をしたのか気がかりです。

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2005年06月23日

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オルタナティブ投資とは???

三菱信託から個人向けのオルタナティブ投資投信が発売されるとの報道です。「オルタナティブ投資」ってあまりぴんとこない方が多いと思うのですが、一体なんなのでしょう?
Alternativeを辞書でひくと「代替的な」とか「二者択一」とかでてきて、ますます訳が分からなくなります。実は、このオルタナティブという言葉は、私が知る限りでは、音楽の世界で早くから使われていました。Alternative Musicといえば例えばYanni(アメリカ版喜多朗みたいなシンセサイザー奏者)とかJean-Luc Ponti(ジャズ・バイオリニスト)といった、別の言葉で表現すれば「ニュー・エイジ」と評される人が多いようです。また、ロックだけに限定すれば、Talking HeadsR.E.M.といったあたりをひとくくりにしてAlternative Rockと呼ぶこともあるようです。では「オルタナティブ」ではないロックとはどういうのかといえば、例えばボン・ジョビとかジャーニーとかのコテコテの分かりやすいストレートなロックのことで、トーキング・ヘッズやR.E.M.は一癖ある、伝統的なロックとは一線を画したロックといえ、「オルタナティブ」という言葉は「伝統的ではなく新しい」といった具合に捕らえておけば、間違いないと思います。(音楽に興味のない人には蛇足でした。失礼しました。)
では本日紹介されている投信商品はなぜ「オルタナティブ」なのでしょう?「オルタナティブ」ではない伝統的な投資とは、株や債券を主体とした「パッシブ運用」又は「アクティブ運用」であるとされています。日本株のパッシブ運用であれば、日経平均225の銘柄全部を均等に買うのがパッシブ運用のイメージです。対して、日本株のアクティブ運用であれば、ファンドマネージャーが将来値上がりしそうだと目論んだ株だけピックアップして買うのがアクティブ運用のイメージです。両者共に、株式市場全体が上昇すればその恩恵に与り、株式市場全体が下落すれば、損失を被ります。
本日紹介されている商品は割安株を買うという点ではアクティブ運用であり伝統的な投資信託商品ですが、そこに先物の売りを組み合わせているという点が伝統的ではなく「オルタナティブ」なのです。ですから、上手くいけば、たとえ株式市場全体が下落していたとしても、値上がり益を得ることができるわけなのです。
さて、本日の新聞報道から私が「甘く危険な香り(by山下達郎)」を嗅ぎ取ったのは以下の一説で、引用いたします。

(引用始)
『株式市場全体の方向が見通しにくいなかで、三菱信託は市場の変動に左右されない確実な運用成果を求めるニーズが個人投資家にも広がっていると判断した。』
(引用終、強調は私による)

先物の売りをコンビネーションしているとはいえ、このファンドの基本はバリュー株投資です。バリュー株投資の成功者であるバフェットと村上ファンドはどのようにして成功したのでしょうか?
バフェットのスタイルは以下のとおりです。

上がらぬなら上がるまで待とうバリュー株(家康型)

企業経営にはあまり口出しせず経営陣を信頼して、10年単位の長期間で保有することにより利益を得てきたのがバフェットスタイルです。対して村上ファンドは、こんなところでしょうか?

上がらぬなら上げて見せようバリュー株(秀吉型)

日経新聞に嫌味を書かれながらも、株主総会に出席して経営陣を痛めつけ、モノいう株主として経営方針を影響を与え、株式の価値の顕在化に務めてきたのが村上ファンドスタイルです。
「三菱」信託がまさか秀吉型や信長型(???)をとることは考えにくいので、当然家康型でしょうが、バリュー株の価値が顕在するまでには長い時間を要することを投資家は覚悟すべきです。場合によっては、市場全体が上がって先物に損がでているにも係わらず、投資対象のバリュー株は値下がりし、現物先物のダブルパンチの損失を食らう可能性すらあります。本日の新聞の記述からはそうしたリスクが全く読めず、「オルタナティブってのは確実に儲かるらしい」というDQN(はしたない言葉で失礼!)投資家が泣きを見るのではというのが、私の心配です。


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2005年06月10日

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ノンリコ・アパートローン

本日の日経新聞7ページには「返済原資限定」タイプの個人向けアパートローンのコラム記事が掲載されていました。「返済原資限定」とはどういうことかといえば、このアパートローンの場合、返済原資をアパートから得られる賃料に限定するということです。ですから、このローンが変動金利であったとすれば、この先金利が上昇して、毎月の返済額(支出)が賃料(収入)を上回ってしまうような事態になったとしても、奥さんのパート代からやりくりしたり、目玉を売ったりして金策する必要はないということです。
これはアパート投資を考えている人にとっては、大きなメリットです。しかし、メリットがあればかならず代償があるのが金融の世界です。こうしたタイプのローンは「ノン・リコースタイプ」のローンと呼ばれますが、一般的には、ノン・リコースタイプのローンは、その他のいわゆる普通のローン(リコースタイプ)に比べて金利が高めに設定されていることが通常です。
ローンを借りる側は、リスクを軽減されるメリットを享受できるために高めの金利を支払うこととなりますが、銀行側から考えれば「高めの金利を受け取ってリスクを引き受けている」ことになります。では、銀行側が引き受けているリスクはなにかといえば、端的に指摘している一文を引用すると、「住宅販売会社の経営悪化によるリスクを抱え込むのと同じ(本日の日経新聞より引用)」ということになります。
つまり、不動産市況が悪化して賃料の水準が引き下がれば、このローンで融資している銀行は大きな損失を被るわけですから、こうしたタイプの融資を行う銀行は不動産マーケットのリスクを抱え込んでいることになるのです。リスクを積極的に引き受けるには、そのリスクについての専門的な知識が必須で、そうした事情からこうしたタイプの融資を行っている金融機関は不動産関連業者とタイアップしているのです。
東京スター銀行のサイトを見ると不動産投資ローンを紹介するページがありますが、気をつけねばならないのは、ここで紹介されている不動産投資ローンはノン・リコースタイプではない、ということです。では、本日の記事のノンリコタイプのローンはどこで紹介されているかといえば、こちらのサイトで、失礼ではありますがサイトの見た目もあまりきれいではなく、東京スター銀行のサイト内で扱っていないところを見ると、不動産マーケットのリスクを抱えることに躊躇しているのかな、という気が致します。
個々のケースを細かく見ないと断定的なことはいえませんが、一般的に、私は変動金利型のリコースタイプの不動産投資ローンはお勧めしません。金利が低い現時点で見ると利回りはものすごく高くなるかもしれませんが、10年後の金利について、誰が確定的なことがいえるのでしょうか?15年くらい前にタイプトリップしていただいて、その頃のあなたは、そして専門家のエコノミスト達も含めて、誰が現在のゼロ金利を予測しえたでしょうか?変動金利型のリコースタイプの不動産投資ローンでマンション投資を行うというのは、まあ、投資というよりばくちに近いと考えた方がいいでしょう。自分が抱えるリスク要因が理解できないのであれば、手を出さぬが賢明です。

Posted by Ken Kodama at 10:38 | Comments (0)

2005年05月31日

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高い金利には要注意!

あおぞら銀行が1%台の金利の定期預金を発売するとの報道です。以下にNIKKEI NET記事を一部引用しておきましょう。

(引用始)
『あおぞら銀行は30日、金利が年1%の個人向け固定金利定期預金を6月から取り扱うと発表した。金融派生商品(デリバティブ)を活用して高めの金利を可能にした商品で、期間は8年が基本。ただし4年後に市中の金利が下がり、他の手段で資金調達した方が得だとあおぞら銀が判断した場合には、預金の満期が4年に短縮される。』
(引用終)

まず、最初にお断りしておくと、この金融商品に対するこれから述べるコメントは、新聞報道及びネット上の報道文書のみをもとにしたもので、詳しい商品情報を見ていない上でのコメントであることを、あらかじめご了承下さい。
さて、このご時世では1%の金利の定期預金は、明らかに高い金利です。そして、高い金利の背後には必ずそれなりの高いリスクが潜んでいるということを、忘れないでいただきたいのです。
NIKKEI NETの文章でもこの預金は「デリバティブ」を活用していることが明記されていますが、一般的に金利を高くするためのデリバティブというのは「オプションの売り」というものです。「オプションを売る」ということはなんらかの義務を負うことで、この定期預金を購入することになる人々は、実はオプションを売ってなんらかの義務を負うことになるわけです。つまり、買ったつもりが実は売っていた、という事態になるわけです。
そして、その背負う義務が大きければ大きいほど、オプションを売った人の手元には、当初は大きな金額が入り込み、表面的な金利が高く見えるわけです。数年前に大流行した『他社株転換社債(EB)』と呼ばれる社債は、発行体がBNPパリバのような欧州系の名門金融機関(ちなみに私の古巣です(^^ゞ)でありながら、10%近くの金利がついていました。これは常識的に考えればオカシイわけで、そのからくりも「オプションの売り」でした。EB購入者の背負った義務というのは、「ある他の会社の株(例えばトヨタ)がEBの満期時に一定の値段を下回っているときに、それより高い値段で買わねばならない」というもので、いくら天下のトヨタといえど、株式市場で3,000円の値がついているときに、4,000円で買わねばならない約束をするなんて、大抵の方は嫌がるはずです。しかし、多くの人が「欧州名門金融機関の債券」「日本の勝ち組企業」「10%の高金利」というお膳立てに目がくらみ、その結果、多くの人が大損をこいてしまったというわけです。
今回のあおぞら銀行の定期預金の利率は1%であり、高いといってもそれほどではありません。したがって、義務を背負っていることは背負っているのですが、その義務の大きさが小さいため、大して利率が高くならないのです。どういう義務かといえば「4年後の金利がある水準以下であれば、8年の満期のところを4年に短縮する」というものです。確かに4年後の金利が今よりも更に下がっていたとしたら、4年後に1%の定期預金の満期が来てしまっても、有利な運用手段がなくて困ってしまうでしょうが、EBほどの大損を出すことは考えられません。この4年後にやってくるかもしれないリスクを納得して引き受けるというのであれば、「それも一局(将棋用語です)」といったところでしょう。
先日ご紹介した吉本佳生氏著の『金融広告を読め』では、あおぞら銀行の商品とは反対の商品が紹介されています。オプションを売ることによって金利が高くなる点は同じなのですが、背負う義務が「金利が上がったら満期を延長せねばならない」というもので、全く逆方向であるといえます。吉本氏はこの商品を「恐ろしいワナを秘めた定期預金(引用)」と紹介しており、私も、まあ同感です。あまり本のネタバレをしてもクレームがくるかもしれないので、簡単に理由を言えば、インフレリスクに対抗できないからです。
高いリターンを得るためには高いリスクを覚悟せねばならず、それはどんなに知名度のある銀行の金融商品とて同じです。金融技術がいかに発展しようとも、リスクとリターンの関係は、いつの世も変わらないのです。高いリターンの背後にあるリスクが見抜けないのであれば、その金融商品に投資する資格がない、と考えて身を引いた方が賢明でしょう。

Posted by Ken Kodama at 19:57 | Comments (0)

2005年05月29日

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「外為証拠金取引」とどうつきあえばよいのか

本日の日経新聞の『資産運用』のコーナーは、外為証拠金取引がテーマでした。まず、この資産運用のコーナーですが、編集・企画において新しい情報の目を配って、有益な情報を提供しており、日曜日の昼下がりに目を通されることをおすすめいたします。ただ、難点は、いわゆるデイトレーダー向けの情報と、長期投資家向けの情報、いいかえれば「投機」のための情報と「投資」のための情報が混在している点で、読者の皆さんが、自らの立場に応じて、情報の取捨選択を行わねばならないという点には注意して下さい。

【外貨預金の代替としての外為証拠金取引】
さて、私のスタンスは他のお仕事を持った人は、投機に手を染めるべきではないとの長期投資家よりのものですから、細かい外為証拠金取引の概要については、本日の日経新聞を一読いただければと思います。
一つ、長期投資家にとって、有益になるかもしれない考え方をご紹介しておくと、外為証拠金取引は外貨預金の代わりに使うことができるというものです。私は、このアイデアを『内藤忍の資産設計塾』と『金融広告を読め(吉本佳生著)』等のユニークな本で目にしました。
まず、外貨預金の手数料が法外に高いことは、一年前当ブログのエントリーでご紹介したので、ご参照下さい。

『外貨預金の罠』

なぜ、外貨預金のコストが高いのかといえば、外貨預金の場合、為替手数料が発生するのは入金時、満期時、利払時と少ないからです。その少ない回数で銀行にとって十分な手数料収入を得ようとするため、かなり割高な手数料負担を強いられるわけです。
対して、外為証拠金取引は本来的にはデイトレーダー向けの取引であるため、業者はデイトレーダーにたくさん売買を行ってもらって手数料収入を得ようとしますから、一回の売買あたりのコストは外貨預金に比べてかなり割安となっています。ですから、割安な外為証拠金取引で、外貨の売買を少なくすれば、オイシイところどりができるというのが、この考え方の背景にあるものです。
外貨預金の購入を検討されている方にとっては、このアイデアが参考になることは否定しないので、是非、外為証拠金取引との比較検討をしてみて下さい。

【個人投資家は外貨預金を行うべきなのか】
問題なのは、そのさらに背後の部分です。すなわち、「そもそも個人投資家は外貨預金を行うべきなのか否か」という点です。この点に関しては、前掲の著書の著作者の意見は分かれているようです。
まず、内藤氏は「輸入インフレから資産を守る唯一の方法」が外貨建ての資産を保有することである、と述べています。対して、吉本氏は過去のデータを調べた上で、外貨建ての資産を保有しても、輸入インフレからは身を守ることはできないと述べています。(本日、吉本氏の著作が手元にないため、うろ覚えです。後日、訂正するかもしれませんので、あらかじめご了承を。)
私の考え方は、「分散投資という観点から外貨建ての株式や債券を保有すべき」というものです。まずマクロ環境を概観すると、公的年金は少子高齢化の影響で将来の給付削減から逃れることができません。また、企業年金も確定拠出年金等の導入で、運用を従業員一人一人の自己責任に委ねてしまっています。つまり、物質的に豊かな老後が送れるか否かは、我々一人一人の資産運用にかかっているわけです。したがって、老後生活資金を増やすには、株式等のリスク資産への投資が不可欠ですが、その一方で分散投資によりリスクの軽減をはかることも忘れてはなりません。「分散投資のツボ」は、お互いの値動きが無関連な資産を保有することです。したがって、日本の株式・債券のみならず、外国の株式・債券も保有することが重要で、そのような「リスクの分散」の観点から外貨建て資産を保有することが重要である、というのが私の考えです。
ここで、また一つ問題が生じます。というのは、そのような外国の株式・債券に為替ヘッジをすべきか否かというポイントです。実際に、投資対象が外国の株式でありながら為替ヘッジを行うファンドも存在します。本日のエントリーは長くなってきたため、この点についての私の考えは、また別の機会があれば、当ブログでご紹介したいと思います。

Posted by Ken Kodama at 13:16 | Comments (0)

2005年03月29日

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ペイオフを機に資産運用を考える

4月からのペイオフ解禁を題材にした記事が本日の日経新聞の3ページにありました。金融専門家10人の意見によれば、3人の方が「一年以内の発動はない」と断言しており、残りの7人は「可能性は極めて低い」とコメントしているとのことで、これだけを見れば、特に我々はアクションをとらなくてもよいような気がしてしまいます。
しかし、銀行に預金をするということは、決済のサービスを享受できるメリットもあるものの、基本的には我々が銀行にお金を貸していることに他なりません。ムーディーズの格付け一覧をご覧になり、預金利息がその銀行の信用リスクを反映しているのかどうか、これを機に熟考されることもよいかと思われます。ペイオフの対象については、本日の新聞紙面にて確認していただくとして、一点だけ、誤解が多い部分を強調しておくと、外貨預金は預金保険の対象外であるというポイントです。ですから、外貨預金という金融商品は販売している金融機関の信用リスクにまともにさらされることになるのです。外貨預金自体の商品性については以前のエントリーにも書きましたが、信用リスクと手数料を考慮に入れると、あまりお勧めできる金融商品であるとは言い難いです。
さて、少し幅広く、今後の個人の資産運用のあり方について、私の意見を述べさせていただくと、洗練された個人の資産運用は2つの方向性に発展していくと思われます。第一の方向性はポートフォリオ理論(MPT)、アセットアロケーションの理論に裏打ちされた、投資信託の活用を主体とする分散投資です。この考え方を個人向けに詳述した本が、マネックス証券の内藤忍氏著の『内藤忍の資産設計塾』です。マネックス証券の方が書いた本ですから、マネックス証券自体、こうした資産運用法を軸とした営業を展開していくと思われますし、また、既にこの考え方にのっとって営業展開しているのがLPL日本証券です。
第二の方向性が、バフェット流の株式による長期投資です。バリュー株を発掘し、長期保有により大きなゲインを得ようとする戦略で、第一の方向性に比べれば、費やす労力(情報収集、財務理論等の学習)は比較にならないほど多く、お仕事に専念したい方は「アセット・アロケーション+ポートフォリオ」、アフター5は全て財テクに費やす覚悟がある方は「バフェット流株式投資」という形態に分岐していくと思われます。
しかし、この2つの方向性は、あくまでも私の予測であり、かつ、「洗練された」個人の資産運用に関わることなので、大半の方は普通預金の巨額の資金を溜め込んでいたり・・・というのが実情だと思います。

Posted by Ken Kodama at 10:30 | Comments (0)

2005年03月16日

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50年国債 出たら買うべきか?

欧州で50年物などの、超長期国債の発行が相次いでいるとの報道です。日本で発行された物価連動国債なども、先にイギリスで発行されており、日本政府もいずれは超長期国債の発行を検討することになると予測されます。
一般的には、金利は満期が長くなるほど高くなると考えておいてよいでしょう。(まれに、金利の低下が予測されるときには、満期が長いほど金利が低くなる場合もあります。)そうであるならば、金利は10年満期より20年満期、20年満期より50年満期の方が高くなります。国債を発行しているのは政府に変わりないわけですから、もし50年満期の国債が日本で発売されたなら、我々は運用手段として高い利率の50年国債を買うべきなのでしょうか?
結論から言えば、我々個人の資産運用手段として、50年物国債を使うことは考えない方がよいでしょう。ほとんどの人にとって、50年物国債の満期が来る前に、自分の寿命の方が先に訪れるはずです。満期に国債が償還されるのであれば、元本通りの金額が受け取れますが、満期前に国債を売却すると、その時の金利動向により、元本通りの金額を受け取れない可能性があります。金利が上昇していれば債券価格は下落し、途中売却により受け取る金額は元本より小さくなってしまいます。
しかも、この債券価格の変動というのは満期が長いほど大きいのです。つまり、金利が上昇した場合に10年物国債の価格の下落より50物国債の価格の下落の方が、はるかに大きいわけです。したがって、お金が必要になったときに50年物国債を売却するとき、運悪く金利が上昇していたら、かなり大きな損失を被ることを覚悟せねばなりません。
債券で運用をするときは、必ず満期を意識する必要があります。ご自身のライフプランを立ててみて、資金が必要となるタイミングより後に満期が訪れるような債券で、運用をすべきではありません。

Posted by Ken Kodama at 19:09 | Comments (0)

2005年01月11日

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待望のリバース・モーゲージ登場

中央三井信託銀行と三井住友海上火災保険がタッグを組んで、リバース・モーゲージ商品の取り扱いを3月から始めるという報道です。まず、リバース・モーゲージとは何であるかということですが、「リバース」が逆を意味するという点についてはよいかと思われますが、何の逆であるかといえば、我々が住宅を購入する際に利用する住宅ローンの逆であると思って下さい。どちらも持ち家を担保にして融資を受けるという点は同じですが、住宅ローンは一括で融資を受け分割で返済をするのに対し、リバース・モーゲージは分割で融資を受け一括で返済するという具合に、キャッシュフローのパターンが全く逆になります。したがって、融資を受ける目的が全く異なり、普通の住宅ローンの目的は住宅購入が目的ですが、リバース・モーゲージでは老後の生活資金の補填が主目的となります。
新聞によれば、80年代も同様の民間の商品が存在したようですが、若い私は知る由もなく、最近では武蔵野市を代表とする一部の地方公共団体が提供するのみだったのですが、それを中央三井が再び商品化したため「待望」とタイトルにつけたわけです。中央三井信託の商品を当サイトで取り上げたことは2回あり、いずれも高齢者をターゲットとしたものであり、高齢者のニーズをよく考えた上で商品化しており、高く評価したいと思います。以下は私のサイトの過去のエントリーへのリンクですのでご参照下さい。

難民への遺産寄付と高齢者の生きがい

痴呆後も運用を継続する信託

高齢者のニーズをつかんでいることもさることながら、自行のリスク管理に対して配慮した商品設計になっている点も高く評価したいと思います。具体的に言えば、融資額に上限が付されている点です。融資を受ける高齢者側にしてみれば、自分はまだまだ生きていけるのに、公的年金を補完するリバース・モーゲージによる融資が途中でストップしてしまうことは大いなる不安ですが、それを三井住友海上きらめき生命保険の提供する終身年金で補おうというわけで、融資は銀行、保険は生保と、「餅は餅屋」のアライアンスを組んで商品提供をしている点に好感が持てます。
難点はといえば、現段階での対象を富裕層に限定している点で、「住宅の土地の担保評価が一億円以上となるのが条件(引用)」といわれてしまうと、本当にこの商品を必要としている層には手が届かなくなってしまいます。「その後に対象を拡大することも視野に入れる(引用)」とありますので、この条件が緩和されることを期待したいと思います。
もう一つ気にかかる点は以下の記述です。

(引用始)
「融資の返済に際しては、同居する配偶者がいる場合には二年間の猶予期間を設ける。」
(引用終)

新聞記事のみが情報で詳しい商品説明がない現時点でははっきりとはいえませんが、上記の記述をそのまま読む限りでは、夫名義で融資を受け、夫に先立たれてしまった妻は、夫の死後二年間の間に返済のために持ち家を手放さざるを得ない、といった悲惨なケースが想定されます。夫婦での利用を妨げかねないため、商品設計上のもう一段の工夫をお願いしたいものです。

Posted by Ken Kodama at 11:23 | Comments (0)

2004年09月01日

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日経平均連動型の定期預金

新生銀行から金利が日経平均に連動する定期預金が発売されるとの報道です。『「株価上昇型」か「株価下落型」を選び、1年後の株価が預けたときに比べ、予想通りの方向に15%以上、上昇・下落したら金利を1%上乗せする。予想が外れた年も年0.3%の最低金利を保証する。』(引用終)というのが仕組みです。日経新聞には、『こうした商品を日本の銀行が個人向けに販売するのは初めて』と書かれていますが、法人向けには同様の商品は既に発売されており、その下敷きにあったのはデリバティブと呼ばれる金融派生商品の技術です。
先日当サイトで紹介した「金利が上がると支払利息が減るローン」というのも、やはり金利スワップという技術が下敷きにありました。こうした、デリバティブの技術が中小企業や個人向けの商品に使われるのは、最近のトレンドなのかもしれません。しかし、こうした商品の購入を考えていらっしゃる方は、必ずその商品の説明書を細かく書かれている字も含めて、よく読む必要があります。この商品に関してのみいえば、予想が当たれば高めの金利、外れれば低めの金利が適用されるだけのことで、元本割れになるリスクはありません。しかし、法人向けに発売されていた株価リンク債では元本の償還額も株価により異なるタイプのものも存在したため、今後新しい商品が発売されたら、必ずどのようなリスクがあるのかしっかりと確認する必要があります。
こうしたデリバティブを駆使した個人向け金融商品で批判の的となったのがEB(他社株転換社債)です。実はこのEBには、非常にリスクの高い「オプションの売り」のポジションが組み込まれていたのです。「オプションの売り」を組み込むことにより、ある条件のもとでは、高い利率を実現することが可能で、広告の宣伝には、さもリスクがないかのように「9%」という具合に表示していたのですが、株価の動向が期待しない方向にふれて、損を被った方が続出したのです。
あまりにも当たり前の話ですが、高いリターンの裏には高いリスクが常にあると考えてよく、必ず儲かるうまい話など絶対にないのです。変わった金融商品の購入に興味があるのであれば、しっかり調べて勉強した上で、購入していただきたいと思います。

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2004年07月12日

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家計の現預金比率は米国の4倍以上

日銀がまとめた家計の資産構成に関するリポートによれば、日本の家計の金融資産に占める現金・預金の比率は米国の4倍以上であるとの報道です。
同報道では「米国に比べるとなお安全志向が強い様子がうかがえる」と結んでいますが、現預金の比率が高ければ、それはすなわち安全といえるのでしょうか?
「日本人は安全志向の国民性なのだ」と短絡的に片付けてしまう前に、次の2つの事実に目を向けるべきだと私は思います。第一に、我々のマネーライフを取り巻く外部環境は、「自己責任」を中心原理とする米国型に急速に移行しつつある事実から目をそらしてはなりません。決して我々が望んだからではないのですが、少子高齢化や社会保険庁の怠慢により年金財政は急速に悪化してしまい、公的年金のみに頼っていたのでは、豊かな老後を送ることはできません。また、企業の雇用形態・企業年金なども急速な変革期の途上にあり、企業が老後の面倒を見てくれる時代も終わりました。公的年金や企業のバックアップが急速に縮小しつつあり、社会全体が好むと好まざるに関わらずアメリカに近づこうとしている中で、我々の投資法だけが純和式のままでよいはずがありません。
第二の点はインフレへの対応という視点です。確かに、つぶれる心配のない銀行に現預金を預けておけば、価格変動リスクや為替リスクにさらされることなく、元本は保証されるわけで、安全この上ない気がしますが、現預金だけでは物価上昇のリスクに対応していないのです。最近では、連日のように企業・消費者物価指数の上昇を伝える報道があります。歴史的にみても、デフレであった期間よりインフレであった期間の方が圧倒的に長いのです。10年満期の100万円の定期預金は10年後に100万円の元本と利息がしっかりと帰ってくることは確かですが、その10年間で物価が5%、10%上昇する可能性を考えると、果たして現預金に有り金全部つぎ込むような投資スタイルは、「安全」だといえるのでしょうか?

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2004年07月07日

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「グロソブ」を考える

外貨建ての投資信託の残高が10兆円を突破、過去最高となったとの日経報道がありました。中でも、日経紙面の記事によれば、国際投信投資顧問が運用する「グローバル・ソブリン・オープン」は純資産残高が3兆円を超えているとのことで、外貨建て投信ブームを牽引しているといっても過言ではないでしょう。そこで通称「グロソブ」と呼ばれる、同ファンドについて様々な角度から考えてみたいと思います。
【グロソブ人気の秘密】
なぜ、かくも多くの人がグローバル・ソブリン・オープン・ファンドを購入するのでしょうか?人気の秘密は2つの集約されると思います。
(1)投資対象の債券の格付けが高い
「ソブリン」の意味がわかれば自ずと分かることですが、グロソブは世界各国の政府もしくは世銀等の国際機関が発行する高格付けの債券のみを対象としています。アメリカ政府やドイツ政府が財政破綻することは、まず考えられません。こうした、「安心感」がグロソブ人気の第一要因となっています。
(2)毎月分配型であること
毎月決算型のグロソブは、最近では、1万口あたり毎月40円の分配金を出しています。これは税引前の数字ではありますが、単純に12倍すれば、年間で480円と、この低金利の時代には結構な額の「おこづかい」が入ってくることになるのです。
年金に代表されるように、この手の「毎月毎月ちゃりんちゃりんとおこづかいが入ってくる金融商品」に日本人は目がありません。先日ご紹介した、新生銀行の外貨預金も、この心理を巧みについた広告を展開していました。
【グロソブのリスク】
このような魅力的に見える金融商品であっても、必ずなんらかのリスクがあるものです。以下の3つのリスクがあることを、はっきりと認識せねばなりません。
(1)為替リスク
投資対象の債券のほとんどは外貨建てなのですから、当然為替リスクのある金融商品です。ただ、投資対象は米ドル、ユーロなどに分散されているため、全額ドル建ての債券を購入する場合などと比較すれば、ポートフォリオのリスク分散効果により、為替リスクは低減されてはいます。ただ、他通貨に対して円が独歩高になるケースも考えられ、そのような場合には大きな為替差損を被ることとなります。
(2)金利リスク
金利が上がれば債券価格は下落し、金利が下がれば債券価格は上昇します。したがって、投資対象の国で金利が上昇すれば、債券の価格が下がり、それに伴う損失を被ることになります。
(3)ファンド規模が大きくなることによる不都合
最後の点は、グロソブの目論見書などには記載されていませんが、一般的に、ファンドの規模が急激に大きくなると、ファンドのパフォーマンスが下がってしまうことがよくあります。たとえば、今回の新聞報道により、またグロソブ人気が高まり、多くの資金が集まってきてしまうと、ファンドマネージャーはその資金の運用先のことを考えねばなりません。それにともなって、運用対象としている債券の銘柄が増加してしまうと、注意力が散漫になってしまうという可能性もある、ということを気に留めておくべきでしょう。
【ライフプランとのミスマッチ】
こちらのサイトによれば、フィデリティ投信が行った調査によると、分配金の出る投信を買った人の約7割は分配金を使わずに貯蓄している、とのことです。もちろん、分配金をどうしようと個人の勝手なのですが、たとえば、グロソブを現在40代くらいの方が老後資金の形成のために購入されていたとしたら、私はその方に変額年金保険との比較検討を勧めます。投信の分配金には当然課税がなされるわけですが、変額年金保険のような金融商品を使えば、この課税を繰り延べることができ、長期間にわたれば、その額は無視できないものになります。(変額年金保険と投資信託の課税の違いについてはこちらのサイトをご参照下さい。)
どんなに人気のある金融商品であっても、その人のライフプランに合致しているものでなければ、その効果は半減してしまいます。グロソブの購入に関心がある方も、まずなんの目的で購入するのか、今一度深く考え直してから、購入されるとよいでしょう。

【追記】(2005年9月14日記)
当ページには検索エンジンを通して多くのアクセスをいただき、ありがとうございます。当エントリーを執筆した当時に比べて、最近では毎月分配型ファンドの利点よりも問題点に対して、私の関心は移りつつあります。「よく分からないまま商品を購入している方が多いのではないか」との疑念を深めることが多いので、その後関連するエントリーを2つ執筆いたしましたので、ご関心がある方はご一読下さい。

毎月分配型ファンドの注意点

私には全く理解できないパトナム人気

Posted by Ken Kodama at 12:08 | Comments (0)

2004年06月22日

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難民への遺産寄付と高齢者の生きがい

非常に地味で小さな記事ですが、本日の日経紙面に私の関心を惹く記事がありました。中央三井信託銀行が国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)日本委員会と提携して、国連側に遺産寄付を申し出た人に中央三井の遺言信託を紹介するというものです。中央三井にとっては、国連という絶大なる信用力をバックにした販売窓口ができたようなものでしょうが、私にとっては、高齢者の方の「寄付」という選択肢に対する関心の高さを確認できたという意味で非常に興味深いものです。
【高齢者の自己実現について】
一般的には残すほどの遺産があれば、自分の子供にいかに多くの額を残すか節税に頭を悩ませるのでしょうが、寄付という選択をする方々も存在するわけです。どのような方が寄付をするかといえば、まず考えられるのは子供がいない方々です。また、いても関係が疎遠になってしまった方も、寄付を考えるかもしれません。また、それ以上に重要なファクターとなっていると考えるのが、自己実現ではないかと私は思うのです。自分の命はつきようとも、社会的に貢献したい、またそれにより、自分の生の痕跡を残したいと考える方が増えているからこそ、このようなビジネスが発生しているのでしょう。
少子高齢化社会の到来で「これからはシルバービジネス」と短絡的に考える方が多いのですが、終末期のケアにせよ、このような遺言信託にせよ、高齢者の自己実現と尊厳について、深く考えたものでなければ、成功は難しいと私は思います。
【遺言信託について】
ここで、遺言信託について若干説明を加えておきたいと思います。遺言信託とは信託銀行が提供するサービスで、遺言に関わる面倒な事務手続きを一手に引き受けてくれるサービスと申し上げてよいでしょう。具体的には、遺言書作成の相談から始まって、実際の作成及び保管、相続の際の財産分与の手続きまでを信託銀行が行ってくれて、そのかわりに手数料を支払うというものです。手数料の具体例としては、こちらのサイトをご参照下さい。また冒頭の記事には、「死亡後の税金対策も手掛ける」との記述がありましたが、寄付をすることにより、例えばこのサイトでいうような寄付金控除を受けることができます。節税という観点からも寄付を検討することも可能なのです。

Posted by Ken Kodama at 10:46 | Comments (0)

2004年06月14日

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個人向け国債とは?

6月12日付日経朝刊にて、7月発行分の個人向け国債の当初発行予定額が1兆5千億円に達したとの報道がありました。個人向け国債とはどのような金融商品なのでしょうか?また、購入にあたって注意すべきポイントはどこにあるのでしょうか?以下に簡単にまとめてみました。
【商品の概要】
商品の詳しい説明に関してはこちらの財務省のサイトをご参照下さい。以下に特に注視すべき要約を説明します。
最低額面単位が1万円となっており、小口の資金でも可能です。
満期は10年です。
③金利は変動金利であり、半年毎に見直されます。どのように計算されるのかというと、「基準金利-0.8%」という算式で見直されます。ここで基準金利とはなにかといえば、「10年固定利付国債の入札における平均落札価格から引受手数料に相当する額を控除した価格を基に計算される複利利回り」と財務省サイトには記述されています。かみくだいていえば、金利を見直す時点の長期金利より少し低めの金利が半年毎に計算されるということです。
④発行から1年後であれば中途換金は原則としていつでも可能です。ただし、中途換金をすると直前2回分の利子(税引前)相当額が差し引かれてしまいます
【どのような人におすすめの商品か?】
連日の報道でもあるように、長期金利はほぼ上昇局面にあるといってよいでしょう。金利が上昇局面にあるときは、固定金利の金融商品を購入するのは損です。したがって、今まとまったお金を銀行の10年物の定期預金にしようと考えている人がいるとすれば、将来の金利上昇を考えれば、個人向け国債の方がおすすめです。
ただ、中途解約をすると直前2回分の利子相当額が差し引かれてしまうため、差し迫った出金の可能性がある場合は結果的に有利な運用とはいえなくなるのでおすすめできません。
【ワンランク上のアドバイス】
現在手持ちの金融資産が少ない方、あるいは既にリタイアされた方などは、あまり高いリスクの金融商品を購入すべきではないので、個人向け金融商品は有力な選択肢となりえます。
一方、金融資産にかなり余裕のある方、あるいはまだかなり若い方などは、ある程度積極的にお金を増やすという視点ももつべきでしょう。そのような方は、余ったお金を全額個人向け国債等の金利商品だけにふりむけるのではなく、株式等の購入も検討された方がよいでしょう。なぜならば、金利商品だけではインフレのリスクには対応できないからです。
【弊社PR】
弊社では個人の方それぞれのライフスタイルの立脚した上でのファイナンシャルプランの作成を行っています。総合的な見地から、細かい新金融商品の動向も踏まえた助言を行っていますので、ご興味のある方は弊社サイトをご覧下さい。

Posted by Ken Kodama at 16:54 | Comments (0)

2004年05月13日

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物価連動国債を組入れた投信

物価連動国債を組入れた投信が第一勧業アセットマネジメントにより6月に設定されるとの報道
物価連動国債とは、読んで字のごとく、元本や利払いの額が物価に連動する国債のことである。詳しい仕組みについては、このPDF文書が簡潔で的を得ている。
組入れられる対象の物価連動国債自体は個人では購入できず、このような形で個人でも購入できるようになる意義は大きい
我々は皆老後の資金を形成していかねばならぬが、2~30年先のこととなると心配されるのは、インフレによって貯蓄が目減りしてしまうことである。インフレに打ち勝つ投資手法として一般的にFPが進めるのが「株式インデックス投信」の購入である。ソニーやトヨタと言った個別の株では、それぞれの企業の事情で2~30年先の価格など全く不明だが、2~300銘柄組入れた株式のインデックス投信ならば、個別企業のリスクはとりのぞかれ、物価との連動性が高まる(ポートフォリオの分散効果)
ただ、株式インデックス投信とて、物価と100%連動しているわけではない。株式市場特殊の要因によってバブルで乱高下したり、ブラックマンデーのようなことが今後ないとも限らない。やはり株には株のリスクがあるのである。
一般的な話だが、将来のインフレを懸念する堅実な方は、株式をポートフォリオに組入れるだけのリスク許容量がない。そのような方にとって、インフレに連動した「国債」は格好の金融商品である。
残念ながら、この投信の最低販売単位は1,000万円と、庶民には手を出しにくい金額である。組入対象となるインフレ連動国債の発行額が厚みを増し、低額で購入できる投信が登場したり、インフレ連動国債自体を個人でも購入できるような環境が整うことが望まれる。

Posted by Ken Kodama at 10:41 | Comments (0)